【2021年7月発表】2020年EC市場規模・EC化率の分析と解説。メーカー企業が今後とるべき戦略
2021年7月30日に経済産業省が最新の2020年度EC市場調査の結果を発表しました。
市場規模は12兆2333億円。EC化率8.08%。2019年対比21.71%の伸びでした。
大体毎年10%程度の伸びを示していたので、約2倍の伸び率だったことになります。
この結果をどう捉えるか?
120%成長は劇的ではなく少し後押しされた結果
メディアでは盛んにECのことが取り上げられていましたが、この120%という数字はこれまで常に110%で伸びていたEC市場の現状を鑑みると、そこまで劇的な数字には見えません。
寧ろイメージとしては、ずっと堅調に伸びていたものがコロナの影響で多少後押しされた。と見る方が適していると思います。
EC化率については、世界では2020年度で18%です。これを見ると日本の8.08%というのは低い数字。
日本人は何らかの原因で、元々ECでは物を買いたがらないわけです。要するに各国に比べて、EC以外の購入先への信頼が高いということだと思います。
それがコロナの影響で強制的にECを使わざるを得なくなり。「思ったより使い勝手良いじゃん。」=消費者のECへの信頼が高くなった。という状況だと考えられます。
新規参入者に気を付けながら焦らず戦略を組み立てる
戦略を立てる側からすれば、特に変わらず。焦る必要はありません。コロナでECへの後押しはされたが、今後も今までと変わらず市場は堅調な伸びが予想される。寧ろメディアの影響で新規参入者は増えるので、その点を踏まえて戦略を組み立てれば良いです。
プレイヤーが増えるのでポジショニングが多少変化するはず。しかし先行者としてのメリットは必ずあるので、それを失わないように。
120%を下回った企業はシェアを奪われている
一方、2020年度、昨年対比120%を超えていない企業は要注意です。競合にシェアを奪われていることになります。
その場合は根本的な問題があると思います。特にコロナ需要に乗り遅れたというよりも、根本的に商品戦略のPDCAが回っていない状況の中で、周りが120%伸びたので、課題が浮き彫りになった格好だと思います。
消費者は生活必需品をECで買うようになった
また、ジャンル別に見ていくと、食品、飲料、酒類:21.13%成長。化粧品、医薬品:17.79%成長。生活雑貨、家具、インテリア:22.35%成長。衣類、・服装雑貨:16.25%ということで、食品や生活雑貨等、生活必需品の販売がより顕著にリアル店舗での購入からECでの購入にシフトしたと言えるでしょう。
結局販路というものは時代に沿って、消費者の行動に合わせて切り替えていく必要があります。
江戸時代の呉服店から始まり、百貨店→スーパー→コンビニ→ドラックストア→ECと消費者の行動が切り替わってきています。
メーカー企業としても同じように販路の比重を切り替えていきましょう。
今後メーカー企業がEC販路においてとるべき戦略
では、以上の取りまとめとして、メーカー企業が今後EC販路においてとるべき戦略を記述します。
まずは消費者の動向に合わせてEC販路の比重を増やすこと。すなわち投資をするということです。
そして焦らないことです。今まで110%で伸びていたのがコロナで消費者が強制的にネット決済を迫られ、120%と加速した程度です。今後はまた110%程度の伸びが続くと思われます。今まで通りです。焦る必要はありません。
次にメディアの影響、他販路の落ち込みにより、ECへの新規参入者が増える点です。ここが最重要ポイントだと思います。新規参入者が増えることにより自社のポジショニングが変わるので、戦略をアジャストする必要があります。
一方先行者としてのメリットがあるので、そこを失わないようポジショニングをしていく必要があります。
全国的な視点で差別化した商品戦略を
これは弊社のクライアントは元々意識しているので問題ないですが、ECへの新規参入者が増えることにより、全国的な競争になります。すなわち全国的に見て商品に差別化要因がないと勝つのが難しくなります。
例えば商品は一般的だけど、長崎県という商圏を押さえているので勝てていた、という企業はECでは勝てなくなります。
全国的に見て差別化要因を考え、商品戦略を組み立てていく必要があります。
3C分析とSNS
そのためには3C分析とSNS…
と書いていくことが延々とあるのですが、長くなり過ぎそうなので、今日はこの辺で。
記事にご不明点等ありましたら、お気軽にご連絡ください。
株式会社ネットショップスタジオ
代表取締役 桑田晋一
Know-how
Ranking
Download