売り上げを伸ばし続けるために必要な思考(後編)
※ジャンルの垣根を越えて情報を収集する
※販売チャネル毎の属性を考慮する
※柔軟性と謙虚さこそが成長の糧
前回は、売り上げを伸ばし続けるために必要な思考(前編)としまして、以下のテーマについて触れていきました。
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※他社が簡単に真似できない事を率先して実行する
※ECプラットフォームが導入するサービスはいち早く参加する
※継続できない手法は戦略ではない
※外注に頼る事を活用する
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今回は違う視点から、売り上げを伸ばし続けるために必要な思考について考えていきましょう!
※ジャンルの垣根を越えて情報を収集する
自分のお店が販売している商品と同じ商品、もしくは類似商品を販売する競合他店(同じカテゴリに属する他店)に関する情報は、日々、収集しながら分析しなければなりません。売れている商品はどんな商品か?(ランキングを確認する)、メルマガ、LINEなどで、どんな商品をお勧めしているか?、価格設定はどんな感じか?在庫状況はどうか?(売れ筋商品は欠品していないか?)、翌日配送対応、ラッピング対応などのサービス面は充実しているか?(店舗レビュー、)など、競合分析をする上で、色んな事に意識を向けなければなりません。売上を伸ばしていく上で、競合他店の動向により売上は大きく左右されるため、販売戦略を考える上では欠かせない日々のルーティーンワークと言えます。
しかし、同じジャンルの情報だけを基準に販売戦略を考えるだけでは、EC業界全体の速いトレンドの変化に取り残されてしまう事があります。
例えば、同じジャンルの競合他店の分析だけをしていて、そのジャンルに所属する店舗全体の売上が下がっているとしたら、皆さんはどう思われますか?そもそも、そのジャンル自体のトレンドが昨年対比でマイナス成長だとしたら、どう思われますか?このような状況下では、殆どの人が、「競合店も売上が下がっているから、自分のお店も売上が下がっても仕方ない。」と思う方が多いのではないでしょうか?気持ちは分かりますが、それでは売上が伸びない事を正当化する理由を探しているだけで、売上を伸ばすことはできません。
自分の所属ジャンル全体がマイナス成長だとしても、伸びているジャンルは必ず存在します。市場が成長しているジャンルの中には、売上を伸ばそうとして、積極的に様々な販売戦略を実践しているお店が存在します。そのお店の取り組みの中から、次なる成長の足掛かりのヒントを探るのです。具体的には、そのお店で実際に買い物をしてみたり、LINEやメルマガに登録して情報を収集してみたり、そのお店が販売しているメイン商材のランキングを定期的にチェックしたり、商品レビューや店舗レビューを確認してユーザーからの声を参考にしてみたり。。。このように、ジャンルの垣根を超えて情報を収集する事によって、同一ジャンルのお店からは収集できない貴重な情報を集める事ができるのです。
「人が集まるお店には、必ず、それなりの理由が存在する」
この事を念頭に、業界の常識を疑うべく、幅広いジャンルに意識を向けながら情報を収集する事を心掛けましょう!
※販売チャネル毎の属性を考慮する
ネット通販を営んでいるお店は、特定のモールだけでなく、複数のモールへ出店して多店舗展開している店舗さんも多いです。様々なECモールへ出店している場合、顧客属性が異なるため、売れ筋商品や、販売戦略は異なってきます。この販売チャネル毎のギャップを相互に入れ替える事によって、既存販売戦略の枠を超えた、新しい販売戦略が見つかる場合があります。
例えば、普段、楽天市場で実施しているプロモーションメニューをYahoo!ショッピングへ応用させるとどうなるか?Amazonで上手くいった販売戦略を楽天市場へ流用させるとどうなるか?といった具合に、各販売チャネルで上手くいったプロモーションメニューを入れ替えて実施してみたり、もしくは、上手くいかなかった販売戦略を異なる販売チャネルで実施して、上手くいくかどうかを検証してみたりする事によって、新たな手法が見つかる可能性があります。特定の販売チャネルに特化したプロモーション手法を実施するだけでは、なかなか新しい売り方を見つける事はできません。
さらに、最近では、検索エンジンやSNSなどの外部媒体からECモールへ集客する事(モール外のサイトからユーザーを引っ張って来て、モール内で商品を購入してもらう事)で、モール内での商品ページの評価が上がり、検索結果に有利に働くというアルゴリズムが導入されています。そう考えると、検索サイトのリスティング広告や、リターゲティング広告、SNS広告なども、モール内で売上獲得を有利にさせる上では効果的な手法だと言えます。
外部広告を活用する場合、どうしても、ECモールへの動線ではなく、自社サイトへの動線を優先的に強化したいと思う人が多いと思います。その気持ちは分かりますが、汎用性の高いポイント施策や、質の高いサービスなど、自社サイトよりもECモールに出店しているお店の方が、大半のユーザーにとっては信用度が高く、自社サイトと比べるとECモールへ動線を敷いた方が転換率が高くなるということは容易に想像できます。
少し話は逸れましたが、同じ販売チャネルで、同じ広告メニューを継続して運用することで、時間の経過とともに確実に広告プログラムの費用対効果は悪くなっていきます。ところが、他の販売チャネルで実施している広告の反応を参考にすることで、広告費の適正化が可能になるかもしれません。効果的な広告運用の発見以外にも、このような「新たな気付き」に恵まれるかもしれん。
※柔軟性と謙虚さこそが成長の糧
ネット通販は、思っている以上に速いスピードでトレンドが移り変わっていきます。最近まで売れていた商品が突然、売れなくなったり、これまで通用していた販売戦略が突然、通用しなくなったりと、ある日突然、店舗運営が立ち行かないリスクを伴っています。それは、ネット通販自体が、時流の流れを最も受けやすい「時代の最先端ビジネス」だからです。その事を理解しながら、売上を伸ばし続ける事に注力するためには、これまでの成功体験にこだわる事なく、時代の流れに合わせられる柔軟さと、積極的に新しい事に取り組める勇気(謙虚さ)が重要と言えます。
一昔前に一世風靡した有名店が、今は、もう名前も聞かなくなったというケースも珍しくないEC業界。追い風に乗れば、短期間で急成長できる夢がある業界ですが、一度成長したお店の売上を維持しながら、さらに成長させていく事は並大抵の事ではありません。たとえ今は上手くいってたとしても、簡単にその状況が続くほど甘い業界ではありません。どんな状況下においても、成長し続けるための柔軟性と謙虚さを常に意識しながら店舗運営を行うよう心掛けていきましょう。
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