Yahoo!ショッピングのポテンシャル
日本のECプラットフォーマーの中でYahoo!ショッピングの勢いが増してきています。販売手数料を原則無料化して以降、急激に店舗数は増え続け、現在の出店店舗数は65万店、取扱商品点数は2.8億、月間ユニークユーザーは5,800万人、月間ページビューは8.8億と、かなり多くのユーザーが利用する一大ショッピングモールへと成長を遂げました。(2017年12月現在のデータに基づく)
その結果としまして、Yahoo!ショッピングの流通総額は+20%以上の勢いで成長しており、つい先日11月11日に開催されたYahoo!ショッピングの最大セール「いい買い物の日」では過去最高の売上げだったのでは?という噂が絶えません。(この原稿執筆の段階では数字は未公開)Yahoo!ショッピングの強さは何なのか?今後、どのような展開になるのか?その将来を予測してみたいと思います。
人気ポータルサイトの強み
Yahoo!ショッピングは日本最大手検索ポータルサイト「Yahoo! JAPAN」の一事業として運営されています。Yahoo Japan!の日本国内での検索エンジンとしてのシェアは約22%で、第二位です。(1位はGoogle)日本ではいまだにYahoo! Japanを検索エンジンとして利用しているユーザーが多く、そのユーザーをYahoo!ショッピングへ上手に誘導しています。もともと多くのユーザーが利用している検索エンジンというプラットフォームからの誘導は、他モールとは他モールでは真似のできないYahoo!ならではの戦略と言えます。
参照)
検索エンジンのシェアはStatCounterで調査
http://gs.statcounter.com/
ECのスマホ比率増加に伴うキャリアの強み
総務省の発表によると、Yahoo!の親会社であるSoftbankの携帯電話契約数は2018年6月現在で約4,300万人。日本国内での携帯電話の契約数は約1憶7,000万なので、全体のシェアの約25%を占めていることになります。
Softbankユーザーであれば「毎日ポイント10倍キャンペーン」を昨年より開始して以降、新規でYahoo!ショッピングを利用するSoftbankユーザーが増えており、2016年と比較するとその数は約3.5倍に増加しています。
すでに多くのユーザーを抱えているキャリアが、そのユーザーを手厚く優遇し、ECサイトへの導線を強化する戦略はスマホ化が進むECの現状を考慮すると、とても理にかなった戦略だと言えます。
ソフトバンクの上場で更に拍車がかかる!?
つい先日、2018年12月にSoftbakが上場するというニュースがネットで流れました。上場により獲得できる資金は推定約7兆円で、今後、今まで以上に積極的にECへの投資が行われると考えられます。年末以降の動向が非常に注目されます。
日本のEC化率増加のカギはキャリア!?
Softbakとの連携で新規顧客を上手に取り込んでいるYahoo!ショッピング。それを追随しようとDeNAショッピングモールを買収したKDDI(au)もモール名をWowma!と改名して知名度向上に取り組んでいます。また、日本で携帯契約者数トップを誇るNTTドコモも自前のECモール「Dモール」の事業拡大に向けて水面下で動いているという噂もあります。
日本のEC化率はまだ6%程と言われており、その伸び率はここ数年鈍化しています。しかしながら、ECのスマホ比率はすごい勢いで増加しており、親和性が高いキャリア(携帯電話通信業者)の取り組み次第で一気にシェアが広がる可能性があります。我々EC業に携わる人間としても今後のキャリアの取り組みは注意深く観察してながら将来の戦略を練っていく必要があると言えます。
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