新型コロナウィルスによるEC業界の変化

Date:2020.04.15

新型コロナウィルスの拡大に伴い、EC業界のトレンドも大きく変わってきています。外出自粛の要請が高まる中、外出してリアルショップへ買い物に行くユーザーが激減し、その反面、ネットショップで商品を購入するユーザーが増えています。その結果、一部の特定ジャンルを除いて全般的にECは好調に推移しています。

今のご時世、どんなジャンルの商品が売れているのでしょうか?そして、人気の理由は何なのか?直近のトレンドから消費者の行動を分析してみましょう。

 

主な好調ジャンル

現在、ネット販売で好調に推移している主な商品は以下の通りです。

・食品、ミネラルウォーター、保存食、キッチン用品
・コーヒー、紅茶
・おもちゃ、ゲーム、タブレット、メディアストリーミング端末
・美容品、トレーニング用品
・インテリア、家具

 

何故これらの商品が売れているのでしょうか?その理由を見ていきましょう。

食品、ミネラルウォーター、キッチン用品

コロナショックが長期化することを予測し、長期保存が可能なレトルト食品、乾麺、ミネラルウォーターを備蓄しようとする人が増えていおり、利便性が高いネット販売に注文が集中しているようです。また、外食する機会が減り、家で食事する人が増えたため、料理に必要なフライパン、鍋などが売れています。

コーヒー、紅茶

外食のみならず、カフェへ出かけてお茶を飲むユーザーも減っています。その影響で、家でティータイムを楽しむ人が増えており、コーヒーや紅茶の売上げが伸びています。

おもちゃ、ゲーム、タブレット、メディアストリーミング端末

大人のみならず、子供も自由に学校へ通うことができず、家で時間を持て余しています。家で楽しく過ごすためのおもちゃやゲーム、ネットを家中どこでも気軽に楽しめるタブレット、そして、動画をテレビで簡単に楽しめるGoogle Chrome Cast、Amazon Fire TVなどのメディアストリーミング端末が人気です。

美容品、トレーニング用品

いつ何時でも女性にとって美容への意識は欠かせません。その影響で、保湿クリーム、アロマオイルなど、美容消耗品の売れ行きも好調のようです。また、家にいる時間が長くなることで、加湿器や空気清浄機、さらに運動不足を家の中で解消できるトレーニング用品もよく売れています。

インテリア

家で家族と過ごす時間が長くなっているため、少しでも家族との時間を快適に過ごしたいという理由から座卓、座椅子などのインテリアが売れています。

以上、主な売上げ好調な商品を挙げてみましたが、共通点としては家での時間をより快適に過ごすための商品に人気が集中しています。また、時流がらマスクや消毒液も需要に対して供給が全く追いついておらず、ECモールのランキングでも上位を独占する状態が続いています。

 

主な不調ジャンル

筆者が色々と情報を収集する中で、唯一苦戦しているジャンルがファッションです。外出する機会が減っているため、新しく洋服を買う需要が大幅に減っていることが主な原因と言えます。また、新型コロナウィルスの影響で商品の生産がストップしてしまい、思うように商品を仕入れることができないという事情もあるようです。

一方、ファッションジャンルの中で好調な商品としては部屋着や下着が挙げられます。部屋着は単純に家にいる時間が増えたことで需要が高まっているようです。下着に関しては衣料ではありますが、必需品や消耗品の部類に入るようで、あまり影響を受けていないようです。さらに閉店しているリアルショップが多いことから、ネットショップで買い物するユーザーが増えています。

 

今後、ECトレンドはどのように推移する?

新型コロナ騒動が落ち着くまでには、かなりの時間が掛かることが予測されます。その事を前提に考えると、今の状況もしばらく続くと考えられます。そこで問題になってくることが「在庫の確保」です。需要は高まりつつも、販売する商品が無ければ売上を確保することはできません。しかしながら、特需だけが理由で伸びている商品もあり、今は儲かったとしても、いずれは価格競争へと突入してしまう危険性が伴う商品もあります。マスクなどがその典型的な例で、今は数が少なく高値で取引されていますが、中国をはじめとする海外製品の流通量が一気に増えると、市場は一瞬にして飽和状態になってしまいます。そういったリスクも視野に入れ、本業とは全く関係ない商品の販売に手を伸ばす場合は、深追いしないように注意しましょう。

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