健全な売り上げ構成比を考える
突然ですが、皆さんは自分のお店の商品別売り上げ構成比をご存知ですか?定期的に売上の推移と共に分析を行っていますか?
もし、商品別の売上構成比が即答できないようであれば、それは非常に危険な状況と言えます。なぜなら、お店の売上は「販売商品×販売個数」で成り立っており、その内訳が理解できていないとなると、販売戦略をどのように立てれば良いのか?どの商品に注力して販売していけば売り上げが伸びるのか?の見当が付かないからです。
コロナウィルスの拡大以降、EC業界の流れは大きく変化しました。その変化に伴い、売れるようになった商品、売れなくなった商品も様変わりしました。コロナの影響で売り上げが成長したお店も多いと思いますが、ただ単に売上金額の推移だけを見て一喜一憂していると、やがて身動きな取れない危険な状況に陥るリスクを伴います。
商品別の売上構成比を理解することは、なぜ大切なのか?また、理想的な構成比と危険な構成比の違いは何なのかについて考えてみましょう。
健全な商品別構成比
理想的な売上構成比は、主要商品の売上が全て成長しながら全体の売り上げが伸びている状態です。当然のことではありますが、売上の推移ばかりに意識が向いていると、何が売れて売上が伸びているかに気付かなかったりします。
お店の売上が成長し続けるためには、既存の取り扱い商品の売り上げが伸びることが最も重要です。これまで販売してきた経験が長い商品で、すでにお店の中で売れ筋として成長している商品は、ページの完成度、販売価格、仕入れルート、発送業務の効率化など、販売しやすい要素が整っている商品です。さらに、販売実績はユーザーの信頼にも繋がります。過去に商品を購入したユーザーのレビューなど、新規顧客が購入を判断する上で重要な指標となるコンテンツを抱えているからです。
試行錯誤しながら商品ページを作成し、費用をかけて広告を活用し、ユーザーに支持してもらえるよう価格を調整したり、在庫確保のために走り回ったりと、新しい商品を売れ筋商品へと育てていくためには、それ相応の時間、労力、そしてコストを要します。なり物入りで新しい商品を販売するよりも、既存の定番売れ筋商品を販売することの方が、全体の売上を伸ばす上で効率が良いのです。従いまして、それら定番売れ筋商品の売り上げ全体的に伸びて売上の成長に繋がっている状況は健全だと判断できるのです。
危険な商品別売上構成比
既存商品の売り上げ成長が店舗の健全な成長の証だとすると、既存商品の売り上げ減少が続いている状況は店舗にとって危険な状態と言えます。仮に、既存商品以外の売り上げが伸びて、全体の売り上げが成長していたとしても、危険な状態であることには変わりはありません。なぜなら、新規取り扱い商品の売上は非常に流動的で、一時的に売り上げに過ぎない場合が多々あるからです。コロナ禍でマスクなどの感染予防商品取り扱って儲けた方もいると思いますが、短期間で売れなくなった例などが、分かりやすい例として挙げられます。
新しく取り扱いを開始した商品の売上を継続的に伸ばしていく確固たる覚悟があるのであれば良いのですが、概して新たな商品で得た売上は成長させていく上でトレンドの急激な変化や、競合店増加による競争激化などのリスクが伴うため、既存商品を投げ捨ててまで移行することは容易なことではありません。
既存商品の売上を成長させている上で、新しい商品の売上も伸ばしていくのであればリスクを最小限に抑えることができますが、いきなり方向転換することはとても危険です。仮に今売れている商品の取り扱いを取り扱いを一時中断して、将来的に改めて取り扱ったとしても、今と同じだけ売れるとは限りません。もし売れるようになったとしても余分な時間を費やすとになってしまいます。新しい商品で新規売上確保を目指すのであれば、まずは既存取り扱い商品の売上を下げないように、更には既存商品の売上も一緒に伸ばしていける方法はないかを同時に模索していきましょう。
何のお店かを見失わないように
ネットショップを営む上で「売れるものであれば何でも売る」という方もいるでしょう。もちろん売上と利益が確保できないと店舗運営は継続できないため、ある意味でその考え方は正解なのかもしれません。しかし、消費者からは何のお店かが分かり辛くなります。ネットショプは、取り扱い商品のターゲットが明確でないとリピートしにくい特性があります。常に広告費をかけながら新規顧客を獲得し続け、それでも利益がしっかりと確保できるビジネスモデルであれば、売上が頭打ちするまでそのやり方で店舗を運営していけば良いですが、成長過程において明確なビジョンを迫られる時期が必ず来ます。どの商品の品揃えを強化すればよいか?販売を強化する上でに戦略は?客層は誰をターゲットにする?など、結果的にユーザーの印象に残るお店になるために、特定のカテゴリーに特化して販売を強化する必要が出てきます。
「○○といえば、どこのお店で買う」
そんなユーザーの意識の中で、第一想起になれるよう、何のお店かを明確にすることを意識しながら店舗運営を続けて行ってください。
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