売れ筋商品の寿命を考える
※販売推移から異変を察知する
※売れなくなった理由を考える(潜在ニーズ有無の確認)
※常に新しい商品で売り上げの軸を作る事を考える
※顧客属性を軸に新規取扱商品を考える
※常に新しい商品の取り扱いを検討する事が小売業の宿命
ショップの中で、少なくとも売れ筋商品というものが存在します。売れ筋商品とは、店舗の売上構成比の中で取り分け大きな割合を占めている商品です。取扱商品の全てがバランス良く売れる事は稀で、必ず売れない商品と売れる商品(売れ筋商品)が存在します。
売れ筋商品の構成比を伸ばす事を優先する事で、店舗全体の売上は伸ばしやすくなりまずが、同じ商品が長年に渡って売れ続ける事は少なく、必ず寿命が尽きます。時代の流れに応じて消費者のニーズは変化していきますので、その変化に応じて売れる商品が変わっていくのは世の常です。
店舗全体の売上を考える上で、売れ筋商品の販売推移を常に意識する必要があり、その変化に応じた販売戦略を実践しなければ、売上は短期間で大きく減少してしまいます。今回は、「商品の寿命」と題しまして、その見極め方を考えてみましょう。
※販売推移から異変を察知する
まず最初に、販売推移から異変を察知する方法についてお伝えしていきます。異変に気付くためには、決まった方法で定期的に商品の販売数と売上を確認する必要があります。加えて、その商品のお店全体の売上構成比が何パーセントか?またどのように推移しているかを月毎にまとめていかなければなりません。
特定の売れ筋商品の構成比が低くなっている場合、全体の売上も下がってしまう傾向があります。一方、売れ筋商品の構成比が下がっているにも関わらず、全体の売上が伸びている場合は、他の商品の売れ行きが好調なため、全体の売上を押し上げてると言えます。
いずれにせよ、店舗全体の売上を伸ばす事を考えると、売上構成比を確認しながら現状を見極め、どの商品を前面に出していくかを考える必要があります。中でも売れ筋商品の販売推移に着目して、どのように売上を維持、もしくは、伸ばしていくかを考えることは、最優先事項と言えます。なぜなら、売れない商品を売れるようにするよりも、売れている商品をもっと売る方が簡単だからです。
売れ筋商品の販売推移を分析する上で、まず最初に昨年同月対比で販売個数の比較をします。ついで、先月対比で販売個数の推移を比較します。コロナの影響で昨年対比データがあてにならない商品もありますが、一つの指標として参考にしましょう。また、先月対比での比較は、販売個数が増えて時、もしくは、減少した時に、どのタイミングから、何がきっかけで販売数が変化したかを、いち早く察知するためですので、定期的に観察するようにしましょう。このように、異変が起きた場合に、少しでも早くその傾向を察知できるよう、日々、売れ筋商品の販売推移には注目しておきましょう。
※売れなくなった理由を考える(潜在ニーズ有無の確認)
商品が急に売れなくなった場合、必ずその背景には理由が存在します。その理由を的確に把握しなければ、まだ売れる余地のある商品の寿命を自ら縮めてしまいます。突然売れなくなった理由として考えられる事は、競合他社との競争の激化が考えられます。「取り扱い店舗が増えて価格競争が激化した。」「広告を活用して他店が露出を増やした結果、ユーザーがそちら側に流れた」などの場合は、競合他社と同じ条件で商品を販売するなどの戦略を検討する必要があるかもしれません。競合他社の影響で商品が売れなくなった場合、ランキングを見ると今の状況が把握しやすいです。顧客ニーズがシュリンクした訳でなく、他社にユーザーを取られている場合は、より良い条件で商品を販売しているお店が自分のお店よりもランキングの上位を占めます。その場合は、競合他社の戦略に対して、どのように対抗するかを考え、自店の売上回復を目指しましょう。
一方、トレンドの変化により売上が減少しているとしたならば、他の商品で新たな売上の軸を育てる事を考える必要があります。その商品の寿命自体が短くなっているか否かは、商品を登録しているカテゴリの一つ上の階層でのランキングがどのように変化しているかを確認しましょう。一つ上の階層のランキングにおいて、これまでよりも売れ筋商品の順位が下がってきているとしたならば、その商品自体のニーズが下がっている事が考えられます。もしくは、担当ECCにマーケット全体の市場の推移について確認するのも良いかもしれません。売れ筋商品の売れ行きが減少してきた場合、その原因を特定する事で、改善の余地が見込めるのか否かをしっかりと判断し、誤った判断により自ら商品の寿命を縮めないように注意しましょう。
※常に新しい商品で売り上げの軸を作る事を考える
そもそも、売上構成比で特定の商品や、特定のカテゴリの構成比が高過ぎるのは大きなリスクをはらんでいます。もし、社会的な変化でその商品の供給が止まってしまえば、お店全体の売上は大きく減少してしまうからです。そんなリスクを常に意識し、全く別の新しい商品で売上の軸を作る事を考えましょう。その場合、全く既存取り扱い商品とは違う商品を扱う事は危険です。少なくとも、ある一定のルールに基づいた商品でなければなりません。その点につきまして次の章で触れておきます。
※顧客属性を軸に新規取扱商品を考える
新規商品の取り扱いを考える上で、既存取り扱い商品と全く親和性がない商品を取り扱うことはリスクでしかありません。基本的な考え方としては、「既存商品と関連性が高い商品である事」、もしくは「既存顧客層と親和性が高い商品である事」のいずれかの条件をクリアしている必要があります。これらの条件を満たした商品を既存売れ筋商品のページから動線を強化する事で、どれぐらいの販売数が獲得できるかをしっかりと検証してみましょう。こういった取り組みを日頃から行っていく事で、既存の売れ筋商品が売れたくなった場合にも素早く新たな商品軸を育てることができるのです。
※常に新しい商品の取り扱いを検討する事が小売業の宿命
ネットショップは小売業の中でも時代の最先端で、急激なトレンドの変化に大きく左右される業界です。その時々の顧客ニーズから求められる商品は、必ずと言っていいほど、まずはネットで商品を検索するユーザーが殆どです。また、売れると分かった途端から、競争が激化して、一瞬にして商品が売れなくなるのもネットショップの特徴です。そう考えると、常に新しい商品の取り扱いを考えておかなければならず、その取り組みを諦めてしまった時点で、ネットショップの運営は継続出来ないという厳しい現状に直面します。ネットショップである以上は、新しい商品の取り扱いに挑戦し続ける事が宿命である事を忘れないようにしましょう。
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