コロナ禍と売れ筋商品の移り変わり
コロナウイルスはEC業界に大きな影響を及ぼしました。リアル店舗の時短営業や休業によりネットショップの需要が高まり、大きく売上を伸ばしたお店も多く存在します。
コロナウイルスの蔓延により消費者の購買行動が変化し、その影響でEC市場で売れる商品も大きく変わりました。マスク、消毒液など、コロナ感染防止関連商材を購入するユーザーが挙ってネットで商品を買い漁り、その分の売上が既存の売上に積み重なり、店舗全体の売上を大きく押し上げました。
コロナ拡大の影響によって特需という影響を受けたEC業界ですが、拡大から1年を過ぎた今、新たな問題に直面しています。いったい、どんな問題が出てきたのでしょうか?
【参考】
昨年対比で売上がマイナスに!?
コロナ拡大の影響によりECのニーズが高まっているにも関わらず、今年の3月以降、売上が昨年同月対比を割ってしまうお店が増えてきています。摩訶不思議な現象ですが、売上が昨対を割っている店舗の共通点として挙げられる事は、ちょうど昨年の春頃からマスクをはじめとする「コロナウィスル感染拡大防止商品」を取り扱っていたお店です。
一時はマスクや消毒液が市場から消えるほどの品薄になり、中国からの輸入品をネットで販売するお店が出てきました。ユーザーのニーズに対して供給が全く追いつかない状況下で、これらの商品を販売したお店の売上げは一気に伸びました。
しかしながら、昨今では国内メーカーの生産体制が強化された結果、ユーザーのニーズに応えるだけの商品がドラッグストア、スーパー、コンビニなどへ供給されはじめ、どこでも購入できるレベルにまで達しました。
結果、昨年の春頃から始まった特需は一気に下火となり、その恩恵を受けたお店の売上げが軒並み昨年を割り込んだというカラクリなのです。
【参考】
コロナ特需品の売上構成比が向上
全体的なコロナ蔓延防止商材のネットニーズは落ち着いたと言え、未だに売れ続けている商品もあります。例えば、ネット発の人気商品としてブームとなったカラフルな血色マスクや、ファッション性の高い高価格帯のスクなどは、既存の一般的なマスクとの差別化が明確で、今なお高い人気を誇っています。
お店によってはこれらの差別化された蔓延防止商品の売上げシェアがお店全体の売上構成比の大半を占め、コロナ拡大前とは大きく売れ筋商品のラインナップが変わってしまったお店も存在します。これまでに扱っていない商品を扱うことで売上が伸びることは良いことですが、このままの状態では非常に危険な未来が待っています。
【参考】
いずれ終わりを迎えるニーズと隣り合わせ
とても残念なことではありますが、時流の流れとともに一気に拡大されたマーケットは、その終息とともに人々のニーズも縮小していきます。従いまして、コロナ蔓延防止関連商材を扱い続けるということは、いずれ終わりを迎えるマーケットと隣り合わせであることを忘れないでください。
今はまだ商品が売れていて、なかなか販売を休止することが難しいとしても、いずれはその商品の販売だけでお店の売上げを維持することは出来ないことは目に見えています。
そんな近い将来を冷静に見据えた販売戦略を今のうちから考えておく必要があります。
今のうちに次なる一手を考える
コロナ蔓延防止商品の売上げ構成比が高くなる前は、殆どのお店がそれらとは異なる商品をメインで販売していたに違いありません。まさにその商品こそが本来の本業商品であり、その商品の売上を如何に伸ばしていくかが次の一手なのです。
当たり前の事かもしれませんが、これまで扱っていなかった商品が急に売れ始めると、その商品の売上を当てにするようになるのが人間の心理です。しかし、時代の流れの影響をもろに受けるEC業界においては、今の良い状態がこれからもずっと続くような甘い業界ではないのです。
コロナ特需により得た売上がゼロになったとしても、堅実に店舗経営を運営していけるよう、今こそ、本業をしっかりと見直すタイミングであるということを肝に銘じてください。
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