様々な構成比から販売戦略を考える

Date:2022.08.06
目次

※商品別売上構成比を知る
※販売チャネル別構成比
※広告メニュー別効果測定
※店舗別売上構成比
※他社に売上を取られているかを確認する方法
※決して「全体」で物事を捉えない

ECの販売戦略を考える上で、売上分析はとても重要な仕事です。売上の推移だけ見ていても販売戦略が見えてくることはなく、「具体的に何をどう実践するか?」まで落とし込まないと、効果的な対策は見えてきません。

 

 

今回は販売戦略を考える上で重要な指標となる数値をどのように導き出すか?について考えてみましょう。

 

 

※商品別売上構成比を知る

全体の売上が伸びていたとしても、その内訳を把握できていないと計器が壊れた飛行機を操縦しているようで非常に危険状態です。何となく高く飛べているが、その理由が明確に理解できていないと、いつ危険に晒され墜落してしまうか分かりません。

 

 

ECの売上についても、伸びている理由、もしくは下がっている原因を明確な理由ともに理解する必要があります。売上が伸びている場合、どの商品が伸びているか?どのカテゴリが伸びているか?売上が下がっている場合、下がる前と比較してどの商品、もしくはカテゴリが下がっているのか?その原因かを突き止める必要があります。

 

 

原因が分かって初めて、どの商品の売上を伸ばすべきか?そして、そのためにどのような販売戦略を実施していくかが見えてくるのです。

 

 

 

※販売チャネル別構成比

複数のECモールで商品を販売している場合は、それぞれの販売チャネル毎に売上の推移と商品別売上構成比を分析しましょう。販売チャネルによって売れる商品は異なるため、それぞれのモールのクセを理解した上で商品の仕入れや在庫管理を行わないといけません。そうしないと、特定のモールで一気に販売数が伸びた時に欠品を起こしたり、在庫過多に陥る危険が伴います。会社全体でしか在庫の推移を見ていない場合は更にそのリスクが高くなりますので注意が必要です。

 

 

最近では複数モールにまたがる在庫連携を簡単にできるツールが数多く出てきているため、モールごとに在庫を分けて管理する必要はないですが、適正な仕入れボリュームを検討する場合は、各商品を各モールごとに販売予測数と立て、その合算値として合計でいくら発注するかを検討する事が理想的です。

 

 

 

※広告メニュー別効果測定

売上を伸ばす上で同時に複数の広告を運用する事があるでしょう。広告運用も商品別売上構成比と同じく、「どの広告からの経由流通額がいくらか?」「各広告の費用対効果はどうか?」「商品ごとに相性が良い広告はどれか?」をしっかりと把握する必要があります。

 

 

「売上に対する広告費は全体で何%か?」

 

 

もちろん会社全体の経費率を理解する上では必要な指標ですが、広告を活用して費用対効果を高めながら売上を伸ばしていくことを考えるのでれば、広告メニュー別の状況を明確に把握しなければなりません。

 

 

 

※店舗別売上構成比

取り扱いカテゴリの市場は伸びている、もしくは下がっていないのにも関わらず、自分のお店の売上が下がってしまうケースがあります。その場合は、競合他店に売上シェアを奪われてる事が原因かもしれないと考えてみましょう。

 

 

売上規模の詳細はなかなか教えてもらえないかもしれませんが、取り扱っている商品カテゴリ(ジャンル)が伸びているか?下がっているかは担当コンサルタントに聞けば教えてもらえるケースが多いです。ジャンル全体が伸びているにも関わらず自分のお店の売上が下がっている場合、競合他店の販売価格、品揃え、広告の露出度合いを分析した上で、どのように対策をとっていくかを考えましょう。

 

 

他店からシェアを奪い返すための最もシンプルな戦略は、価格を下げて販売する事です。型番商品など、どこのお店で購入しても同じ商品の場合は効果的面です。もし、非型番商品で競合店が類似商品を販売している場合は、価格を下げる前に広告などを活用して露出を高めるのも良いでしょう。価格を下げて販売することで短期間のうちに売上を回復できることが見込めますが、一度販売価格を下げてしまうと、簡単に価格を元に戻すことができません。型番商品の場合、市場から商品が少なくなって入手しにくくなると、販売店の中で価格が安ければ売れるので、その時の状況に応じて価格を上げることは容易ですが、非型番商品の場合は価格を下げて、その後に上げた時の販売数の落ち込みを回復させるまでに時間が掛かってしまいます。

 

 

一方、販売価格、広告以外の差別化として、サービス面を充実させる手法もあります。例えば、翌日配送に対応することで配送スピードを早くしたり、スピード配送に対応する商品数を増やすことによってユーザーから選んでもらえる確率は高くなります。

 

 

販売価格やプロモーション戦略のみならず、サービス面の品質向上に意識を向け、総合的に消費者にとって有利な状態をどう作っていくかを考えましょう。

 

 

 

※他社に売上を取られているかを確認する方法

どのモールでも公開されている情報から売上を他店に取られているかどうかを確認する方法があります。それは、ランキングと検索順位です。いつもランキングに入る商品が、順位が下がっていたり、競合店の方が上位にランクインしている事が多い場合は、シェアを奪われていると考えられます。

 

 

更に検索順位も売れている商品が上位に表記される傾向があるため、同じキーワードで検索することを継続的に実践していると、その順位のアップダウンを知ることができます。今まで売れていた商品の売れ行きが鈍ってきた場合、概して他店の商品が自分のお店の商品よりも検索順位が上位に来ている事が多々あります。

 

 

他店とのシェア争いを行う上で、ランキングと検索順位はバロメーターと言っても過言ではありません。

 

 

 

※決して「全体」で物事を捉えない

販売戦略は具体的であればあるほど、その成果を的確に把握する事ができます。そのためにもあらゆる切り口から構成比を意識し、分析することが必要です。構成比を知ることは、販売戦略が具体化する以外にも、市場規模や自社のポテンシャルを分析する上での指標にもなります。

 

 

全体的にざっくりと状況を捉えるのではなく、何事においても構成分析を意識した詳細データを分析する習慣を身につけましょう!

 

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