オムニチャネルの成功事例
Illustratorが使えない? Webデザイナー
今でもたまに、Webデザイナーは印刷物のデザインもできる、と思っているクライアントさんに出会います。もちろんそんな両刀使いのデザイナーもたくさんいますが、「印刷物はやった事が無い」というWebデザイナーは多くなっています。
Webが出た頃には、それまで紙媒体をやっていた印刷やデザイン事務所などがWeb制作を行う事が多かったため、一時期のWebデザイナーは確かに両刀づかいでした。けれども学生の頃から既に“Web”というものがあった世代が社会に出て仕事をするようになり、Webが媒体やコミュニケーションツールとしての地位を確立していけばそうした「印刷の延長線上」にいたWebデザイナーでは十分では無くなっていくのです。
Adobeの代表的なグラフィックソフト「Illustrator」は印刷物、つまりDTPのデザインを行うデザイナーにとっては必須のソフトですが、これを使えないWebデザイナーも少なくありません。本やカタログといったページもののデザインで使われる「InDesign」あたりになってくると、触った事もないという人の方が多いほどです。
Webデザイナーが、空間デザインにまで進出してくる?
これを不思議に思う人もいるかもしれません。けれども考えてみるとDTPやWeb、グラフィックのデザイナーは同列に見ても、インテリアデザインまでできると考える人はあまりいないはずです。建築などの空間デザイン(スペースデザイン)はやはり別もの、と考えるのですね。
ただ最近面白いと感じたのが、あるWebの制作会社に空間デザインの仕事の相談があったという話です。いくらWebが一般化してきたからって、空間デザインの分野にまで進出するなんて・・・。
ボーダレス化していくリアルとオンライン
さすがに相談を受けたWeb制作会社も面喰ったそうです。印刷物はできますか? ではなく空間デザインなのですから。所属するのはほとんどがWeb専業のデザイナーですから、空間デザインはおろかインテリアの経験があるデザイナーもいません。
ただ話を聞くと、依頼元にはきちんとした意図があったそうです。それはある商業施設を、訪問者がスマホのアプリケーションを使って出入りしたり、契約まで行うという企画で、施設を空間デザインだけの知識で作れば、アプリケーションを使ってのスムーズな動線(人の動き)が途切れてしまう。そこでアプリケーションを作るWeb制作会社にも、空間デザインの方に入って欲しい、という相談だったそうです。
こうした話を聞くと、もはやオンラインとリアルとを別々に考える、というのはナンセンスな事のようです。ネットショップを開いている会社の中には、実際の店舗を持っている所も多いと思います。ロゴやブランドカラーでイメージを統一、なんて事だけで足りる時代ではもうなさそうです。オンラインとリアルを一体で考える、広く柔軟な視野が必要です。
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