楽天市場でのアクセス人数定義変更
今年に入ってから楽天市場の「アクセス人数の定義」が変更になりました。アクセス人数とは「ページを閲覧した人数」の事で、その定義が変わることによって販売戦略を考える時の指標も変わってきます。どのように定義変更されたのか?どんな点に気をつけて販売戦略を考えて行くべきなのかを考えてみましょう。
定義変更の内容
楽天市場のRMS(管理画面)のFAQで調べると、従来のアクセス人数の定義と現在とでは以下のように異なります。
Q.アクセス分析(従来版)のアクセス人数は何をもとに数えているのか?
従来は、、、
A.アクセス人数はcookie情報をもとに数えています。その為、一台のPCを二人で使って同じページにアクセスした場合、アクセス人数は「1」とカウントされてしまいます。
現在は、、、
A.商品ページを訪問したアクセス人数(人)です。ページ訪問開始から30分以内の訪問を1とカウントしています。ページ離脱から30分以上経過して再訪問した場合には、アクセス人数は新たに1とカウントされます。
これまでcookie情報(パソコンの記憶されている情報)が同じであれば「1」とカウントされていたアクセス人数が、30分という時間を境に新たに「1」とカントされるようになりました。この事によりアクセス人数の数値が大きく変わってきます。
定義変更による重要指数の変化
今回のアクセス人数定義変更により、従来よりもアクセス人数が多めに表示されるようになりました。これまで同一cookieのパソコンやスマホなどからアクセスした場合に「1」とカウントされていたことに対して、30分以上経過すると例え同じ端末からアクセスしたとしても「1」とカウントされるようになりました。従いまして、これまでよりもアクセス人数が多く表示されるのは当然と言えます。
さらに、アクセス人数が多めに表示されることで、転換率が低く表示される傾向が強くなります。転換率とは、アクセス人数に対して実際に商品を購入した人の比率を表すもので、アクセス人数が増加しても注文件数が増えないとしたならば、転換率は低く表示されます。以前と比較して転換率が低くなったと悩んでいる人もいるかもしれませんが、その背景にはアクセス人数をカウントする定義が変更になった事が一つの要因であると認識してください。
何を指標に販売戦略を考えるか?
アクセス人数の定義が変更になった事で、変更前のデータが比較対象にならなくなってしまいました。従いまして、販売戦略を考える場合には、当面はアクセス人数と転換率を基準に考える事は困難と言えます。それでは、何を指標に販売戦略を考えて行けば良いのでしょうか?それはズバリ商品毎の「販売個数」と「売上金額」です。この2つの数値がどのように推移しているか?を基準に考えてください。
販売個数と売上金額は、どんな仕様変更があったとしても「不動の指標」で、売上を形成するベースとなる数値です。例えば、広告を活用することで販売個数がどう変動するか?また、その影響で売上がどう推移するか?商品別の販売構成比率はどう変わったか?を基準に戦略を考えていきましょう。
楽天市場では売上の公式として「アクセス人数×転換率×客単価」とありますが、アクセス人数の定義が変わり、その影響で転換率も変わってくると、この公式の考え方自体も違った視点から見つめ直す必要があります。
そもそもアクセス人数とは何なのか?
この基準はプラットフォーマーが定める定義によって大きく異なることを認識しながら、その数値の増減に一喜一憂しない販売戦略を考えていきたいですね。
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