楽天SOY2018受賞店舗に見る楽天市場の傾向

Date:2019.01.31

2018年1月29日に楽天ショップ・オブ・ザイヤー(以下SOY)2018年受賞店舗が発表されました。ここ数年で受賞店舗は大幅に入れ替わっており、楽天市場のトレンドも大きく変化してきています。

今回は2018年のSOY受賞店舗から今の楽天市場の傾向について見てみましょう。

 

2018年総合賞受賞店舗

まずは、今年SOYを受賞した上位10店舗をみてみましょう。

2018年総合賞受賞上位10店舗

グランプリ:ヒマラヤ楽天市場店
総合2位:タンスのゲン
総合3位:くらしのeショップ
総合4位:オシャレウォーカー
総合5位:A-PRICE楽天市場店
総合6位:モダンデコ
総合7位:Alpen楽天市場店@アルペン
総合8位:Z-CRAFT楽天市場店
総合9位:レンズプレミアム
総合10位:サプリ専門SHOP シードコムス

昨年グランプリだったレディースファッションのsoulberryが圏外となり、今年はスポーツ量販店のヒマラヤ楽天市場店が総合グランプリを獲得しました。また、同じスポーツ量販店のAlpenが総合7位にランクインしています。一昨年(2016年)までは総合賞の常連店舗として家電量販のJoshin、エディオン、ビッグカメラなどが名を連ねていましたが、昨年からランクインしなくなり、今年も上位10位にはその名前はありませんでした。

一方、タンスのゲン、くらしのeショップ、オシャレウォーカー、モダンデコは昨年も上位10店舗にランクインしており、売上は好調に伸びているようです。また、レンズプレミアム、シードコムスは昨年圏外からTOP10入りを果たしており、売上を大きく伸ばしたと推測できます。

 

受賞店舗から見るトレンドの移り変わり

SOYの受賞条件として、昨年対比で売上げがプラス成長している必要があります。たとえ売上げがジャンルトップだとしても、昨年対比で成長していなければ選考から外れてしまいます。

2016年までは家電量販店が総合上位を賑わしていましたが、去年と今年はランクインしていないことから判断すると家電業界全体の成長が鈍化していると予測されます。

一方、今年上位10店舗に入ったスポーツ大手量販店のヒマラヤとAlpenは、リアル店舗での苦戦を背景にECで売上げを分散(新規マーケットの開拓および流通の確保)しているよう思えます。また、2018年より立て続けに発生した地震、台風、水害の影響でリアル店の売上が軒並み苦戦したこともECへシフトする切っ掛けとなったと思われます。

 

2018受賞店舗に見る楽天市場の傾向

ジャンルによりますが、複数のリアル店舗を運営する大手量販が、その仕入れ力、価格競争力を武器に楽天市場で思い切った戦略を繰り返し打ち出し、激しい価格競争が生まれました。とくに型番商品を扱う店舗にとっては利益確保が非常に厳しい年となりました。

しかしながら、家電業界の例をみると分かるように、その勢いも未来永劫続くとは限りません。

2019年後半は消費税増税による特需が見込めます。通常時よりも消費が高まると、価格競争について行かなくとも、売れ筋商品の安定供給や商品の見せ方を工夫することで、しっかりと利益を確保ながら売上を伸ばしていく方法も見えてきます。

価格はユーザーにとって非常に魅力的な要素ではありますが、店舗が耐えられないギリギリのラインで安売りすることは店舗生命に関わる危険性があります。今年は市場の現状を冷静に判断しながら、売上第一主義に走らない健全な店舗運営を目指す機会にして頂きたいと思います。

 

2019年SOY受賞店舗予測

2019年は既存パワーセラーの売上成長鈍化の影響で、SOY受賞店舗の入れ替わりが激しい年になりました。今年の各ジャンルの受賞店舗を見ると連続受賞している店舗の数は減っており、ジャンル賞全126店舗のうち、初受賞店舗の数は48店と全体の約30%を占めています。

しかしながら、上記で述べたとおり、2019年は10月に消費税増税が予定されているため、増税前の駆け込み需要により特需が起こると予想されます。特に家電、車や住宅関連商材、さらに水・米など消耗品のまとめ買いなど、ネットショップにとっては追い風が吹くタイミングになりそうです。そうなると、今年売上げが昨年対比を割ったせいで受賞できなかったパワーセラーが返り咲く可能性は高いと考えられます。

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