楽天市場での「売りの法則」その5
これまでに4回にわたり特集してきた『楽天市場店での売りの法則』ですが、今回が最終回となります。最終回にふさわしい売り上げを作る上で『最も重要なポイント』をピックアップ致します。
どの商品を、何個売って、いくら売上げを作るか?が販売戦略の基本
売り上げ目標を決めるためには「何を、どれだけ売って、いくらの売り上げを作るか?」を明確に組み立てなければなりません。
日々の売り上げは複数の商品の組み合わせから成り立っています。販売している商品が単品(一つの商品)である場合は例外となりますが、ほとんどの店舗では最低でも2つ以上の複数商品を取り扱っており、それらの商品の売り上げが積み重なってお店の総売上になります。従いまして、売り上げの目標を立てる場合、もしくは売り上げを今よりも伸ばす事を考える場合、どの商品をどれだけ売るかを考える事がとても重要な事なのです。これは当たり前の事ですが、この事を常に意識しながらキッチリと販売計画を立てられている店舗は意外と少ないような気がします。
販売戦略を立てるためには、まず直近の売り上げデータ(先月の販売データ)をじっくりと分析することです。データを分析する事で「どの商品が何個売れているか?」が見えてきます。それがちゃんと見えていると、大まかな方向性を決める事ができます。販売データの中には売れている商品と売れていない商品が存在するため、売れていない商品の販売戦略を考える事を優先してしまいがちです。売れていない商品をどのように販売するかを考えることはもちろん重要な戦略の一つですが、売上を効率良く伸ばすためには、まずは売れている商品に意識を向けましょう。
仮に売れている商品が3種類存在し、それらの商品だけで全体の売上の50%を占めているとします。残りの50%は複数商品の組み合わせで、これらの商品の売上金額は毎月ほぼ同じと仮定します。すると3つの売れ筋商品の売上を10%伸ばすだけで、全体的な売上は110%になります。ここで売れ筋商品の売上アップにスポットを当てた理由は、「売れない商品を売る事を考えるよりも、売れてる商品をもっと売る方が効率が良い」からです。売りやすい商品を毎月少しずつ高めの目標金額で設定し、その売り方を繰り返し考えていく事で、売上は徐々に伸びていくのです。
そして、売れ筋商品の売上の伸ばし方が見えてきたら、今度は売れにくい商品(もしくは、売りたいけれど、まだあまり売れていない商品)の売り方を考えていきましょう。売りやすい商品と売りにくい商品の販売優先順位を誤ると、売上が思うように伸びていきませんので注意が必要です。
売れ筋商品に注目する以外に売れ筋の「ブランド」や「商品カテゴリ」に目を向ける事も効果的です。商品単体ではなく、ブランドや商品カテゴリなどより広い範囲で販売戦略を考える事で、その中から新しく売れる商品を安易に見つられる可能性も期待できます。
全体の売上規模が小さい間は、なかなか的確な販売目標を立てる事は難しいかもしれませんが、売上を伸ばしていく過程で「何を、何個売って、いくら売上を作るか?」は、いつかは意識しなければいけません。当然の事ですが、習慣として身に付けるまでには時間がかかる事なので日頃から意識するように心掛けましょう!
サービスや顧客へのフォローも商品の一部
ネット販売は「売り手」が「買い手」からお金を頂くことで、その対価として商品を提供します。もちろん販売する「主」となる物は商品ですが、昨今、店舗の対応や配送スピード、商品購入後のアフターフォーローなど、一連の過程をすべて引っくるめて「いいお店か?どうか?」を判断するユーザーが増えています。
例えば、取り扱い商品がすべて型番商品で、常に楽天最安値で商品が提供できるのであれば、それはそれで魅力的に感じるユーザーも多いでしょう。しかし、どれだけ魅力的な商品を低価格で提供できる力があっても、消費者から信頼されなければ、そのうちどこかで売上は頭打ちしてしまいます。
最近のユーザーは初めて利用する店舗において、他のお客さんからのレビューを見てから購入するか否かを決める人が非常に多いです。店舗レビューの点数が低いと、いくら良い商品が安くで販売されていたとしても、それだけで購入を見送るユーザーも少なくはありません。総合的に「良いお店」と判断してもらうためには、商品以外のサービスも商品の一部として考える必要があります。購入した商品ができるだけ早く届く仕組み、購入してから商品が到着するまでのプロセスを分かりやすく伝える仕組み、万が一、商品に不具合があった場合の対応、アフターフォローメールなどによる商品購入後の気遣いなど、販売以外のサービスを充実させることで顧客の満足度が上がることは間違いありません。
もちろん、大手企業配送スピードやサービスは真似できない事もあるでしょう。しかし、大切なことはユーザーに対する気配りをお客様にちゃんと伝える事です。売手の誠実さが伝わると、たとえ大手企業とのサービスに差があったとしても必ず支持してくれるユーザーはいるのです。
インターネット販売は売り手と買い手が顔を合わさない無機質なイメージが未だに強いですが、実はそうではなく、買い手は売手の人間性を常に観察しているものです。その事を忘れることなくサービスも商品の一部という意識を常に持つようにしてください。
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