次世代に通用する楽天市場での新しい販売手法を考える

Date:2014.10.31
楽天市場のシステム利用料改定に伴い、「今後の売り方を見直す必要があるのでは?」とお考えの店舗運営者の方も多いことでしょう。CSVダウンロードサービスをはじめとする一部の機能が無料化されるとは言え、、
・課金対象が税込み金額になること
 
・モバイル経由での購入手数料が見直されること(契約出店プランによっては、料率がアップ)
 
・安心安全システム維持のための手数料が追加されること
 
・メルマガの1通あたりの配信単価が値上げされること
などから判断すると、実質、毎月の楽天市場への支払金額が増える店舗様も少なくないのではないでしょうか?
実質、手数料が値上げになると、これまで確保できていた利益率を確実に圧迫します。結果として、今まで可能であった販促活動(広告、ポイント変倍、価格競争)が継続できない危険性も出てきます。とは言え、健全に店舗運営を継続していくためには、利益を確保しつつ、売上げを維持していかなければなりません。
今回は、楽天市場におけるシステム利用料の値上げを前提とし、主に型番商品を取り扱う店舗様を対象に、今後の生き残り策を探っていきましょう。

競合店の弱点は何か?を改めて見極める

ポイント合戦や価格競争。。。型番商品を扱う店舗様の取り巻く環境は、決して楽なものではありません。ほんの数パーセントのシステム利用料の値上がりが死活問題にも発展しかねません。健全な店舗運営を目指すのであれば、どこかのタイミングで不毛な争いからの脱却を検討しなければなりません。
ライバル店との競争から逃れる上で、最もシンプルな手法は「彼ら(特に大手)が取り扱わない商品に意識を向ける」ということです。販売力のある店舗は仕入れボリュームを武器に、より良い条件で仕入れることに注力します。本気になってかかってこられたら、後発組はひとたまりもありません。
しかしながら、そんな大型店舗にも弱点や盲点はあります。業種によって商習慣や条件はことなるかもしれませんが、例えば、通常、メーカーからの直接仕入れの場合は掛けでの仕入れが中心となります。商品を仕入れた翌月締め日以降に商品代金を支払うパターンが一般的でしょう。裏を返すと、すぐにキャッシュが必要になる商品の仕入れには慣れていないということです。
キャッシュでしか仕入れができない商品に目を付けると、競合との差別化にも繋がります。為替変動の影響で売価の設定が非常にシビアな面もありますが、並行輸入品など海外からの仕入れに関しては、現金(前払い)での支払いが多いので、いくら大手と言えど、余程の資金力がないと手をだそうとはしません。
また、主要商品とは異なるカテゴリーの商品(部品、パーツ、小物)などに関しても売れ筋商品を中心に扱う傾向が強く、売れる商品しかサイトに掲載されていないことも多々あります。

リアル店舗と比較して、ネットショップの最大のメリットは、商品が手元に無くても注文を受けることができると言うことです。回転率が遅い商品は仕入れると残ってしまう危険性が高いと危惧するのであれば、受注を受けてから発注ができる「取り寄せ可能商品」に絞り込んで、ページを掲載する方法もアリです。死に筋商品(あまり売れない商品)も集まると、立派な商品群として意味をなすようになってきます。

販売実績がある商品はフルラインナップで掲載する

ある程度の販売実績がある商品については、バリエーションを常に揃えておきましょう。例えば、服や靴などは大きいサイズや小さいサイズはいわゆる端サイズは、大手量販店(リアル店舗を含む)では取り扱い自体を敬遠しがちでで、販売している店舗が少ないことも事実です。しかしながら、これらの商品を望んでいることユーザーは、通常手に入りにくいスペックの商品はお客様自らが探しに来てくれます。そのチャンスを見逃さないようにしましょう。
品揃え(特定商品のスペックやバリエーション)が豊富な店舗は、同じ商品であってもスペックを絞り込んで販売している店舗よりも価格が通りやすい傾向があります。取扱店舗が少なければ少ないほど、多少価格が高くても支持してくれるユーザーは必ずいます。「あそこの店に行けば、品揃えが豊富だから、きっと自分の欲しいモノがあるはず!」と思ってもらえれば、リピートの切っ掛けにも繋がっていきます。
なお、バリエーション(品揃え)を強化する上で不安が伴うようであれば、以前に紹介したRMSの「再入荷機能」を活用して、事前にマーケットリサーチするのも良いでしょう。
参照)RMSの機能を活用した適正な「仕入れ数」の見極め方
https://netshop-studio.com/know-how/detail255/
ニッチな商品は売れ筋商品と比較してマーケットは小さいですが、競合が少ない分、利益を確保しやすいです。1アイテムのポテンシャルは低くても、取り扱いが数が増えると意外と売り上げに繋がるものです。

 

型番商品でも、あえてオリジナルコンテンツで勝負する。

型番商品のページを掲載する場合、メーカーホームページやカタログに掲載されている素材をそのまま利用している店舗様が殆どだと思います。ところが、最近では型番商品を取り扱う店舗でも、敢えて自社でコンテンツを準備するところが増えつつあります。
理由は簡単。それは「他店との差別化」です。
楽天市場で目当ての型番商品を検索すると、殆どが同じ商品サムネイルで表示されます。ところが、同じ商品でも違った写真が表示されると、思わずクリックしてみたくなるのがユーザー心理です。もちろん、撮影された写真がみっともなかったり、売価が相場からかけ離れていると消費者から敬遠されてしまいますが、ある程度のクオリティーが維持された画像であれば目立つこと間違いなしです。
商品スペックもメーカーが用意した内容だけを掲載するのではなく、店舗スタッフが実際に使用した感想やオリジナルの活用法を紹介してみてオリジナリティーを演出してみましょう。
このように、型番商品であってもコンテンツの独自性を全面に出すことで、価格以上の信頼感、安心感、興味をお客様に与えることも可能です。そのようにして、競合店との差別化を着々と図りながら売上げを伸ばしている店舗様が増えつつあるトレンドを認識しておきましょう。

欲しいと思ったときに「いかにして思い出してもらえるか?」を考える

今のお客さんは値段が安くても、ポイントが付いても、欲しい商品がないと買わない人が増えてきています。いかに欲しいと思ってもらえるか?欲しいと思ったときに自分の店舗を思い出してくれるか?ということに意識を向けると、ポイントや価格競争以外の手法を考えないと難しいです。楽天のシステム利用料が実質値上げされることは辛いところではありますが、これを機会に今後の売り方について、じっくりと考えてみましょう!

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