2023年ECトレンド大予測(後半)
※PB商品の取り扱い
※SNSなど新しい媒体からの動線を確保する
※ネットショップとしての真価が問われる
※継続できる販売戦略を実施する
前回に引き続き、2023年ECトレンドを予測していきましょう。
※PB商品の取り扱い
メーカーからの仕入れ商品の販売だけでは、いずれ売上を伸ばしていくことが難しくなるという事を前回取り上げました。他店との差別化を図ったり、利益をしっかり確保する販売戦略を実施していく上で、いずれオリジナル商品(PB商品)の取り扱いは避けて通ることはできません。
PB商品は生産ロットが大きかったり、前払いでの決済が必要な場合は事前に多額なキャッシュが必要になる場合があるなど、デメリットもあります。しかしながら、ブランドの知名度や商品力だけを頼りにした販売手法は、小売店が売上を伸ばす戦略としては通用しなくなることも考えられます。自社で開発、製造したオリジナル商品の知名度を高め、多くのユーザーにその魅力を伝えることで売上に繋げられるブランディング力を養わないと、大手量販店や、メーカー直販サイトとの競争に巻き込まれて、いずれ淘汰されてしまう危険性があります。自社商品を消費者に支持してもらい、売れ筋商品として育て上げる事はかなり根気がいる作業ですが、そのことに取り組んでいるお店と、取り組んでいないお店とでは、将来的に大きな差が開く事でしょう。
現状に安ずるにではなく、将来を見据えながら時代の流れに合った販売戦略を考えていきましょう。
※SNSなど新しい媒体からの動線を確保する
時代の流れとともに、消費者から支持される広告の種類も変化していきます。いまだに検索結果連動型広告、特集広告、バナー広告が人気ですが、SNS経由やインフルエンサーの影響力を活用した広告が消費者に対して影響を与えるようになってきました。
新しい広告メニューに挑戦する事はリスクが伴うため勇気が必要ですが、広告メニューは概して「反応が取れる!」と話題になった時にはすでにコストが上がっており、さらに競争も激化するため、思うように活用したいタイミングに広告枠を購入できない事態を招きかねません。競争が激化する前に新しい広告で効果が取れる運用方法を確立できれば理想的です。
しかしながら、新しい広告を運用する上でリスクを最小限に抑えるためには、その広告が将来的に消費者に支持される広告になるか否かを見極められる勘が必要です。その見極めは非常に難しいですが、自分が取り扱っている商品と、その商品の広告が表示される媒体に集まるユーザー層、商品との親和性、広告予算、取り扱い商品との利益のバランス、過去の広告運用の経験や感覚を元にしっかりと予測を立てながら運用していきましょう。もし、思うように効果が得られないようならば、思い切って広告運用を一旦休止する事も良いでしょう。上手くいかなかった原因が特定できてから改めて広告掲載を再開するなど、柔軟に対応していきましょう。
※ネットショップとしての真価が問われる
コロナ禍によるEC特需が見込めない2023年は、ネットショップとしての真価が問われる年になります。品揃え、販売価格、配送スピード、顧客対応など、商品販売において的確に、かつスピーディーに対応することが当たり前の事として消費者は捉えます。その消費者のニーズについていく努力をする事なく、お店の都合でサービスレベルの向上が見込めないお店は、確実に売上が伸び悩む事になるでしょう。
大手ECモールでは、定期的に消費者にアンケート調査を行っています。その調査結果の中で最も多い消費者の意見については積極的に耳を傾け、そのニーズに応えられるよう仕組みを改善したり、出店店舗に協力をお願いしたりといった取り組みを継続的に実施しています。そういった方針に付いていけない、もしくは、付いて行きたくないなとなると、確実に時代の流れに取り残され、いずれ売上が伸びなくなる事は容易に予測できます。ネットショップは常に時代の流れと、消費者のニーズに試されているという意識を忘れないようにしましょう。
※継続できる販売戦略を実施する
時代と消費者のニーズの変化に合わせていくことはとても大切な事ですが、合わせすぎてお店が存続できない状況に陥ってしまうと本末転倒です。仕入れ、販売、広告戦略など、継続できる範囲で調整することが大事です。無理しすぎて、一時的に売上が伸びたとしても継続できないやり方であれば、いずれ元の状態に戻ってしまいます。あくまでも、少しずつでも良いので、継続的に売上を伸ばしていける方法を模索しましょう。ギャンブル性が高い販売方法は戦略ではありません。そういった販売方法を実施することで、今は見る影も無くなってしまったお店も多く存在することを心に留めておきましょう。
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