外食とWebの特殊な関係
Webサイトで売れないものもある
一部では「今やインターネットで何でも売れる時代」という声も聞かれます。しかしやはり売れないものもあります。「外食サービス」はその一つです。但しここでいう外食サービスは、お弁当や宅配ピザなどのデリバリー、テイクアウトを中心とした料理は除きます。ですのでECサイトとはちょっと異なりますが、他の分野の事も知ると、今後のショップ運営や新たなビジネスチャンスへの閃きに繋がっていくかもしれません。
外食サービスとWebの関係は深まっていない
ネットショップという手法は無理でも、店舗誘導はWebサイトでも可能です。クーポンを配布したり、共同購入で来店を予約するという手法はもちろんあります。ところが全体にWebが占める割合と言えば、私が外食のお手伝いをしていた7、8年前とそう変わってはいない印象です(もちろんインターネットの普及に伴い、総数は増えているでしょうが)。また外食サービスが集客としてWebを活用する手法についても、特に劇的な変化は見られません。
味、そして雰囲気はWebでは伝わらない
外食をWebで、と言えば口コミが挙げられるでしょう。実際に外食の口コミサイトも、今は定番化しています。ところがそれが直接お店への集客、売上に繋がっているかと言えば大いに疑問です。家電製品の価格比較サイトなどと比べると、その違いは明らかでしょう。
外食サービスで最も求められるもの。それは言うまでも無く「味」です。外食の口コミサイトもそれを中心に書き込まれる事が多いですが、1、2件程度の書き込みのお店を別にすると、異口同音に「美味しい」とばかり書かれているお店は、それほど多くありません。その逆もしかり。これは何故かと言えば、味の感じ方は人それぞれだからです。家電製品の良し悪しであればある程度理由が明白に、またコスメ用品でも個人差はあっても、効果の実感やその特徴について自分に置き換えてみる事ができます。ところが“五感”、しかも味覚という部分によるところが大きい味は、あまりにも人それぞれの感覚が違いすぎるのです。
また外食サービスは単に食事だけを求める場所でもありません。その店独自の雰囲気も重視されます。味に比べれば伝わりやすい部分ですが、それでも個人個人により受け止め方が違います。
お店独自の集客はどうか
Webが出た事でお金を使いチラシなどを配布しなくても、自分たちで集客を行う術ができました。外食店舗の多くが「ブログ」を開設した時期もありましたが、こちらもあまり効果があったとは言い難いようです。最近はfacebookを開設しているお店も目立ちますが、こちらも状況は同じようですね。
私が以前ブログを開設したお店を訪ねた際も、「何を書いていいかわからない」「忙しすぎて、頻繁に更新なんてできない」という声が聞かれました。また更新したからと言って、どれほど効果があるものか・・・。
Web全盛の昨今も、こんな風に親和性の低いジャンルというものが存在します。「ネットは万能」というのを少し考えて欲しいと共に、逆に見ればまだまだ開拓できる分野もあるという事です。
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