楽天市場の新決済サービス楽天ペイ(楽天市場店舗向けペイメントサービス)
楽天市場の出店店舗向け新決済サービス「楽天ペイ」が発表されました。このサービスは楽天市場に出店している全店舗を対象に2017年4月から順次導入されるサービスです。今回はこの楽天ペイの概要と主な施策、考えられるデメリットについて見ていきましょう。
楽天ペイ概要
楽天ペイとは、楽天市場に出店している店舗向けに導入される決済サービスのことです。現在はお店によって利用できる決済方法が異なっており、それをどの店舗においても同じ決済方法が利用できるよう、楽天市場が決済代行を行う事で決済方法の統一化を目指します。楽天ペイが導入された暁には、ユーザーはどの店舗で買い物する場合でも楽天市場共通の決済手段となる電子マネー決済(Edy、suicaなど)、金融機関決済(銀行振込、楽天口座決済など)、コンビニ決済、au簡単決済、楽天スーパーポイント決済、楽天キャッシュ決済の中から好みの決済方法を選ぶ事が可能となります。
これら共通決済の代行業務を楽天市場が請け負い、店舗側は楽天市場に対して手数料を支払うという仕組みです。
なお、代引決済、後払い決済、ショッピングクレジット、法人向け請求払いなどは共通の決済方法ではなく、あくまでも店舗様側任意の決済方法となります。
楽天ペイの主な施策
それでは楽天ペイ導入に際して、どのような施策が実施されるのかを見ていきます。
ユーザーが利用可能な決済手段の拡充、全店舗様統一化
楽天ペイは楽天市場に出店している全店舗を対象に導入されます。従いまして、楽天市場が共通とする決済手段は、どこの店舗でも利用する事が可能となります。ユーザーはお店を問わず、豊富な決済方法から好みの方法を選べるようになります。
入金サイクルの統一、短縮化
これまで決済手段毎に異なっていた振込のタイミングとサイクルが統一化されます。また、楽天市場の取引全体の中で最も高い決済方法であるクレジットカード決済の入金サイクルが10日間短縮されます。
不正注文検知機能の強化
不正注文のモニタリング機能を楽天市場側で強化します。また、海外からの不正注文や、不正と疑われやすいクレジットカード決済においては、より強固な認証手段として3Dセキュア/セキュリティーコード認証が導入されます。なりすましによる詐欺注文のリスクが最小限に抑えられる事が期待されます。
チャージバック補償制度の強化
クレジットカード所有者が利用した覚えのない請求に対しては、カード会社に申し立てを行うと請求を取り消しできるチャージバック。回収できなかった代金は店舗側が負担しなければいけません。ユーザーにとっては安心ですが、高額商品を販売する店舗にとっては非常にリスクが高い制度と言えます。
これまでチャージバックによる損失を回避するためには、別途、保険に加入する必要がありました。しかし、今後導入されると楽天ペイでは一定額までのチャージバック補償が無料で付帯します。利用条件と限度額は以下をご参照ください。
決済関連業務の代行
全店共通の各決済手段に関して、決済関連業務(ユーザーへの入金依頼処理、入金確認業務、返金対応業務など)を楽天市場が代行しれくれます。これまで店舗様側が担っていたこれらの業務の負担を減らす事でオペレーション作業の軽減が期待できます。
契約事業者単位での入金額と請求額の相殺機能
これまで店舗毎に毎月入金していた出店手数料を、楽天市場が決済代行を行なった商品代金の中から自動的に差し引く機能です。手数料を差し引いた残金を売り上げとして支払われるので、店舗は楽天市場への手数料支払いを手続きを行う手間が省けます。
楽天ペイの料金プラン
楽天ペイでは決済方法毎に異なっていた手数料が見直され、統一の料金テーブルが採用されます。また、R-Card Plusの月額費用、データ処理及びキャンセル処理料は廃止されます。
なお、決済手数料の料率については、月間決済高と平均決済単価によって異なります。詳細が下記をご参照ください。
一見、便利そうな機能だがデメリットもある!
楽天ペイは店舗にとって便利な機能が多く含まれていますが、その反面、デメリットもあります。最大のデメリットは「決済手数料が高くなる可能性がある」ということです。例えば、クレジットカード決済手数料は、現在、楽天カードが2.65%、その他のカードが3.6%です。現在、楽天市場では楽天カードの新規会員を積極的に獲得しているため、楽天市場で購入するユーザーの中で楽天カードを利用して決済する人が増えています。楽天カードを利用した場合と、その他のカードを利用した場合の決済手数料には0.95%の差があるため、現状では楽天カードの利用者数が増えれば増えるほど、店舗様にとってのカード決済手数料は下がる傾向にあります。
ところが、楽天ペイが導入された後は決済手数は月間決済高と平均決済単価によって決まってきます。これらの金額が低くくなるほど決済手数料の料率が高くなるため、客単価の低い商品を多数販売している店舗にとっては、今よりも手数料が上がってしまう可能性が出てきます。
また、これまでの銀行振込が金融期間決済として共通決済手段に統合されるため、銀行振込で購入されたユーザーの売上高にも所定の手数料が掛かってきます。例えば、楽天ペイの料率が3%で、10万円の商品を購入した顧客がいた場合、3千円の手数料が掛かることになります。
さらに、店舗側で任意の代引決済や後払い決済などにも料金テーブルに基づいた利用料が請求されます。下記図、利用料ご請求の欄をご参照ください。
試算はしっかり!不明な点は担当ECCに確認
売上金額や決済単価など、複雑な要素が絡み合って決定される楽天ペイの料率。正確な金額を試算することは難しいかもしれませんが、不明な点は担当ECCに確認するなどして、おおよそ、どれぐらい手数料が下がるのか?もしくは上がるのか?を事前に把握しておきましょう。
なお、現在発表されている楽天ペイのサービス内容は、導入前に予告なく変更される場合もありますので、定期的に楽天市場から配信されるサポートニュースには目を通しておきましょう!
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