新春カンファレンス

Date:2018.02.01

2018年1月30日に東京で楽天新春カンファレンスが開催されました。今回はその会場で発表された楽天市場の今後の方針について見ていきましょう。

 

 

楽天のグローバル戦略

現在、楽天のグローバル流通総額は約13兆円。今後、更に流通総額を伸ばしていく上で、グローバル戦略は不可欠!日本国内にとどまらず、世界戦略を視野に入れブランドロゴをアルファベット表記に一新。FCバルセロナ、NBAチームとのスポンサー契約など、世界的にRakutenブランドの認知を高められるよう引き続きプロモーションを行っていく。

 

 

楽天経済圏の拡大

世界中でキャッシュレス化が進んでいる。例えば中国では日常の購買行動の中で現金が使われる機会が減ってきている。キャッシュレス化に関しては、中国と比較すると日本は10年以上も遅れている。楽天グループでは楽天ポイント、楽天ペイ(店頭で簡単にカード決済ができる仕組み)の更なる普及を目指し、日本でのキャッシュレス化を積極的に推進していく。さらに、携帯キャリア事業への新規参入、ウォルマートと業務提携などを軸に楽天市場の全てのグループサービスを集結して楽天経済圏の拡大を目指す。

 

楽天経済圏の拡大に向けての主な施策

1.楽天ポイントを軸に経済圏の拡大を目指す。例)ポイントで投資信託の買い付けが可能に!

2.楽天ペイの2016年時点での流通総額は約2,275億円。楽天ペイの導入を加速させ、リアル店舗での楽天ユーザーの利便性向上、楽天ポイントが利用できるリアル店舗の拡大を目指す。

3.第四の携帯キャリアを新たに立ち上げる。通話料金を楽天ポイントで支払いが可能。(楽天モバイルではすでに楽天ポイントで支払いが可能。第四のキャリアを立ち上げた暁には、楽天ポイントの利便性を更にアピールしていく?)

4.楽天カードの請求金額を楽天ポイントで支払いが可能になる。

5.ウォルマート(西友)との業務提携により、日用品の買い物をもっと便利にしていく(楽天IDとの連携により利便性向上を目指す)

ワンペイによる決済方法の統一化

現在、一部の店舗にしか導入されていないRペイ(楽天市場での新しい決済サービス)導入の更なる拡大を目指す。現在、楽天市場に出店している店舗の決済方法は店舗ごとにバラバラ。すべての店舗において共通の決済方法を共有することで機会ロスを防ぎ、転換率の向上を目指す。また、統一化された決済プラットフォームの導入により、店舗運営の簡素化、入金サイクルの短縮、不正注文対策など、出店店舗の作業効率向上に取り組んでいく。

 

 

チャット機能の拡大

ユーザーとの新たなコミュニケーションツールとして「チャット機能」の拡大を推進。現在、一部の店舗にしか導入されていないチャット機能を全店舗に拡大。すでに導入している店舗ではチャット機能を活用することで転換率が向上したなど、良い結果が出ている。さらに、AIを活用することでユーザーからの問い合わせ内容をデータベース化し、問い合わせに対する対応作業の一部自動化を目指す。

 

 

ビッグデータを活用した広告精度の向上

現在、楽天の会員数は約9,300万人。楽天市場をはじめ、グループ全体のサービスの利用傾向に基づいたアプローチをすることで、かなり質が高い広告を提供できると予測。まずは楽天市場内でCPC広告の精度を高め費用対効果の改善を目指す。

 

 

デリバリー戦略

コンビニ、郵便局、自前宅配Boxの配置強化、物流拠点の拡大(現在は日本全国に3カ所だが、10カ所に拡大することを目指す)、AIを活用した最適な配送ネットワーク&システムの構築など、楽天物流を軸に配送のクオリティを高め、二年以内にECに特化した配送ネットワークの構築を目指す。また、ウォルマート(西友)との業務提携により、日用品配送のネットワーク拡大に取り組む。

 

 

SNS戦略

インスタグラム、Facebook、LINEなど、最近ではSNSを切っ掛けにインターネットで商品を購入するユーザーが急増している。この現状を踏まえ、SNSへのとの連携を高めるサービス「R-SNS」をリリース。楽天市場に申請を行うことで外部SNSのリンクを貼ることが可能になる。

 

 

 

以上が新春カンファレンスで発表された主な内容ですが、自慢の「経済圏」をフル活用し、独自路線で流通総額アップを目指す点においてはYahoo!ショッピング、Amazonとはまた違った方向性と言えます。どのような結果になるのか?楽天市場の今後の動向が楽しみです。

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