日本三大モールの現状(2023年10月版)

Date:2023.10.22
目次

※楽天市場の現状
※Amazonの現状
※Yahoo!ショッピングの現状
※今後の販売戦略は?

コロナ感染拡大と混乱長期化の影響で、EC業界は大きく変化しました。実店舗で自由に買い物が出来ない状況が長らく続いた反動で特需が発生し、直近3年間ほど好調に推移してきたEC業界ですが、今年に入ってから成長が鈍化してきた店舗が増えてきました。コロナ禍ではリアルの市場が単純にECにシフトしてきただけで、特に画期的な販売戦略を実施しなくともオーガニック状態でも売上が伸ばせる恵まれた状況でした。

 

 

それが今年に入ってから徐々に世の中の状況が通常化するにつれ、売上を伸ばす事が難しくなってきました。本来のお店自体のサービスを磨き続け、真の魅力を身に付けないと、簡単には成長することが出来ない時代に突入してきています。

 

 

消費者に支持してもらえるよう、お店の魅力を強化することが前提にはなりますが、販売チャネル毎の状況と方向性を把握しておかなければ、効率良く売上を伸ばしていくことはできません。時間やコストなど、同じリソースを割いたとしても、現状を把握できているか否かでは生産性が大きく異なってきます。

 

 

今、EC業界ではどんな事が起こっているのでしょうか?今回は日本大手3大モール(楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング)の現状について見ていきましょう。

 

 

※楽天市場の現状

楽天市場全体の流通総額は好調に推移しているように見えますが、直販部門の楽天24、ふるさと納税、その他サービスなどの売上も流通総額に含まれています。そのため、純粋に出店店舗だけの売上がどうなっているかが見えにくいですが、今年の春以降、全体的に成長が鈍化しています。コロナウィルスが5類に分類された事によって人々の警戒心は希薄化し、外出する機会が増え、結果、ネットショップで買い物するための予算がシュリンクされてきました。また2023年10月1日からの返礼品率見直しの影響で、直近では、ふるさと納税に割かれる予算が増え、全体的にECは苦戦しました。

 

 

さらに、楽天市場ではモバイル事業への投資が嵩んでおり、顧客獲得のためのプロモーション予算を削減せざるを得ないという状況に見舞われていると推測できます。実際に、お買い物マラソンの開始スケジュールがこれまでと変更になったり、店舗負担での外部からのユーザー獲得広告メニューが出てきたりと、これまでとは違った動きが出てきていることから判断すると、今までと同じ販売戦略の延長線上には売上の成長は見込めないと言え流でしょう。

 

 

幅広いサービスで楽天ポイントを利用できる「ポイント経済圏」に魅力を感じるユーザーは依然として多く存在しますが、新規購入者の純増は直近では見込めないため、競合他店の既存客をいかに自分のお店へ取り込んでいくかが、成長のカギとなります。

 

 

 

※Amazonの現状

Amaaonでは定期的にタイムセールを開催しており、その開催頻度が年々増えてきています。ポイント還元率よりも、直接、販売価格が安い方を好むユーザーにとっては魅力的なマーケットであり、着実にリピート客を囲い込んでいます。さらに、配送品質の高さも消費者に支持される大きな魅力の一つです。商品により異なりますが、365日翌日配送に対応しているPrime対象商品は、価格よりも翌日に商品が届く事に重きを置く消費者から圧倒的な支持を得ています。

 

 

安さと配送品質を武器に、熱狂的なファンを囲い込んでいるAmazonですが、直近の流通額は苦戦気味と推測します。ここ直近の消費者の動向は、ふるさと納税へ意識が向いており、ふるさと納税自体に取り組んでいないAmazonで買い物する人が減少したことが、流通減少の主な理由として挙げられます。その状況を打破しようと、10月14日、15日に開催されたPrime感謝祭では、テレビCM、インターネット広告など、積極的に資金を投入して露出を強化し、結果、大幅に売上を伸ばす店舗が増えました。

 

 

今後、年末に開催が予定されているBlack Fridayセールなど、豊富な資金力を武器に広告を活用した露出を増やすことで、多くのユーザーの囲い込む事が予測されます。売れ筋商品については、最低でも適正在庫の一ヶ月分、できれば1.5ヶ月分の在庫を積み上げて、販売機会ロスを起こさないよう、在庫確保に注力しましょう。

 

 

 

※Yahoo!ショッピングの現状

今年に入って以降、Yahoo!ショッピングの流通は全体的に苦戦しています。理由としては、PayPay関連のイベントメリットが大幅に減少した事と、LINEとの統合により組織の見直しが行われ、社内の環境整備に意識が向いていたため販売戦略への取り組みが後回しになってしまった事が挙げられます。

 

 

未だに売り場は検索至上主義が強く、アイテムマッチやPRオプション、さらに倍々ストアへの参加などで売上を確保することは可能ですが、売上を確保するためのコストが掛かりすぎる事が最大のネックです。今後、LINEとのサービス統合で、どれだけ魅力のあるプロモーションを消費者へ提案できるかが気になるところではありますが、流通増加へ向けての販売戦略が明らかになるまでは、少しの期間は様子を伺った方が良いと言えるでしょう。

 

 

※今後の販売戦略は?

大手3大モールの現状について見てきましたが、上記各モールの現状を踏まえた上で、弊社が独断で売上を伸ばしやすいモールの順番を付けると、Amazon>楽天市場>Yahoo!ショッピングの順になります。もちろん、販売する商品により異なりますが、リソースに対して見込める売上に関しては、積極的に広告を活用できるAmazonが頭ひとつ出ていると考えます。

 

 

ただし、現状で商品の出品状況、在庫の確保、外部物流との連携など、アクセスさえ確保できれば売上が伸ばせる準備がどの程度、整っているかによって発揮できるパフォーマンスが大きく異なります。各出店モールの出店状況を確認の上、年末商戦までに準備をしっかりと整えておきましょう。

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