配送リードタイムの重要性

Date:2022.08.21
目次

※現状維持という考え方は捨てる
※配送スピードに対するユーザー評価
※翌日配送の「価値の高さ」を再認識する
※母数が減少した中でユーザーを囲い込む事が重要

8月も中旬を過ぎ、お盆休みで長期休暇を取られたお店も多いと思います。行動制限がないお盆休みは久しぶりだったため、帰省する人々が増加。結果、長期休暇中のネットショップの売上推移もコロナ拡大感染以降、最も苦戦したのではないでしょうか?

 

 

ここ数年、長期休暇期間中に行動制限されることで在宅時間が増え、在宅中にネットショップで買い物をするユーザーが増えました。その影響でEC特需が起こり、ネットショップにとっては売上を成長させる上で追い風になりました。一方、リアルショップの売上が苦戦するという構図になっていましたが、ようやく外出してリアル店舗で買い物するユーザーも増え、消費者の購買行動もコロナ禍前に戻り始めた感じがします。今なお感染者数は増加傾向にありますが、国の政策で行動制限することにより経済に与える影響が懸念されるため、今後、よほどの事がない限り緊急事態宣言や時短営業を強いられる可能性は低いと予測されます。

 

 

世の中の流れが元に戻りつつある中で、ネットショップが売上を成長させていくために重要な事は何か?今一度、改めて考えてみましょう。

 

 

 

※現状維持という考え方は捨てる

ネット販売のみならず、もともと商いには「現状維持」という概念は存在しません。何もしなければ間違いなくお店は後退していきますし、何か一所懸命に取り組んでも、結果、昨年対比でプラスマイナスゼロという結果に着地するかもしれません。

 

 

ここ数年、ネットショップの売上が伸びたのは間違いなくコロナの影響で、お店側が何かをしたから成長したのではない事を俯瞰的に捉えてください。特に何もしていなかったけれども売上が伸びたお店も多いため、今までと同じ状況では売上は伸びないどころか、間違いなく下がり続けていくと真摯に受け止めましょう。

 

 

「現状維持を目指すと必ず売上は下がる」

 

 

このことを肝に命じて、品揃えの強化、サービスの充実をはじめ、必死にこれからの店舗運営に取り組んでいきましょう。

 

 

 

※配送スピードに対するユーザー評価

ユーザーに対するサービスを強化する上で最も効果的な取り組みは「配送スピードを早くすること」です。お盆休みで帰省や外出する人が増えたとしても、注文した商品が翌日に到着するのであれば購入したいと考えるユーザーは一定数存在します。長期休暇の影響で売上が下がってしまう主な要因は、アクセス数が減少する事に加え、出荷業務が滞る事により商品お届けまでに時間がかかってしまう事です。アクセス数の減少は物理的にどうしようもない事ですが、配送スピードアップに関しては、店舗オペレーションを見直すことで対応できる可能性があります。

 

 

Amazonを支持するユーザーの多くに、配送スピードの早さを理由に挙げる人が多いです。Amazonに出店していて、FBAに商品を預けて出荷してもらっている場合、お店が休みであっても注文が入り次第、自動的に商品を出荷してくれます。Amazonの倉庫は365日24時間稼働していますので、注文した商品をいつでも翌日に届けてくれます。長期休暇中のこのアドバンテージは売上を最大化する上でとても大きく、単にFBAに翌日配送に対応する商品を預けるだけで実現できます。さらに翌日配送に対応している商品が増えれば増えるほど、売上増加に繋がる事は間違いありません。

 

 

最近では、Amazon以外もフルフィルメントサービス(在庫預かり+出荷業務)を提供するECモールが増えてきました。楽天スーパーロジはJPと提携、Yahoo!はヤマトと提携してフルフィルメントサービス(YFF)を提供しています。

 

 

FBAはAmazonで売れた商品を自動的に出荷してくれることに対して、RSLとYFFは専用ツールから受注したデータを手動で連携する必要があるため、出荷連携作業が別途必要になってきます。また特定のフルフィルメントをクロスチャネル(例えば、Amazon倉庫に預けている商品を、楽天から注文したお客様へ届ける場合など)で利用している場合も、受注データの連携作業が必要となってきます。FBAを利用していてAmazonから注文したユーザーに対してのみ全自動で商品が発送される事に対し、RSL、YFFを利用している場合や、FBAで他モールで売れた商品を発送する場合は必ず連携作業が必要になってきますので注意が必要です。

 

 

考え方次第では、長期休暇中でも外部物流を活用して翌日配送を実現することは可能です。何も長期休暇中に全スタッフが同時に休暇を取る必要はなく、シフトを組んで常に出荷連携作業ができる人が出勤していれば、売上を最大化する事ができます。ほとんどのお店が長期休暇中に同時に休みに入るため、その期間中でも出荷可能なお店があれば、早く届けてもらいたいと思うユーザーニーズは、そのお店に集中するはずです。

 

 

確かに、長期休暇中に出勤してもらうためには雇用契約の内容をしっかりと理解しておくことと、休日手当などに対する考え方をスタッフに正確に伝えておく事が重要ですのでご注意ください。

 

 

 

 

※翌日配送の「価値の高さ」を再認識する

常に翌日配送に対応しているお店は、競合他店と差別化を図る上で最も重要なアドバンテージを有しています。Amazonがユーザーに支持される主な理由が正にそれで、配送が早いという理由だけで注文するユーザーは少なくありません。また、配送スピードを優先するユーザーは他店と価格を比較する事なく購入してくれる人もたくさんいます。また、配送スピードを最優先で考えてくれるユーザーは、次もまた購入してくれる可能性が高いのです。

 

 

「価格を気にせず購入してくれる+リピートしてもらえる」

 

 

こんな優良顧客を囲い込む対策なくして、売上の成長は見込めないのです。

 

 

 

 

※母数が減少した中でユーザーを囲い込む事が重要

先ほども少し触れましたが、他店が休みで商品を出荷できないタイミングこそ、競合他店との差別化を図る絶好のチャンスです。特に消耗品など、すぐに必要な商品であれば、翌日配送に対応しているだけで注文してしてもらえる確率が高くなります。さらに、購入してくれたユーザーが次もまた購入してもらえる可能性が高くなります。

 

 

販売価格や品揃えで競合他店と勝負することも重要ですが、仕入れコストの調整や新規取引先を開拓する必要、さらに資金繰りを見直す必要があるため、一筋縄ではいきません。翌日配送に対応し、外部倉庫からの出荷を実現し、長期休暇中の休みをシフトで調整する。。。これだけで売上を伸ばすことができれば、やらない理由はないと思います。

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