ネットショッピングモールを取り巻く環境は日々、目まぐるしく変化しています。2013年10月のYahooショッピングの無料化や、全く相反する2015年1月から4月にかけての楽天市場の実質手数料値上げ。。。モールの方針ひとつで競合店が一気に増えて競争が激化したり、また、利益率を圧迫したり、モールへ出店している店舗は常に様々なリスクと隣り合わせです。
特定のショッピングモールの中で、十分な売上げと利益を確保し続ける「確固たるノウハウ」が蓄積されているのであればリスクに対する心配は不要ですが、時流の影響を非常に受けやすいネットショップの性質上、なかなかそう簡単にはいきません。
このコーナー「ネットショップ売上向上ノウハウ」では、利益確保、売上リスク分散、および売上げ規模拡大を踏まえた上で、楽天市場のみならず、Yahooショッピング、Amazonなど大手モールの動向も過去に取り上げています。
https://netshop-studio.com/know-how/detail265/
ヤフーショッピングseoで伸ばす
https://netshop-studio.com/know-how/detail194/
たとえ、現在は出店していないモールであっても、もしくは出店済みだけど、あまり力を入れていないモールであっても、大手モールの動向を把握することで近い将来のネット通販のトレンドが見えてくるものです。
今回は、過去に出店をお勧めしたAmazonにおいて、これまでの販売方法が大きく変わっていくであろう、新しいサービスが出てきましたので取り上げてみたいと思います。
Amazonスポンサープロダクト
楽天市場、Yahooショッピングと比較して、売上げを伸ばしていく上でAmazonには大きな問題がありました。それは、原則モール内での「広告が存在しない!」ということです。広告のみならず、メルマガを配信することすらできませんので、出店店舗は商品の価格、品揃え、掲載商品の情報を工夫しながらプロモーションに頼ることなく、売上げを伸ばしていくしか術がありませんでした。店舗側から顧客へアプローチする、いわゆる「プッシュ型」の販売が非常に難しかったのです。
ところが、突然、2014年末頃から出品中の商品をAmazon.co.jp内で宣伝できるサービスが開始されました。それが「Amazonスポンサープロダクト」です。
参照)
Amazonスポンサープロダクト概要
http://services.amazon.co.jp/services/sponsored-products/how-it-works.html
Amazonスポンサープロダクトは、購入者が検索したキーワードの検索結果などに表示させる広告で、楽天市場のサーチワード、Yahooショッピングのアイテムマッチに似たようなスタイルのものです。クリック課金型なので、広告が表示されただけでは請求は発生しません。「1クリックあたり●●円」のペイ・パー・クリック型なので、広告がクリックされた場合のみ課金の対象となります。
書類を提出するような面倒な手続は必要なく、すでにAmazonへ出店済みであれば、管理画面である「セラーセントラル」から簡単に広告の設定ができます。設定が完了したら、広告を掲載したい商品を選び、検索キーワードを入力し、クリック単価を設定するだけのシンプルなモノです。
1クリックあたりの単価は自由に設定できますが、広告の表示位置は単価が高い店舗から順に表示されるオークション形式となります。(人気があるキーワードほど、クリック単価が高騰します)掲載した広告は専用の管理画面から閲覧数、クリック数、転換率を確認することができ、簡単に広告の効果を測定することができます。
まさにGoogleのアドワーズ広告の「アマゾン版」といったイメージです。
掲載のメリット
Amazonスポンサープロダクトに掲載された広告をクリックすると、商品の商品詳細ページへ遷移します。通常、Amazonの検索窓から商品を検索した場合、他店舗の商品情報も掲載されたページが表示されますが、この広告では自店舗の商品だけが掲載されたページをリンク先に設定することができますので、ユーザーを直接、自社の商品ページへと誘導することができます。
また、開始されてからまだ間もないサービスなので、現時点では広告を掲載する競合店舗が少ないこともメリットとしてあげられます。さらに、掲載店舗がまだ少ないが故に広告のクリック単価も低く設定でき、高いコストパフォーマンスも見込めます。
掲載に際する注意点
一方、リリースされたばかりのサービスとなりますので、広告の仕様や掲載場所が突然変更になる可能性があります。また、商品によっては掲載できないものもありますので注意が必要です。詳細につきましては事前にFAQサイトにてご確認ください。
http://services.amazon.co.jp/services/sponsored-products/top-questions.html
検索結果に広告を掲載する手法は、GoogleやYahooなどの検索エンジンではずいぶん前から利用されていましたので、決して、Amazonスポンサープロダクトのサービス内容自体は独自性が高いものではありません。
Amazonでは検索エンジン、アフィリエイト広告など外部からの顧客流入にかなり力を入れており、その数は年々増加していると推測されます。外部からのアクセスが増加しているのであれば、あとは「いかにその顧客を自分の商品ページへ誘導してくるか?」が重要になってきます。