Amazonの販売戦略(型番商品編)

Date:2023.02.18
目次

※カート獲得率が売上を左右する
※カート獲得のアルゴリズム
※価格の調整方法
※売れ筋商品の在庫確保に注力する

楽天市場、Yahoo!へ出店しており、同時にAmazonへ出店しているお店も多いと思います。いわゆる日本の大手3大ECモールと呼ばれるこれらの販売チャネルですが、売れる商品、販売戦略は、それぞれ異なります。同じ販売戦略が通用しないのであれば、それぞれのモールで違う手法を模索すれば良いのですが、唯一、担当コンサルタントが付かないAmazonは、販売戦略を見つけ辛い事が最大のネックです。最近では、有料のコンサルタントサービスが提供されておりますが、売り上げ規模がまだ小さい段階で有料サービスを利用する事は躊躇しがちです。

 

 

「まずは、自力である程度の手応えを掴みたい!」

 

 

そう考える店長さんへ向けて、Amazonの基本的な販売戦略について考えてみましょう。今回は前半としまして、型番商品の売り方について見ていきましょう!

 

 

※カート獲得率が売上を左右する

Amazonでの出品方法は、JANコードに紐付けて商品を登録する必要があります。同じJANコードの商品を複数店舗が出品する場合、一つのカート(買い物かご)を、複数の店舗で共有する仕組みです。複数の店舗の中で、消費者にとっていちばん有利な条件で出品している店舗が、最も目立つ場所にカートボタンを設置できます。この最も目立つ場所にカートを設置することを「カート獲得」と呼び、このカートを獲得している割合を「カート獲得率」と呼びます。

 

 

カート獲得率は、セラーセントラルの「ビジネスレポート」から「詳細ページ売上・トラフィック」の「おすすめ商品(ショッピングカートボックス)の割合」から確認することができます。この割合が高ければ高いほど、消費者に購入してもらえる機会が多くなり、低ければ逆に購入してもらえる機会が少なくなります。従いまして、どうすればカートを獲得できるのか?その仕組みを理解しておく必要があります。

 

 

 

※カート獲得のアルゴリズム

カート獲得を決定する要素は、大きく分けて3つあります。重要な順番から並べると、1.価格、2.配送スピード、3.在庫数 です。価格が最安値で、配送スピードが最速(FBA利用などで、Primeマークが付いている場合)だと、ほぼ確実にカートを獲得することができます。在庫数に関しては、最安値でPrimeマークが付いている状態で他の店舗と条件が並んだ場合、多少、影響を受ける程度だと理解してください。

 

 

ここで重要なポイントは、最安値とPrimeに対応していることの両方をクリアしている事です。例えば、値段だけ最安値で、配送までに日数が掛かる場合、少し価格が高かったとしても、Primeマークが付与されている店舗がカートを獲得してしまう事が起こり得ます。Primeマークを付与してもらうには、自社出荷の場合でも可能ではありますが、365日翌日配送に対応している必要があります。自社出荷の場合はなかなかハードルが高い条件となりますので、FBAに対応する(Amazon倉庫に商品を預けて、そこから出荷する)方がPrimeマークを取得する上で現実的な対策と言えます。

 

 

 

※価格の調整方法

Amazonでは、自動的に商品価格を調整してくれる仕組みがあります。例えば、特定商品を「競争力のある最低価格」をルールとして登録しておけば、他社が価格を下げてきた時に自動的に価格を下げてくれます。さらに、「最低価格よりも指定金額分低い価格を維持」のオプションを選び、金額を指定することで、最低価格よりも指定金額分を自動的に安く設定してくれます。

 

 

非常に便利な機能ではありますが、注意しなければいけない事は、在庫処分などの理由で相場よりもかなり安い価格で販売する店舗が出てきた場合、それよりも安い価格が自動的に設定されてしまい、利益率を大きく圧迫する危険性が伴う事です。Amazonでの販売価格は頻繁に変動しますが、実は価格を下げ続ける必要はなく、カートが獲得できるのであれば、多少価格を上げても商品は売れます。カートを獲得することが大切で、他店と比較することなく、カートを獲得している商品をそのまま購入するユーザーが多く存在します。

 

 

自分のお店よりもかなり安い価格を付けてきたお店の商品が売り切れれば、再び自分のお店がカートを獲得することができます。そのタイミングまで待つ事は、利益を確保する上で効果的な手法となるのです。単なる安売りだけでは長く販売を続けることはできません。頻繁に価格を確認して状況に応じて変更することは、確かに手間は掛かりますが、他店の動向を見ながら、その時々の状況に応じてこまめに価格の調整を行うことをお薦めいたします。

 

 

 

※売れ筋商品の在庫確保に注力する

上記でも述べたように、他店が在庫を切らしたら、少し価格を上げてもカート獲得ができる可能性が出てきます。特に売れ筋商品に関しては、焦って価格を下げる必要はなく、安く販売するお店が在庫を切らした段階で、そのお店より高い値段に設定しても商品が売れていく事も多々あるのです。

 

 

型番商品を購入する消費者の特徴として、自分の欲しい商品がなければ、他の似た商品を購入するというニーズは低いと言えます。よほど急ぎで商品を購入する必要がある場合は、他の商品へ流れるケースがあるかもしれませんが、大半のユーザーは「似て非なるものは必要ない」との認識を持っています。従いまして、ユーザーが欲しいと思ったタイミングで、他店よりも優れた条件(カートが獲得できる条件)で販売すれば必ず売れます。売れ筋商品に関しては、売り急ぐ事なく、かつ、他店が在庫を切らした時に少しでも高い価格で売れるよう、在庫確保に注力することも重要な販売戦略の一つと言えます。

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