季節商材の販売戦略について
※競合が少ないタイミングで最良の条件を提案
※セール前倒しに思いきれない場合は期間限定で様子を見る
※利益を追求し過ぎるとリスクが伴う
※どうしても自力で商品を売り切れない時は?
※季節商材こそ長く続く店舗運営を心掛ける
ネット通販で季節商材を中心に販売している店舗も多いでしょう。季節商材は上手く売れたら高い利益率が見込めるため、魅力的な商材と言えます。しかし、一方では世の中の流れや、天候の影響などによって思うように販売数が伸びない事もあります。
今回は季節商材を販売する上で押さえておくべきポイントについて考えたみましょう。
※競合が少ないタイミングで最良の条件を提案
季節商材の代表例として、アパレル商材が挙げられます。2023年は暖冬で秋冬物のアパレル商材の売れ行きが苦戦しています。さらに、コロナによる影響が緩和された事によって、実店舗へユーザーが戻っており、コロナ禍中と比較すると、ECのマーケットはシュリンクしています。これから年末年始にかけてセールが一斉に開始されますが、2023年の年末から2024年の年始にかけての販売戦略は、ズバリ、セールを前倒しで開催した店舗が有利に販売を促進できると予測します。
12月に入っても比較的暖かい日が多く、消費者の秋冬物購入に対する意識は低い状態で推移しています。このまま通年通りのタイミングでセール開催を予定していると、セールを開催した途端から非常に厳しい競争に巻き込まれ、思うように売上を確保できない状況が予想されます。
セールを前倒しすることで、確保できる利益は減少しますが、いずれ厳しい状況に巻き込まれる事を想定すると、少しでも早いタイミングで勝負をかけた方が有利になると判断できます。
※セール前倒しに思いきれない場合は期間限定で様子を見る
最近、大手アパレル量販店で頻繁に開催されている販売戦略は、期間を細切れに設定し、その期間だけ一時的に価格を安くして販売する手法です。また、価格を下げる商品を絞り込む事により、値下げしていない他の商品を一緒に購入してもらう事を促すことで、少しでも利益を確保する事を目指しています。このように、セールのタイミングを前倒しする事に躊躇する場合は、期間を限定したり、値下げする商品を限定したりしながら様子を見るのも良いでしょう。その他、価格を直接下げる他に、期間限定値引きクーポンを配布したり、ポイント還元率を上げたりしてみるのも効果的です。
※利益を追求し過ぎるとリスクが伴う
値引きする事により利益を圧迫するので、できるだけギリギリまで既存価格のままで販売したいと思う心理は理解できます。しかしながら、すでに世間一般的にセールが始まり、競争が激化してから後を追うように値下げしても、ユーザーに選んでもらえる可能性は低くなります。季節商材の販売は、毎年、シーズン直前にならないと販売予測が立てにくいですが、早めに勝負をかけて、次にシーズンに改めて勝負するよう、考え方を切り替えましょう。
シーズン毎に利益を残す事ができれば、それに越した事はないですが、季節商材の売れ行きが厳しい時は、マイナスが出ない範囲で在庫を売り切る事を優先的に考えましょう。
※どうしても自力で商品を売り切れない時は?
現在抱えている在庫が、どう考えても自分で販売しきれない場合は、できるだけ早いタイミングでまとめて商品を買い取ってくれそうな第三者をあたってみましょう。例えば、昨今、メディアによく露出しているサイトでkuradashiというサイトがあります。フードロスを抑える事を目的に、賞味期限が短くなった商品を、通常価格よりも安く販売するサイトです。取り扱い商品の大半は食品ですが、最近ではコスメ、雑貨、アパレル商品の取り扱いも増えています。提案するタイミングや、顧客属性とのマッチングがずれている場合は販売価格が仕入れ原価を下回ったり、買い取ってもらえなかったりする可能性がありますが、翌年まで持ち越すことで倉庫での保管費が嵩んだり、キャッシュフローの悪化を招くリスクがあるのであれば、まとめて引き取ってくれそうな売り先を探して見るのも良いと思います。
※季節商材こそ長く続く店舗運営を心掛ける
季節商材をはじめ、コロナ禍でもてはやされたマスクなど、時流商品を販売して利益を確保するには、タイミングが重要です。市場でのニーズが高い商品で、誰も持っていない商品を販売できれば大きな利益を獲得することができます。また、誰も実施していないタイミングで、ダントツで安い価格を提案できれば、多くのユーザーから支持されます。
しかしながら、上手く販売できれば大きな利益が獲得できる商品に関しては、多くの店舗が注目するため、時間が経つと必ず競争が激化し、市場は飽和状態となってしまいます。言い方を変えれば、当たれば大きく儲けられる商品に依存した売り方は、大きなリスクを伴うため、決して長続きしないと言えるのです。
季節商材や時流商材を販売するのであれば、価格を見切るタイミングと、撤退する勇気を持地ながら、長く店舗運営を続けられる事を最優先で考えながら取り組んでいってください。
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