販売価格設定の基本概念
突然ですが、皆さんは商品の販売価格を設定する際に、どのような基準で値付けをされていますか?値付けは商品を販売する上で基本中の基本ですが、意外と値付けに関しての基準が曖昧な店主が多いことも事実です。どんな基準で販売価格を設定すれば良いのか?今回はその基本概念について考えてみましょう。
型番商品の価格設定
販売価格の付け方は、型番商品と非型番商品とで大きく異なります。まず、型番商品に関しては、どこの店舗でも扱っているが故に、その売れ行きは価格に大きく左右されます。ECモールなどワンクリックで安いお店順に簡単にソートできる環境下では、価格が安ければ安いほど販売に有利と言っても過言ではありません。型番商品を最安値で販売することは誰でも出来ますが、難しいのはその状態で利益を確保することです。最安値を付けても十分な利益を確保できる強固な仕入れ力があれば何の問題も無いですが、概して型番商品は掛率が高く、利益が確保し難い商材である場合が多いです。
不良在庫処分や、新規顧客獲得のための入り口商品としての位置づけ(次回購入の切っ掛けになる仕組みがしっかり出来ている)など、利益確保以外の明確な目的があり、それがメリットとして成立する場合を除いて、しっかりと利益を確保しなければ店舗運営を継続することはできません。
実は、型番商品を販売する上で絶対にやってはいけない値付けの手法は最安値を付けることです。最安値を付けると値段だけで商品を購入するバーゲンハンターに狙われ、リピーターとして顧客が定着しにくくなります。最安値を好むユーザーは商品を購入する際に一番安いお店を探す習慣が身についており、非常に移り気な特徴があります。また最安値に拘ると値段だけで商品が自然と売れるため、値段以外の販売戦略を考える事が面倒になり、やがて店舗の弱体化へと繋がります。型番商品を販売する際の値付けのコツは、最安値から2番手、3番手ぐらいの売価で設定し、最安値を付けている店舗の在庫が無くなった段階で一気に売上を刈り取る方法です。そうやって少しでも利益を確保する心がけが大切です。また、価格以外の要素で他店と差別化できる販売する手法もあります。速い配送や丁寧な商品説明(商品ページコンテンツの充実)、ユーザーの問い合わせに対する的確かつ丁寧な対応など、ユーザーに安心感を与えることで支持を得ることも大切な販売戦略です。
非型番商品価格設定
他店が取り扱っているものと全く同じ商品を売る型番商品販売とは異なり、非型番商品は競争が少ないというメリットがあります。その点で販売価格は自由に設定できるというメリットがあります。自社でしか販売していないオリジナル商品などは、売価設定フリー商品の代表格です。しかし、いくらオリジナル商材であったとしても値付けにはある程度のルールを設けた方が良いです。よくオリジナル商材の価格を設定する際に「何割、もしくは、いくら利益を確保したい」という売り手の欲張りな視点で平気で高い価格を設定する人がいます。もちろん、その価格で商品が売れれば問題ないですが、このように安易な考え方で価格を設定した商品は、あまり売れることはありません。その理由は、類似商品の相場を無視した値付けでは売れないからです。
他の店舗では販売していないオンリーワンの商品でも、類似商品を販売しているお店はたくさんあります。そして、ユーザーはどれだけの魅力の商品がいくらぐらいで購入できるかという相場観をしっかりと把握しています。概して、ユーザーは売り手よりも賢いということを忘れないでください。
いくらオリジナルの商品だからと言って、法外な販売価格を設定したが為に商品が全く売れないとなると、せっかくのオリジナル商品が何の意味も成さなくなってしまいます。
売れるペースと利益確保の絶妙なラインを見極める
型番商品でも、非型番商品でも、販売価格によって確保できる利益が異なってきます。出来るだけ数が売れた方が良いと考える人も多いかもしれませんが、ある程度の利益を確保しながら売れる適正なラインを見極めることが大切です。商品の売れるスピードははやいけれど、利益が確保しにくい場合は思い切って価格を少し上げてみてください。売れ行きが予想以上に悪いときには価格を少し下げてみてください。消費者のニーズに合わせて価格を調整することを繰り返し、売れるペースと利益がちゃんと確保が出来る絶妙なラインを見極めることを日々怠らないようにしましょう。
適正価格は変動する
市場の流れ、競合他店の動向の変化により商品の売れ行きは左右されます。自分のお店のせいでは無くとも、他店の影響によって販売数は大きく変わってくることも、しばしばあります。販売ペースに異変を感じたら、自分のお店の周りで何が起こっているのかを、じっくりと観察してみましょう。
急激に売れ行きが鈍ったとしたならば、自分のお店より安く商品を販売しているお店が複数出てきた可能性が考えられます。その場合はやむを得ず価格の見直しを行う必要があります。販売価格は一度設定したら、そのまま放置していてはいけません。なぜなら、ユーザーから支持される適正価格は変動するからです。
しかし、もし、価格を下げる以外のことでユーザーの支持を得られるとしたならば、その施策を優先的に実施してください。メルマガで商品を宣伝したり、ページ内での露出を増やすことで売れ行きが改善する見込みがあるのであれば、それに超したことはありません。最終的には価格を下げるつもりであったとしても、下げる前に何か出来ることがないかを考える習慣を身に付けるようにしてください。その僅かな意識の違いで少しでも多くの利益を確保する事ができたとしたならば、それに勝る販売戦略はないと言えます。
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