Yahoo!ショッピングの異変と今後の方向性

Date:2020.11.17

昨今、Yahoo!ショッピングにおいて異変が起こっています。

Yahoo!ショッピングでの販売戦略はとてもシンプルです。アイテムマッチやPRオプション料率の引き上げにより、検索結果上位に商品を表示させることで簡単に商品の販売数を稼ぐことができます。(ただし、商品自体が魅力的であることや、販売価格が魅力的であるという条件が整っていることが原則となります。)これら検索対策に加え、倍々ストアなどのポイントアップ施策、ぞろ目の日などのクーポン企画を併用すると、更に効率よく売上げを伸ばすことが出来ます。

販売戦略はシンプルであるため、数あるECモールの中では最も売上げが伸ばしやすいモールとして着目されています。

ところが、最近、そのYahoo!ショッピング内で異変が起きています。検索対策、ポイント、クーポン中心の販売戦略が今なお通用することは間違いありませんが、売上げと広告費とのバランスが崩れてきたと訴える店舗が増えてきているのです。

 

売上げと広告費とのバランス

Yahoo!ショッピングは全ユーザーの約8割近くが検索経由(レフトナビのナビゲーション経由を含む)で商品を見つけます。ポイント優遇策を打ち出して以降、ソフトバンクユーザーがYahoo!ショッピングで購入するケースは急増しましたが、元々、インターネットの入り口としてYahoo!Japanを利用していた人が現在のYahoo!ショッピングユーザーとして多いことが、その主な理由として考えられます。

Yahoo!ショッピング上で検索結果上位に商品を表示させるための広告として、アイテムマッチ(ストアマッチ)とPRオプションがあります。アイテムマッチはクリック課金型の広告で、PRオプションは商品が売れた場合にのみ設定している料率を支払う成果報酬型です。アイテムマッチではクリック単価が高ければ高いほど、PRオプションは設定料率が高ければ高いほど、検索結果上位に表示される確率が高くなります。いずれもクリック単価、もしくはPRオプション料率を設定するだけで簡単に運用できるため、複雑な操作は必要ありません。その点で広告初心者でも簡単に運用できる広告と言えます。

以前は、これら2つの広告を上手に運用しながら、売りたい商品を広告上位に表示させることで売上と利益を確保することができましたが、最近では売上に対する広告比率が高くなる傾向が強くなってきました。広告運用がシンプルがゆえに、売上を伸ばすことだけを最優先している店舗が増え、広告のコストパフォーマンスが下がってしまいました。

更に、PayPay絡みのポイント施策(Yahoo!負担)が以前と比べて減少したことも、広告の費用対効果が下がる大きな要因になっていると推測できます。

 

検索優位主義の弊害

検索経由で商品を購入するユーザーが大半という仕組みができた当初は、先発組の店舗によっては画期的でした。今でこそ検索アルゴリズムの変更などで、小手先だけのSEO対策だけでは上位に表示することはできませんが、以前はコツさえ掴めば広告を運用しなくとも検索結果上位に表示され、効率よく売上を伸ばすことができました。その仕組みが、EC革命(出店手数料無料化)後に広告として上位表示施策が有料化され、現在に至っています。振り返ってみれば、検索結果上位にさえ表示すれば商品を安易に販売できるという仕組みが、結果として広告のコストパフォーマンス低下に繋がったと言えます。検索優位主義がもたらした大きな弊害となってしまったのです。

 

今後の新しい売り方に期待

検索至上主義が飽和状態となった現在、Yahoo!ショッピングの将来をどう捉えれば良いのでしょうか?筆者が最も注目するポイントは、LINEとの経営統合です。Yahoo!とLINEとの経営統合は2021年春頃を目処に準備が進められており、来年の夏頃にはLINEを活用した新しい販売手法が登場するかもしれません。

LINEのアクティブユーザーは日本国内では8,000万人を超えており、日本の人口の約8割の人が利用している最もメジャーなツールです。そのLINEのユーザーに対してYahoo!ショッピングの存在をアピールすることで、売上が一気に成長する可能性は否定できません。また、同じYahoo!グループであるキャッシュレス決済「PayPay」は登録ユーザー数が3,000万人を超え、キャッシュレスサービスとしては日本最大級を誇ります。LINEとPayPayがタッグを組むと、Yahoo!ショッピングはどんな化学反応を起こすのか?更に同じくグループ傘下のzozoとの連携はどう影響していくのか?起死回生を狙うYahoo!ショッピングの動向に注目していきたいです。