非型番商品と型番商品の効果的な販売手法(その2)
前回は非型番商品の話題でしたが、今回は型番商品の効果的な販売手法について見ていきましょう!
型番店舗が「最初に目指すべき方向性」とは?
オリジナリティーをアピールしやすい非型番商品とは異なり、同じ商品を取り扱う競合店が多く、その中で「如何に商品を上手に販売していくか?」ということが型番商品を販売する上での最大の難しさと言えます。
競合店がひしめく型番市場において、売上げを確実に伸ばしていくためには、消費者にとって明確な「店舗の特徴」をアピールすることが重要です。例えば「特定のブランドや特定の商品カテゴリーが強い」でも良いし、特定の客層にアピールできる特徴であったり、常に最安値で商品を提供できる方向性を模索することもでもOKです。お店の特徴が明確であればあるほど、それに越したことはありません。
型番商品を購入するユーザーは、「○○を買うなら、まず○○のお店を覗いてみよう!」と決めている人も少なくはありません。その店舗に消費者を納得させる何らかの魅力があり、常に欲求を満たしてくれるのであればリピーターの数も定着し、自ずと売上げは伸びていきます。
型番商品の売上げの組み立て方
型番商品の売上げを組み立てる上で、大きく分けて重要な要素が3つあります。それは、、
1.ブランド
2.商品カテゴリー
3.新しいマーケットの開拓
です。
1.ブランド
どのブランドの商品を中心に仕入れ、販売を強化するか?もしくは、比較的簡単に仕入れの量や売上げを増やせるブランドはどれか?を見極めます。型番商品の場合、メーカーの方針や担当営業マンによって「仕入れ強化のしやすさ」も大きく異なりますので、その点も踏まえた上で強化すべきブランドを慎重に吟味しましょう。
2.商品カテゴリー
型番商品の中には人気が高い商品群(カテゴリー)が存在します。売上げアップを目指す上で、自店の中での人気カテゴリーを有することは販売戦略を立てる上でとても大切なことです。自分のお店中で人気カテゴリーとして育ってくれるのはどれか?今、巷で話題の商品群に着目するのも良いですし、敢えて他店との差別化を狙ってマーケットは小さいけれど市場を独占しやすいニッチなカテゴリーに着目することも作戦としてはアリです。ぜひ、意識的に強い商品カテゴリーを育てるように意識してください。
3.新しいマーケットへの挑戦
既存マーケット以外に、売上げを伸ばすために必要な商品群は「新規開拓商品群」です。もちろん、既存商品の中で特定のブランドや商品カテゴリーで売上げを作ることは重要ですが、それらの商品の売上比率が高くなりすぎるとリスクが伴います。もちろん、売上げの柱は既存商品がベースとなりますが、売上比率5%以内ぐらいの範囲であれば新しいマーケットに挑戦できそうな機会を模索してみましょう。ただし、新規開拓商品は関連商材であったり、既存顧客との親和性が高い商品であることが条件です。何の関連性もない商品を選んでしまうと、売上げを安定させるまでの間に予想以上にコストが掛かってしまうことがありますので注意してください。
販売計画を立てる場合、この3つの要素に優先順位を付けて「売上げ目標の販売比率」にはめ込みます。「どのブランドで何パーセント」「どの商品カテゴリーで何パーセント」といった具合です。売上げ規模が小さいうちは、ブランドのみ、もしくは商品カテゴリーのみで比率を考えても問題はありません。売上げを組み立てる上で「何を何個売って、売上げをいくら作るか?」という点においては、型番商品の非型番商品も同じ事なのです。
価格競争力と品揃え(もしくは隙間を狙う!)
型番店舗にとって、価格競争力と豊富な品揃えが売上げに大きく左右するということは認めざるを得ない事実です。ある程度の販売力が身につくまでは他店との価格競争や取扱商品点数競争に翻弄されることが多々ありますが、価格と品揃え以外の分野で勝負しながら売上げを確保する方法もあります。それは、「隙間を狙う!」ことです。
いくら知名度が高く、販売力が強い店舗でも必ずどこかのタイミングで品切れは起こします。「バイヤーが見落としていたのか?」「今月の予算をオーバーして仕入れができなかったのか?」「会社の方針で、今後、この商品を仕入れる予定が無くなったのか?」etc… 理由は様々ですが、一時的な品切れは日常茶飯事で起こるものです。同じ商品でも、カラーやサイズなどのバリエーション単位で商品を見ていくとその頻度に気付くこと場合が多いです。
価格競争と品揃えで勝負できない場合は、ぜひ、この「隙間」を狙って挑戦し続けてください。
素早い配送と対応
型番商品を購入するユーザーは、その商品を購入する前に複数の店舗であらゆる条件を比較している場合がほとんどです。色々な魅力をアピールすることはもちろん必要なことですが、消費者が最も望んでいること(むしろ今となっては当たり前となりつつあること)である配送スピードの強化は避けて通れません。その店舗でしか売っていない商品であれば、ユーザーも待ってくれるかもしれませんが、同じ商品を扱う店舗がたくさん存在する型番商品に関しては、配送スピードが遅いだけで簡単にキャンセルされてしまう場合も多々あります。また、問い合わせに対する対応が遅い場合も、購入に転換する前にドロップされてしまう事もあります。
もはや「素早い配送と対応」の実現無くして、売上げアップの見込みは低いと言っても過言ではありません。
2回にわたって非型番商品と型番商品の売り方について見てきました。取扱商品によってはここでご紹介した手法が通用しないケースもあり得ますが、今回、筆者が皆様にお伝えしたかったことは「販売する商品によって販売手法が異なる」ことと「どうせ売るなら、売りやすい方法を最優先で考える」ということです。時代の流れが速いEC業界。ほんの少しの感覚のズレで競合店と大きな差が開いてしまう危険性も秘めています。だからこそ、その切っ掛けになれば幸いです。売り方に関しては人一倍、意識を高めていかなければいけませんね。
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