増税前と増税後のトレンド予測
2019年10月1日から消費税が増税されます。食料品などの一部の軽減税率対象商品を除き税率が2%引き上げられ、消費税率は10%となります。
増税前後のタイミングで市場はどのように動くのでしょうか?過去の増税時の動きを参考にしながら方向性を予測してみましょう。
増税前に売れる商品
増税前には必ずと言って良いほど「駆け込み需要」が発生します。5%から8%へ増税された時ほどは緩やかな印象がありますが、すでに増税前の駆け込み需要は始まっているようです。
今回は食品が軽減税率対象となるため、米や水などの駆け込み需要は少なそうですが、前回の増税時同様、家電、インテリア、パソコンをはじめとする高単価商品、コスメティック、コンタクトレンズ、ペット用品などの日用消耗品の売れ行きが活発になってきているようです。これらの商品の駆け込み需要は増税前には必ずと言って発生するもので、今回に関しても想定内の動きと言えるでしょう。
キャッシュレス消費者還元事業の影響
今回の増税は消費税増税のタイミングと同時に現金決済を除くキャッシュレス決済(クレジットカード、電子マネー、QRコード決済など)の場合、決済金額の5%をポイントで還元される施策(ポイント分は国が負担)が実施されます。従いまして、消費者は増税前より増税後の方が実質、商品を安く購入することができる場合があります。
キャッシュレス消費者還元事業は、国が定める条件を満たす中小企業、もしくは個人事業主が対象で、大手企業は対象外となります。従いまして、品揃えが豊富な大手量販なのでは対象外となりますので注意が必要です。
ネット通販を営むショップの多くは中小企業に当てはまるため、商品によっては常に5%のポイントが還元されることになり、増税後もそれほど大きな影響を受けること無く順調に売上が推移することが予想されます。
今回は増税前と増税後と両方のトレンドが見込める?
この記事を執筆しているタイミング(2019年9月中旬)は駆け込み需要による特需が発生しており、大手ECモールの売上げも順調との噂を聞きます。主に売れている商品は上記で述べた通りですが、今回は商品によって軽減税率が適応されるにも関わらず、その基準がとても複雑であるが故に詳細が理解出来ていない消費者も多くいます。増税対象外の商品も勢いで売上が好調に推移しているようで、消費動向が上向きのタイミングでは、あらゆる商品が売れるようです。
増税後にキャッシュレス事業者還元事業により、消費者はよりお得に商品を購入することができるようになりますが、この事業そのものを知らないユーザーが多く存在することも事実です。増税後にこの特典をユーザーに周知させ、よりお得に購入できるということを、いかに啓蒙できるか?が増税後の売上げアップ施策として最大のミッションとなりそうです。
なお、先日、このフォーラムでも取り上げましたが、キャッシュレス消費者還元事業に関しましては申請が必要です。楽天市場、Yahooショッピング、au Wowma、ポンパレモールなどの大手ECモールに加え、主要決済代行業者の多くがこの事業に参加しております。今一度、利用サービスがキャッシュレス消費者還元事業に対応しているかどうかを確認し、増税後の恩恵を最大限に受けられるよう準備を進めましょう!
参照)キャッシュレス・消費者還元事業
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