Amazonで非型番商品を売るコツ(ミックスプロモーション)

Date:2023.07.06
目次

※Amazon Vineの活用
※タイムセール
※ブランド登録と広告運用
※FBAの対応
※複数のプロモーションを組み合わせる(ミックスプロモーション)

過去に当フォーラムでも取り上げた事がありますが、今回はAmazonで非型番商品(オリジナル商品)の売り方について、最新の情報を含めてアップデートした内容をお伝えします。新たにリリースされたプロモーションメニューの紹介、そして、既存プロモーションとの組み合わせによる販売手法について、筆者独自の考え方をも交えてご紹介致します。

 

 

※Amazon Vineの活用

Amazonがリリースした比較的新しいサービスで、Amazon Vineというプロモーションメニューがあります。このサービスを活用すると、良質なユーザーレビューが比較的短期間で獲得できるという、他モールではあまり例を見ない画期的なプロモーションです。

 

 

そもそも、販売実績が少ない非型番商品は、購入を検討する上で他のユーザーのレビューを参考にする方が多いです。「本当に価格に見合う商品なのか?」「買った後に後悔するのではないか?」「この商品って、買っても大丈夫なのかな?」など、マイナーな商品の購入を検討する際のユーザー心理として、まず、マイナスのイメージから入る事が一般的です。そのマイナスイメージを払拭する上で最も信頼できる情報が、その商品を実際に購入したユーザーからのレビューです。良質な商品レビューが多ければ多いほど、マイナーな商品であったとしても、購買に繋がりやすくなるものです。この事から、非型番商品を販売する上で、ユーザーのレビューはとても重要な存在であると言えます。

 

 

とは言え、売れ行きを左右する良いレビューをたくさん集めることは容易なことではありません。まして、短期間で集めようと思うと至難の業です。ところが、Amazon Vineを活用する事でそんな問題を解決してくれる可能性が広がります。Amazon Vineとは、簡単に説明すると、短期間で良質なユーザーレビューを集めることができるオフィシャルの広告プログラムです。最初にレビューを集めたい商品を決め、特定数(最大30件)のレビューが集るまでの間、その商品を無料で提供する事と引き換えに、ユーザーにレビューを書いてもらう手法です。最初に登録料の2万円を支払う必要がありますが、その他にかかる費用は商品代金最大30個分のコストだけで済みます。無償で商品を提供する対象は、Amazonが認めたレビューアーとなりますので、商品を無償でもらったにも関わらず、商品イメージを大きく壊すようなレビューを書く人は少ないと言えます。無償で商品を提供したにも関わらず、良いレビューが集まらないとしたら、そもそも商品自体に問題があると判断し、根本的に商品のコンセプトを見直す必要があります。

 

 

こうして集まった商品レビューは商品ページの資産として残り、ユーザーが商品を購入するか否かを判断する上での貴重な材料となります。売り手が自信を持ってお勧めできる価格と品質、機能のバランスが取れている商品であれば、そのレビューを見て共感するユーザーが少なくとも存在するはずです。非型番商品が売れるきっかけを作る上で非常に効果的な広告だと言えますので、一度、導入を検討してみる価値はあると思います。

 

 

ただ、Amazon Vineの活用に関しては、対象の商品がFBAに対応している必要があります。FBAに対応することでレビューアーの個人情報を店舗に知らせる事なく商品を発送することができ、匿名性と公平性が保てるという視点から、FBAに対応している商品でなければならないというルールが定められています。また、このプログラムを活用して収集できるレビュー件数は、既存のレビュー件数を含めて最大30件までとなります。すでに30件以上のレビューが集まっている商品につきましては対象外となりますのでご注意下さい。

 

 

※タイムセール

Amazonでは定期的にタイムセールを開催しています。通常価格より割引率を高く設定し、エントリーすることで露出を高めて動線を強化してくれるプロモーションです。タイムセール開催時には多くのユーザーが流入してくるため、タイムセール商品としてエントリーすることで、短期間に多くのユーザーに商品を購入してもらえる機会に恵まれます。購入者数が増えることでカートが育ち、検索結果でも上位に表示されやすくなるというメリットが発生します。また、多くのユーザーが購入してくれることで商品レビューが集まりやすくなり、これらのレビューを見た人が、また商品を購入してくれるという好循環が生まれることが期待できます。

 

 

 

※ブランド登録と広告運用

Amazonでは「ブランドレジストリー」と言って、特定ブランドの商標を所有しているユーザーだけが申請できるブランド登録制度があります。もともと、悪意がある販売者からブランドイメージの毀損に繋がるリスクを抑える事が目的の制度ですが、ブランド所有者しか利用できない広告メニューが利用できるというメリットが存在します。一般的にAmazon内で利用できる広告はスポンサープロダクトと言い、特定のキーワードでユーザーが検索した場合に検索結果の上位に商品を表示させる検索結果連動型広告のみです。

 

 

一方、特定のブランド所有者として認められると、「スポンサーブランド広告」と「スポンサーディスプレイ広告」を利用することができるようになります。「スポンサーブランド広告」は、特定のキーワードで検索した時の検索結果最上部に設置した広告スペースに、独自のバナー(クリエイティブ)を表示させる広告で、検索結果に表示されるどの商品よりも目立つ場所に表示されるため、多くのクリックを集める事が期待できます。

 

 

「スポンサーディスプレイ広告」は、類似商品、関連商品の商品ページ最上部に差し込む事ができる広告で、特定商品を購入するつもりでページに訪問したユーザーに対して、違う商品を提案してくれる広告です。

 

 

いずれの広告も、特定の商品に興味があるユーザーに対して、ピンポイントで代替えとして広告掲載商品を提案してくれる広告で、すでに販売実績がある商品の購入を検討しているユーザーに対して、別の商品をアピールする事に適した広告です。一般的なスポンサープロダクト広告と比較してコストは比較的高めではありますが、親和性が高いユーザーに対して効果的にアプローチする広告としては優れています。ある程度の広告費を掛けてでも、確実に商品の販売数を増やしたいと考える場合は、導入を検討しても良いでしょう。

 

 

 

※FBAの対応

FBAに対応させることで、出荷元がAmazonと表示されますので、配送品質に関するユーザーの信頼が高まり、購買に繋がる確率が高くなります。また、特定キーワードで検索した場合、自社出荷の商品と比較して、検索結果の上位に表示されやすくなるというメリットにも恵まれますので、知名度が低い商品を少しでも多くのユーザーに商品を購入してもらいたい場合は、Amazonの倉庫へ商品を預けてFBAに対応する事を検討してみましょう。

 

 

※複数のプロモーションを組み合わせる(ミックスプロモーション)

今回ご紹介したプロモーションメニューをどれか一つだけ利用するよりも、複数のメニューをミックスして活用する方が効率良く販売実績を積む事ができます。確保できる広告予算や商品の種類によっても相性が異なりますので、どの広告の組み合わせが良いかは一概に言えませんが、色々と検証を繰り返しながら、相性の良い組み合わせを探っていきましょう。

 

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