アマゾン出店のススメ
Date:2014.09.14
リスク分散や新規顧客獲得を目指して、複数のショッピングモールへ出店されている方(もしくは、出店を検討されている方)も多いことでしょう。ネットモール出店を検討する際、まず最初に候補に挙がるのが楽天市場、次いでYahooショッピングの順番で検討する方が最も多いです。
もちろん、楽天市場、Yahooショッピングは日本の2大ショッピングモールなので、真っ先に候補に挙がるのも無理はありません。ネット販売で有名店舗の多くは、楽天市場とYahooショッピングのいずれのモールに出店しているケースが多いことも事実です。
ところが、最近、ネットモールで密かに新しいムーブメントが起こり始めています。その渦中にあるショッピングモール、、、、
それは、アマゾンです。
今、アマゾンで何が起きているのか?
それでは、現在、アマゾンでは何が起きているのでしょうか?2014年に入ってからの主な動きを見てみましょう。
カテゴリの見直し
アマゾンジャパンでは、今年に入ってから商品カテゴリの大規模な見直しを図り、以前に比べて目的の商品が探しやすくなりました。用途別、ブランド別、価格別、ランキング別に商品が非常に分かり易く分類されており、検索窓からキーワードで検索しなくてもカテゴリをドリルダウンで辿っていくだけで、簡単に目当ての商品が見つかります。
楽天市場やYahooショッピングでは、同じ商品を取り扱う店舗が複数あると、取扱店舗数に比例して同じ商品のページが複数登録されます。そのため、検索結果などに同一商品が数多く表示されます。一方、アマゾンでは1つのJANコードに対して、原則として1つの商品ページを複数の店舗で共有する仕組みを採用しています。その分、商品が見つけやすいということになります。
カテゴリの見直しによって、消費者に対する利便性が向上し、それが売上げに影響していることは、ほぼ間違いないでしょう。
外部サイトからの流入強化
一説によると、アマゾンの外部からの流入(リスティング広告、アフィリエイトetc…)の件数はアクセス全体の過半数以上を占めると言われております。新規顧客獲得のために、毎月、多額の広告をかけてアマゾンへとの誘導を図っています。また、最近では価格.comからの誘導も強化しており、今後、さらに外部からの流入は増えていきそうです。
フルフィルメント by Amazon (FBA)対応商品の取り扱い強化
ここ最近、アマゾンではFBA対応の取り扱い商品を急速に増やすことによって、顧客の利便性を更に高める取り組みに力を入れています。FBAとは、アマゾンが運営する倉庫に商品を預け、注文が入ったらそこから直接、消費者へ商品を配送するサービスです。このサービス対象の商品をカートに入れると、「この商品は●●店が販売し、Amazon.co.jpが配送します」と表示されます。注文した商品が早く確実に届くことで定評があるアマゾン物流が配送を代行してくれることによって、Amazonプライム会員を中心とした優良顧客の安心感と満足度の向上が期待できます。
参照)アマゾンFBAサービス概要ページ
http://services.amazon.co.jp/services/sell-on-amazon/soa-fba.html
アマゾンFBAの詳細につきましては、後述いたします。
担当ECCがデータを分析し、売上げアップをサポート
これまで、アマゾンでは担当コンサルタントがつくことはありませんでした。ところが、2014年後半より、事務所を設置し、パワーセラー(売上げを伸ばしている優良店舗)を中心にアマゾンジャパンのスタッフが販売サポートを行う試みがされています。これまで、店舗運営に関する質問がある場合には、アマゾンの管理画面である「セラーセントラル」からメールで問い合わせするしかな方法がありませんでしたが、近い将来、専属のコンサルタントが付き、売上げアップを目指すためのサポートをしてくれる可能性も出てきました。現状、まだテスト段階のようですが、今後、サポート体制が整備されていくことで、これまで闇に包まれていたアマゾンでの効果的な販売手法が体系化されることも時間の問題間もしれません。
ポテンシャルの高い商品は自らのMDで集客を強化
ポテンシャルの高い商品カテゴリに関しては、アマゾンが自ら仕入れと販売を行っています。家電用品、お酒などが代表的な例としてあげられます。
また、アマゾンが集客を強化する上で、すでに知名度が高い企業と提携するケースもあります。例えば、ゴルフ用品部門では、日本最大手のゴルフ場予約とネット通販を手がける企業とコラボしたり、ゲーム部門では任天堂のダウンロードストアが出店しています。今後、大手小売店とのコラボ企画も増えていく可能性があります。
もちろん、アマゾン自体が自らのMDと、すでに高い知名度と集客力を誇る企業と提携することで、強力な競争相手となる危険性もあるのですが、集客の上では更に多くの顧客の流入が期待できます。
アマゾンで競合他店に差を付けるコツ
アマゾンでは、審査さえ通過すれば、簡単に出店することができます。しかしながら、楽天市場やYahooショッピングなどの大手ショッピングモールと大きく異なる点があります。それは、基本的にアマゾン内では「待ちの売り方一本」ということです。メルマガも配信できなければ、広告も存在しません。商品を登録して、お客様が来るのをひたすら待つ「受け身の販売」が基本的な販売手法です。しかしながら、それ故に既存店との差が広がりにくく、コツさえ掴めば、後発組であったとしても、短期間で追いつける可能性も高いと言えます。以下、アマゾンで競合店に差を付けるためのコツをいくつかご紹介いたします。
商品登録点数を増やす
原則として、アマゾンではメルマガや広告で商品をアピールできないので、お客さんの流入口は商品ページということになります。アマゾンのみならず、ショッピングモール全般的に共通することですが、商品登録店数を増やすことで、店舗への入り口が多くなります。消費者が購入に至るか否かは「販売価格」や「商品そのものに魅力があるか?」が重要な要素ではありますが、お客様に商品を見つけてもらわない限りは、何も購入してもらえません。まずは、取り扱い商品点数をいかにして増やすかを最重視しましょう!
