内製と外注の見極め

Date:2024.01.21
目次

※内製と外注の見極め
※外注できそうな業務を検討する
※業務の簡素化と生産性向上
※職種ごとに募集媒体を変更する
※売上が思うように伸びなくなる事を常に想定しておく

どんな業種で合っても、売上の成長と共にスタッフの人数は増やしていかなければいけません。決して、ネット通販業も例外ではありません。しかしながら、予期せぬ影響を受けて成長した売上がこれから先も伸び続けるとは限りません。そのため、人員を増強する際には慎重に経営戦略を考えなければなりません。人は増やしたものの、思うように売り上げが伸びず、採用した人員を整理しなければならなとなると、余計な手間やコストも掛かります。

 

 

人員を補強する前に、どんな事を考える必要があるのでしょうか?今回は「内製と外注の見極め」と題しまして、その着目点を見ていきましょう。

 

 

 

※内製と外注の見極め

人的リソースを増やす際に真っ先に考えなければならないことは、自社のスタッフとして採用する「内製」でいくか?外部に業務を委託する「外注」でいくか?ということです。ネット通販で必要な主な業務として、受注処理、ユーザーサポート、ページ制作、倉庫業務(入出庫処理、在庫管理)、出荷業務などが挙げられます。いずれも内製化した方が良さそうな業務ですが、全ての業務を自社内で行うとすると、かなりの人員を必要とするため、確実に固定費(人件費)が上昇する事になります。その固定費を吸収するための十分な利益を確保できているなら積極的に自社のスタッフとして人員を採用しても良いですが、原材料費をはじめ、梱包資材、光熱費、運賃の高騰が相次ぐ昨今、外注できる業務があれば、外部の会社に投げた方がリスク分散に繋がります。

 

 

まずは、今実現したい業務を内製化すべきなら、その理由を明確にすることが重要です。「本当に内製化しなければならない業務なのか?」をしっかりと精査しましょう。

 

 

 

※外注できそうな業務を検討する

ネット通販を営む上で、「外注化できる業務はないか?」については、常に検討しておきましょう。日々の業務を淡々とこなすだけでは、なかなか既存業務を外注化する発想が思い浮かびません。さらに、内製化の良い事だけにしか意識が向かず、外注化することのメリットに気付くことができません。倉庫管理、出荷業務、ページ制作、場合によってはコールセンターでの顧客対応など、しっかりと仕組みを作っておけば、外部へ仕事を任せる事もそれほど難しい事ではありません。

 

 

外注の最大のメリットは、必要な時だけ人的リソースを確保できるという点です。突然売り上げが伸びて出荷件数が急増した場合や、新しい事に挑戦する上で急遽、人員が必要になった場合でも、素早く人員を確保する事が可能です。そして、不要になった場合は、簡単に人員を減らす事もできます。

 

 

 

※業務の簡素化と生産性向上

業務の外注化を検討する前に、特定のスキルがなければできない業務をできるだけ無くし、業務自体を簡素化しなければなりません。これまでの店舗運営の中で、必要と判断して導入した作業も、時代の流れとともに不要になっているかもしれません。これまで当たり前のように行ってきた作業であったとしても、それを無くす事で、どれぐらいの売り上げ減少に繋がるか?また、どれだけの作業軽減に繋がるかを同時に検証してみましょう。

 

 

以下に、ネット通販を営む上で必要な業務の簡素化に繋がる事例を紹介しておきます。

 

・受注処理の場合

外注先では対応できない特殊なサービスがあれば、それを無くす事を検討してみましょう。また、どうしても無くすことができない業務があるとしたならば、そのサービスを施す必要がある商品と、必要がない商品を簡単に振り分ける方法を検討しましょう。少なくとも、特殊なサービスを施す必要がない商品だけでも受注処理が自動化できたとしたら、かなり業務は簡素化できますし、外部ロジとの自動連携も現実味を帯びてきます。

 

 

・配送業務の場合

受注処理との連携が必須となりますが、ラッピングや名入れの業務が伴うような贈答需要が少ない自己消費商品に関しては、外部物流へ業務委託しやすいメリットがあります。受注システムとうまく連携すれば、配送業務の自動化が実現でき、365日配送も可能になってきます。

 

 

・ページ制作の場合

テンプレートなどを用意して、そこにコンテンツを当てはめるだけで誰でもページが作れる仕組みの導入を考えましょう。また、ページ制作に必要な商品画像のサイズを統一しておく、商品スペックなどの必要な情報を特定のフォーマットに落とし込んでおくなど、ページを制作する上でのルールを明確にする事で、外注化できる可能性が広がってきます。

 

 

 

※職種ごとに募集媒体を変更する

色々と検討した結果、どうしても内製化する必要があれば、職種ごとに求人を出す媒体を変更する工夫をしましょう。どんな業種であっても、特定の媒体へしか求人広告を掲載していないとなると、なかなか思うように人員を確保することはできません。

 

 

例えば、カスタマーサポートなどの事務職、出荷業務などの一般職であれば、ハローワークをはじめとする一般的な媒体で募集しても良いでしょう。それでも集まらなければ、主婦にターゲットにした媒体や、学生をターゲットにした、対象別に強い媒体に求人を掲載する事を考えてみましょう。

 

 

一方、デザイナーやエンジニアを募集する際には、専門職に特化した求人サイトを利用する事をお勧めします。昨今、求人媒体も細分化されており、獲得したい職種によって、得手不得手がある事を理解しょておきましょう。

 

 

 

※売上が思うように伸びなくなる事を常に想定しておく

順調に売上が成長していたとしても、いつ、何時、どんな理由によって成長が鈍化するかは誰も分かりません。ある程度の利益が確保できる仕組みが確立されていたり、相当の内部留保を溜め込んでおり、これから先、何年も資金繰りには困らないという状態である場合を除き、思い通りにいかなくなる事もしっかりと想定しておく必要はあります。

 

 

人員確保は確実に固定費として会社に重くのしかかってきます。たとえ、思い通りに売り上げが確保できない状況に陥ったとしても、店舗運営を継続できる健全な資金繰りを目指していきましょう!

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