Web制作はカテゴリ分けで決まる。さらにECでは大切な事(前半)
IAという重要な要素
数年前、IA(インフォメーションアーキテクト)分野の方が「なかなか専門職として認めてもらえない・・・」と嘆いているのを耳にした事があります。
IAとは情報アーキテクチャ、つまり情報をわかりやすく伝えるための設計を指します。Web業界というのはとかく新しい言葉が生み出されがちですが、IAというのは単なる流行言葉で終わらせるべきでない、大切な事です。
Webはユーザーが必要とする情報にたどり着く事ができるようにしてやらないといけません。Webサイトのどこかに記述しておけば大丈夫、というわけではないのです。もちろん事業者側としたら、規約などについてはどこかに掲載しておく事でエクスキューズが成り立ちますから、必要な事です。ただユーザー視点、CS(顧客満足)を満たすという意味では、十分ではありません。
実際の所、IAは専門職としてでは無くWebディレクターに必要なスキルの一つとなっています。
デザインとしてのIA
設計という呼び方をすると何だかシステムっぽくなってしまいますが、IAは「情報デザイン」という言い方をしても良いものです。デザインは「ビジュアルデザイン」と「情報デザイン」に大きく分けられます。
一般的にデザインと言えば、前者をイメージする方が多いでしょう。
これはインテリア家具、椅子やソファといったものを例にするとよりわかりやすいかもしれません。椅子やソファは人間工学の面からもさまざまに検討が重ねられて、開発が進められて商品化されていきます。しかし実際のところ生活者が注視するのは色やデザイン、すなわちビジュアルデザインの方です。ですからメーカーとしても企画や設計ではこうした点を重視しても、営業など売る側の関心はビジュアルデザインの方に向きがちです。生活者に近くなればなるほど、(選んでもらえるかどうか)になっていくからです。
これはWebも同じ事が言えます。制作会社が優先的に考えるのは、サイトのオーナーであるクライアントがOKを出すかどうかです。クライアントの多くがビジュアルデザインの方を気にしますから、そこで意向に沿ったもの、見栄えがするものを出していく事になります。「実際にアクセスした際、ユーザーが必要な情報にたどり着きにくいです」と伝えてもまずは関心を示してもらえないので、自ずと出さなくなっていくのです。
こうした点も、IAが専門職として成り立たない要因と言えるでしょう。
IAの実務とECサイトならではの設計
ではIAとは何をするものなのでしょう? そしてECサイトはWebサイトの設計という以外にも特有のIAスキルが必要になります。次回はこの点について、具体的に解説をしていきます。
Know-how
Ranking
Download