売りたい商品、人気の商品は一番上のカートに表示されるようにする
アマゾンでは原則としてJANコードに基づいて商品を登録するシステムとなっています。従いまして、出品したい同じ商品がすでに出品されている場合、同じページ内にひとまとめとして登録されます。出品されている商品のうち、「価格が安い」「在庫が多い」「発送までのお届け期間が短い」「販売実績が多い」などの要素を総合的に判断して、表示順位が変わってきます。もちろん、一番上のカートに表示されることによって販売数は大きく左右されるので、売りたい商品に関しては、そのポジションを目指したいところです。
商品カテゴリを詳細に設定する
今年に入ってから、アマゾンのカテゴリが大幅にリニューアルされましたが、その影響でこれまで以上に商品のカテゴリを細かく設定できるようになりました。検索窓以外から、カテゴリを辿っていくことで欲しい商品を探すお客様も多いので、商品登録の際、的確にカテゴリ設定ができているか否かは購入を左右する重要なポイントとなってきます。ブランド別、サイズ別、用途別にできるだけ細かくカテゴリ設定をするように心がけてください。
FBA対象商品を増やす
アマゾンの倉庫から商品が発送されることによって、会員に対する安心感を与えるというメリットは上記でも述べましたが、アマゾンFBAを利用することで享受できるメリットは他にもあります。まず、なんと言っても発送が早いこと。お客様が注文した商品は、店舗側はなにもしなくても、即座にアマゾン側で発送手配が行われるので、最短で消費者の元へ届きます。また、商品の発送以外に倉庫機能も果たしてくれるので、店舗側は場所効率が飛躍的に改善されることが期待できるので、お客様のみならず、店舗にとってもメリットが大きい魅力的なサービスと言えます。
その他、アマゾンFBAの特徴と詳細につきましては以下をご参照ください。
※アマゾン受注管理画面「セラーセントラル」ヘルプより引用※
Amazonプライム会員へのお急ぎ便*対応
購入者は、商品の迅速な配送を望んでいます。Amazonプライム会員向けのお急ぎ便は非常にニーズの高いサービスであり、 FBA商品はこのお急ぎ便や、受注当日にお届けする当日お急ぎ便が適用されます。
* 関東地方は当日または翌日にお届けいたします。但し、一部地方を除きます。
商品の国内発送料が無料*
Amazon.co.jpで販売し、購入者に発送する全商品の通常配送料は無料です。FBA商品も同様に購入者への国内発送料無料の対象となります。
*詳細はAmazon.co.jp 内に掲載されている「 配送料と配送情報」をご参照ください。
年中無休で即日出荷
Amazon.co.jpは年中無休24時間体制で受注いたします。そして、FBA商品は受注後に速やかに出荷されます。
カスタマーサービスの利用
FBA商品の出荷に関する購入者からの問い合わせには、Amazonカスタマーサービスセンターが年中無休で対応いたします。
購入者からの返品対応
FBA商品の購入者からの返品には、Amazonが対応いたします。
Amazon 以外の販売経路からの受注にも対応
出品者様の自社サイトなどAmazon.co.jp以外の販売経路で受注した商品の出荷も、Amazonが代行して出荷いたします。
すでに競合が多い商品は、独自路線商品を開拓する
すでに既存店との競合、価格競争が熾烈な商品については、販売数が伸ばしにくいケースもあります。その場合には、セット商品にして販売したり、他店では扱っていないようなニッチな商品を取り扱ってみたり、並行輸入商品の販売など、できるだけ競合が少ない商品の販売に挑戦してみてください。原則としてアマゾンでは商品登録のためにはJANコードが必須となりますが、オリジナル商品を含むJANコードが存在しない商品については、別途、申請することでJANコードがなくても商品が登録できる権限が与えられます。
アマゾン出店における注意点
アマゾンでは、顧客満足度に対して細心の注意を払っています。特に意識していることは注文キャンセルの件数で、全体の注文件数のうち、キャンセルが占める割合がアマゾンが定める一定の数値以上を越えることが多い場合、警告を受けたり、場合によっては出店停止になってしまう危険性があります。アマゾン内で掲載する商品につきましては、極力、お客様に確実に提供できる商品を厳選しましょう。
また、当然のことながら店舗レビューの評価が低い場合もお客様に対して警戒心を与えてしまいますので、常にレビュー内容を確認しながら常に改善を心がけていきましょう!
短期間で優良店舗を追い越せる無限の可能性
世界最高峰の物流サービスを武器に、優良顧客を数多く囲い込むアマゾン。楽天市場やYahooショッピングとは形態が少し異なるモールですが、今後、その利便性を支持する顧客が今後さらに増えていくと、ネット販売のシェアを今以上に大きく拡大していくポテンシャルも高くなってきます。現状では、まだアマゾンの将来的な可能性に気づいていない店舗様も少なく、まだまだ競合が少ないジャンルも多数あります。今のうちにアマゾン特有の売り方をマスターすることにより、他モールでは雲の上の存在の店舗でも短期間で追い越せる可能性があります。
ぜひ、今のうちにアマゾンへの出店を本格的に検討してみてはいかがでしょうか?
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