取扱商品の決め方

Date:2021.06.02

売上が伸び悩んでいる店舗さんから、よくこんな質問をされることがあります。

「この商品を新たに取り扱おうと思うのですが、どうですか?」

店舗成長の過程で新しい商品を取り扱う機会は沢山ありますが、その商品を切っ掛けに売上が順調に推伸びていくか?それとも、停滞してしまうか?は、実際に取り扱ってみないと分からないものです。しかし、せっかく新しい商品を取り扱うのであれば、失敗は極力、避けたいです。

もちろん、誰もが「この商品は売れる!」と思って取り扱いを始めるのですが、その「売れる根拠」をしっかりと検証してから取り扱いを決めないと、不良在庫として売れ残ってしまうリスクが伴います。売れる根拠はどにょうにして調べていけば、失敗を最小限に抑えることが出来るのでしょうか?

検索ボリューム

世の中で人々から求められている商品は、概して検索ボリュームが大きいという共通点があります。その商品に関心を持つ人が多ければ多いほど、検索結果に表示される件数は増えていきます。

例えば、楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazonなどの大手ECモールで商品を検索すると、人気がある商品ほど取扱店舗が多く、検索結果にもたくさんの商品が表示されます。また、検索窓にキーワードを入れた瞬間にサジェストされる関連キーワードの数も多くなります。

基本的には、ある程度検索ボリュームをある商品を選んだ方が売れやすいということになりますが、ボリュームの大きさによっても販売戦略は異なってきます。1,000件を超えるお店が取り扱っている商品などは、いくら求めているユーザーが多くとも、販売価格、納期、商品ページクオリティー、広告などによる露出強化まなど、他店よりも目立つ施策を考えなければ、ユーザーに気付いてもらうことはできません。

一方、検索ボリュームはゼロでは無いけれど、数十件程度のお店しか取り扱っていない商品があるとします。そんな商品を取り扱うとしたならば、いくらで販売したら売れそうか?他店でその商品を購入したユーザーのレビューはどんな内容か?などの検証を行った上で販売戦略をしっかりと考えて、敢えてニッチな市場で勝負するという選択肢もあります。その場合は在庫過多にならないようにだけ、しっかりと在庫数をハンドリングする必要があります。

このように、販売戦略やユーザーニーズを知る上で重要な指標となるのが、検索ボリュームなのです。

 

トレンド調査

世の中には流行の流行廃りがあります。どうせ新しい商品を取り扱うなら、これからトレンドが上向きになる、もしくは間もなく旬を迎える商品を扱いたいです。

筆者がトレンドの推移を調査する上で良く利用するツールが「Googleトレンド」です。具体的な検索ボリューム数は分かりませんが、そのキーワードの検索されたボリュームの推移を折れ線グラフで見ることができます。また、特定期間のデータ比較ができますので、今年と昨年同時期の検索ボリューム比較をすることで、昨年よりもトレンドが上がっているか?(検索ボリュームが増えているか?)を知ることが出来ます。

トレンドが上がっているのか?それとも下がっているのか?の目星を付ける上では、とても参考になるツールです。

 

ランキング(人気)調査

取り扱おうと思う商品の人気ぶりを知るのであれば、ランキングをチェックすることが最良の手段です。楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazonのランキングを調べれば、その商品が売れるかどうか?また、いくらぐらいで売れるか?の相場観が一目瞭然です。

確かにモールによって売れ筋商品は異なりますが、大手3大ECモールのランキングを調べることで、その商品のポテンシャルを測ることはできます。

もし、どのモールのランキングに入っていないとしたならば??

よほど綿密な戦略を立てて実践しないと、売れるようにはならないかもしれません。

 

メディア露出度

今までそれほど売れていなかった商品が、ある日を境に一気に売れる事があります。それは、テレビやネットニュースなどで取り上げられた時です。テレビで放映される予定はメーカーさんから入手することができたり、ネットニュースで取り上げられるかどうかは、ネット上のプレスリリース情報から推測することもできます。

メディアでの露出を事前に察知することは非常に難しく、上級者レベルの戦略となりますが、そこまで情報を操ることが出来るようになれば、怖いものはありません。ネット販売を営んでいく上で、いつか、一度は挑戦してみてください。

 

入手可能なデータからリスクを最小限に抑える

新たに取り扱いする商品を決定する上で、事前にできることをいくつか紹介しました。これらの手法は人の勘に頼ることなく商品を選定し、取り扱いを始めたは良いけど、結局は売れなかったというリスクを最小限に抑えるための取り組みです。

単に「何となく」であったり、「人から売れると聞いたから」といったような安易な切っ掛けだけを頼りに商品の取り扱いを決めていては、伴うリスクがあまりにも大きいです。必ず今の状況をデータに基づいてしっかりと調査した上で取り扱いを決めた方が、売れる可能性は確実に高くなるのです。

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