商品軸拡大による売上アップのコツ

Date:2022.02.19
目次

※既存商品のバリエーションを増やす
※関連商品の販売
※顧客属性を意識した新商品
※新規商品選定の注意点
※ユーザーが商品を購入した理由を理解する

売上成長を見込む上で避けて通れない戦略が、新規取扱商品の拡大です。小売業において、いま以上の売上アップを見込むのであれば、これまでに扱った事がない新しい商品の品揃えを強化していくことが必要です。

 

 

しかし、新商品の選別を誤ってしまうと、売上を伸ばすところか、過剰在庫となってしまい、キャッシュフローの悪化を招きかねません。

 

 

今回は売上アップに繋がりやすい商品の見極め方について考えてみましょう。

 

 

 

※既存商品のバリエーションを増やす

品揃えを強化する上で最もシンプルな方法は、既存商品のバリエーションを増やす事です。カラーやサイズの取り扱いを増やしたり、既存取り扱いブランドの商品で、これまでに扱った事がない商品を増やすのも良いでしょう。既に取引がある仕入れ先からの商品であれば、品揃えを増やす事は容易です。

 

 

しかしながら、闇雲に品揃えを強化することは大きなリスクが伴います。必ず市場調査を行った上で、その商品が売上に寄与するかどうかを事前に検証する必要があります。モールのランキングに入っている商品か?他店で既にその商品が販売されている場合は、レビュー件数がしっかり稼げているか?を基準に、ポテンシャルがある商品かどうかを見極めてから取り扱いを始めるようにしてください。

 

 

※関連商品の販売

既存取り扱い商品と関連性が高い商品を扱う事も品揃えの強化に繋がります。例えば、家具を扱っているお店であれば、メンテナンス商材やクリーニング商材を取り扱うのも良いですし、家電を扱っているお店であれば延長ケーブルや複数個数コンセントが挿せるタップ、乾電池などの消耗品の取り扱いを強化するのも良いでしょう。

 

 

既に取り扱っている商品を購入するユーザーにとって、ついでに購入しておけば便利な商品、いつ買っても良い商品は、関連商品の最有力候補として挙げられます。また、消費財などは無くなるとまた購入してもらえるので、リピート率向上にも繋がります。

 

 

 

※顧客属性を意識した新商品

店舗で商品を購入するユーザーの属性が理解できれば、その客層に合致した商品を取り扱うことで新たな売上を作ることができます。例えば、20代から30代がメイン客層のアパレル商材(主に衣料)を扱っているとします。その場合、これらの客層が購入しそうなコスメ商材を扱うのも良いですし、スマホアクセサリーや生活雑貨を扱いのも良いでしょう。

 

 

顧客属性を意識した品揃え強化は、上手くいけば新しい売り上げの柱を作ることができるキッカケとなります。しかし、実は品揃えを強化する戦略としては、最も難しい戦略です。

 

 

まず、既存仕入れ先から仕入れる事ができない商品であれば、新規仕入れ先を開拓しなければなりません。さらに、既に他店でそれらの商品を既にたくさん販売している競合店との競争に挑まなければなりません。

 

 

顧客属性に合った新しい商品を扱う上で大切なことは、綺麗でかつ分かりやすい商品説明が掲載された商品ページと、自分の店舗に流入してきたユーザーを適切に関連商材へと誘導するページ内導線です。もちろん、検索経由からユーザーを引っ張ってくることも可能ですが、新たに取り扱いを開始した商品は、ある程度の販売実績ができるまではオーガニック検索で上位に表示されにくいです。もちろん、リスティング広告などを活用して検索上位に表示させることはできますが、コストがかかる上、既にその商品を多く販売していて、ある程度のユーザーを抱えている店舗には簡単に勝つ事はできません。検索経由で商品ページからの誘導を考えた場合、販売実績が既にある店舗を利用しているユーザーを、自分の店舗に誘導することは容易ではありません。ユーザー心理として、どうしても販売実績がある店舗から安心して買いたいという意識が働くからです。そう考えると、コストをかけずユーザーに新規商品の存在を認知してもらうためには、自分のページへ訪れたユーザーに対して新規取り扱い商品をアピールする方法が最も効率的だと言えます。

 

 

もちろん、しっかりと利益が確保できていて、少しでも新しく取り扱いを始めた商品の売上を早く確保したいのであれば、販売戦略としてリスティング広告を活用することは「アリ」です。リスティング広告を活用することで、人目につきさえすれば、その商品が売れるのかどうなのか?を簡単に検証することができるからです。その場合は、広告の費用対効果がすぐに最大化することはなく、最初は低迷することを予測しておきましょう。ある程度の期間、先行投資的に広告費を投下していく必要があることを理解しておいてください。

 

 

 

※新規商品選定の注意点

新規商品の取り扱いを検討する上で、手を出すべきではない商品は「時流商品」です。流行り廃りが早い商品、もしくは特需により一時的にニーズが一気に高まった商品の取り扱いは注意が必要です。流行りのファッション商品、コロナ禍でニーズが一気に高まったマスクや消毒液がその一例です。

 

 

消費者ニーズが高い間は商品の在庫さえ確保できれば確実に売上に繋がりますし、他店が品切れを起こしている間は、販売価格を高めに設定しても売れるため、しっかりと利益を確保する事ができます。しかし、一気に市場に商品が出回った瞬間から競争が激化し、値崩れが始まります。ある程度情報を駆使すれば事前に対策を考えることはできますが、現在保有している在庫がいつ捌けるか?利益がどれだけ残るか?を的確に予測することは非常に難しいです。結果、気がつけば市場は飽和状態となり、大量に在庫が残って大損をしたというケースも多々あります。

 

 

市場が熟成し、商品が大量に世に出回った後も、他の商品と差別化を図りながら販売を継続していく覚悟があるならば、これらの商品を取り扱うのも良いですが、目先の売上と利益だけしか見えていないのであれば、時流商品は扱わない方が賢明です。

 

 

 

※ユーザーが商品を購入した理由を理解する

新たに取り扱い商品を増やす前に、ユーザーの目的やニーズをしっかりと理解しておく必要があります。ユーザーはなぜ、あなたのお店で商品を購入したのか?その結果、何に満足したのか?それとも満足しなかったのか?その理由を把握しておく必要があります。

 

 

商品レビューや店舗レビューの中からユーザーのニーズを理解し、そのニーズに合った商品であれば、売れる可能性が高いと判断できます。また、新たに取り扱いを始めようと思う商品の消費者ニーズが、自社のレビューから見えにくい場合は、その商品を既に販売している他店のレビューが参考になります。レビュー調査は、自分の店舗に書き込まれた内容にばっかり意識が行きがちですが、実は他店に書き込まれたレビューを見ることで消費者が、その商品に対して何を求めているか?を理解する事ができます。

 

 

「消費者のニーズに合った商品を、いかに提供するか?」

 

 

売上アップを目指すのであれば、ユーザー心理を理解することが最も重要だということを忘れないでください。

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