楽天市場のリピート施策
前回のコラムでも取り上げましたが、コロナ禍の影響で楽天市場への新規ユーザーの流入が急増しています。今後も新規客の増加に比例し当面は売上げが自然成長していくと予測されますが、いずれこの状況もいつかは落ち着く時期が来ます。
そんな将来を見据えて、いま注力すべき事は「リピーターの育成」です。リピーターは新規顧客と比較すると客単価および利用頻度が高い傾向にあり、売上げの大半をリピーターが占めている店舗も少なくはありません。2020年度第2四半期の楽天市場のIR資料を見ると、楽天市場の流通総額における楽天カードの決済比率は64.3%と過半数を超えています。楽天市場で楽天カードを使って買い物をするユーザーの大半がリピーターであると仮定した場合、リピーターが占める流通の割合が非常に大きいということが分かります。
新規ユーザーが多く流入してきている今だこそ、次なる売上げの柱としてリピーター育成に注力する必要があるのです。
サンキュークーポン施策
楽天市場を初めて使ったユーザーに対して、2回目の利用を促す上で効果的な手法の一つがサンキュークーポンです。ポイント還元も効果的ではありますが、取得したポイントの使い道がまだよく分からないユーザーに対しては、直感的に商品を割引価格で購入できるクーポンの方が転換率が上がります。
サンキュークーポンは商品を購入した際に注文完了画面で取得できるクーポンです。取得したクーポンは次回購入時に利用することが出来るため、初回購入者がリピートしてくれやすい環境を整えてくれます。
コロナの影響で大打撃を受けた飲食店においても、一度、来店してくれたユーザーに再度訪問してもらう施策の一つとして、割引クーポンを配布している店舗が増えています。ECでもリアルでもリピート戦略としてクーポンを配布することはとても効果的であると考えられます。
メルマガ&LINE@での情報配信
新規顧客をリピーター化するためには、情報を配信してお店の存在をリマインドさせる必要があります。そのために必要な取り組みはメルマガやLINE@での情報配信です。
いちど買い物をしてくれたユーザーに対してクーポンを配布したとしても、ユーザーが帰ってくることをひたすら待っているようでは思うようにリピーターは増えません。何のリマインドも無ければ、ユーザーはいとも簡単にお店のことを忘れてしまいます。そのためには、定期的にお店の存在を思い出してもらえるように継続的に情報を配信する必要があります。新商品入荷情報、セール情報などを軸に、地道に情報を配信していきましょう。
よく「あまりメルマガやLINEを送るとユーザーに嫌がられるのでは?」と心配する方がいらっしゃいます。しかし、そういったユーザーは、いくら配信頻度を調整したところで、いずれどこかの段階で購読は解除されてしまうものです。重要なことは「配信頻度」ではなく「情報の質」であり、有益な情報を厳選して送っていれば、関心を持ってくれるユーザーは必ず存在します。
最近ではメールの開封率が減少傾向にあるため、メルマガよりはLINE@などを通じた情報配信の方が効果的です。楽天市場でもR-SNSという機能を活用すればLINE@を通じて楽天市場ユーザーに対して簡単に情報を配信することができます。未導入の方は、ぜひ一度、検討してみてください。
速い配送
リピートしてもらうためには、お店のサービスに満足してもらうことが必須条件となります。店舗サービスの中で、昨今、多くのユーザーが求める最も重要なサービスが「配送スピード」です。購入した商品がなかなか届かないお店と、すぐに届くお店を比較した場合、すぐに届くお店の方が確実にリピート率が上がります。例えば、アマゾンで頻繁に買い物するユーザーの一番の目的は「すぐ届くから」という理由が圧倒的に多いです。中には配送スピードが速いことを理由に、値段が少々高くても、配送が速いお店で購入する人も少なくはありません。
このように配送の速さはリピートしてもらう上でとても大切なサービスであり、そのクオリティーを担保できればユーザーのLTVも確実に上がるのです。いま一度、配送スピードの重要性を認識しておきましょう!
客単価アップ施策
一度利用したことがあるお店では、1回目の買い物より2回目以降の買い物の方が確実に客単価を上げやすくなります。初めて利用する時に抱いていた心配が、一度利用することによって払拭されると、少しずつ購入してもらえる金額が高くなっていくことが期待できます。
そのことを踏まえ、客単価を上げるための施策をぜひ考えてください。関連商品の提案、お得なまとめ買いセット、ついで買いしやすい低単価商品の提案など、ユーザーに対する商品のレコメンドを意識してみましょう。
ユーザー心理を最優先に考える
一度購入してくれたユーザーが2回目以降に購入に繋がるか否かは、ユーザーの心理を理解しているか否かによります。「ユーザーがどんなサービスに共感してくれたか?」もしくは「どんな点に不満を抱いたか?」を適切に理解し、その要望に合わせていける店舗運営を目指さなければなりません。
色々な「出来ない理由」にかこつけて、店舗側の都合の良い事だけを実践し、消費者のニーズについていくことが出来ないようでは、リピートを促すことは困難です。
新規顧客が数多く流入してきているのは、モールと取り組みと世の流れのお陰であって、決して店舗側の努力の結果ではないかもしれません。そのことを謙虚に受け止め、柔軟にユーザーのニーズに応えられる店舗運営を心掛けてください。
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