売り上げを伸ばし続けるために必要な思考(前編)

Date:2024.03.31
目次

※ECプラットフォームが導入するサービスはいち早く参加する
※継続できない手法は戦略ではない
※外注に頼る事を活用する

コロナ禍を経て、EC業界の流れは大きく変化しました。最近では、コロナ終息によるリアル店舗への回帰が進む中、コロナ特需による売り上げ成長も見込めなくなりました。オーガニックでの売り上げ成長が困難な昨今、どんなマインドでネット販売に取り組んでいけば良いのでしょうか?今回は、過去にご紹介した事例も含めて、今後も売り上げを伸ばし続けられるために必要な考え方を前編と後半に分けて、じっくりと見ていきたいと思います。

 

 

※他社が簡単に真似できない事を率先して実行する

競合他店との差別化を図るためには、他社がやっていない事、もしくは、やろうと思ってもできない事を実践しなければなりません。分かりやすい例で例えると、他社が扱えない商品を取り扱う、他社ができないサービスを実施する、他社には真似できない価格で商品を販売するなど、消費者に対して、他社よりも優れているメリットを全面に打ち出す必要があります。

 

 

他社が簡単に取り扱えない人気商品を販売する事ができると、自ずと消費者はそのお店を探すようになります。全商品翌日配送に対応すると、配送スピードを最優先で考えるユーザーは、リピートしてくれやすくなります。また、他社よりもダントツに安い価格で販売しても利益が残る仕組みができていると、圧倒的に価格競争が有利になる上、価格を重視するユーザーを効率よく取り込む事ができます。

 

 

このように、競合他社が簡単に真似できない魅力を纏うと、ユーザーからお店を探してくれるようになるのです。簡単に「出来ない」と判断するのではなく、どうすれば「出来る」かを積極的に考えていく事で、自店の新たなアドバンテージに繋がっていくのです。

 

 

 

※ECプラットフォームが導入するサービスはいち早く参加する

大手ECモールをはじめとするECプラットフォームは、常にユーザーからのニーズに耳を傾け、日々、サービスの向上に努めています。楽天市場が導入した3,980円以上送料無料ラインや、今後開始される365日翌日配送サービスが代表的な例で、ユーザーからの要望が高いサービスから順に、店舗に対して導入を推奨していきます。

 

 

大手ECプラットフォームは、日頃からユーザーの声に耳を傾けており、その声の多いサービスを実現しようと店舗へ協力を依頼します。そのような依頼があった場合は、迷わずいち早く参加した方が吉です。なぜなら、そのサービスを導入することで、売り上げアップに直結する可能性が高くなるからです。

 

 

店舗単位で新しいサービスを開始しても、ユーザーに浸透するまでには時間が掛かります。しかしながら、ECモール側がユーザーに対して新しいサービスの開始を告知することで、短時間でユーザーへの浸透が期待できます。そして、そのサービスを望んでいるユーザーは対応している店舗を優先的に探すため、対応店舗がまだ少ない状況下でいち早く対応する事で目立ち、先行者利益が得られます。結果、売り上げにも繋がりやすくなるというカラクリです。この仕組みを上手に利用しながら、売り上げ成長のきっかけを確実に掴んでいきましょう。

 

 

 

※継続できない手法は戦略ではない

常に他店よりも安い価格で商品を販売したり、ポイント還元率を常に高く設定したり、過剰サービスを継続し続けたりなど。。。継続し続けることで売り上げは確保できるけれども、確実に利益を圧迫し続ける手法は、長くは続きません。長く続かない販売手法は、販売戦略ではないのです。

 

 

思うように売り上げが伸びないと、このようなスパイラルに陥る危険性が高くなります。目先の売り上げばかりを、容易い方法で求め続ける事は、決して得策ではありません。そのジレンマに悩まされないためにも、キャッシュフローや利益の確保など、余裕のある店舗運営を心掛けることが重要です。

 

 

簡単に売り上げが確保できる手法は、誰でもすぐに真似をする事ができます。結果、競争に巻き込まれ易くなり、さらに競争が激化して自分の首を絞める事になります。

 

 

時として、長く継続しない販売手法を実施する店舗がいるのであれば、その店舗が自ら弱っていくまで粘り強く待つ事も肝心です。しっかりとした販売戦略が背景にあれば、一定期間、競争に付き合う事も良いですが、目的が不明瞭で、かつ、いつまで続けるかの期間が決まっていない状態が長く続くと、その手法に依存しなければ売り上げを確保する事が出来なくなるので、注意が必要です。

 

 

※外注に頼る事を活用する

新しいサービスの導入を検討する際、今の自社の環境では到底、対応が出来ないというケースも多々あります。特に、サービス強化のために人的リソースがたくさん必要になる場合は、特に注意が必要です。

 

 

例えば、翌日配送商品を増やしたり、対応できる日数を増やすなどの取り組みは、確実に今以上の人員が必要となるため、簡単には対応できません。その場合は、全て自社で対応する方法ではなく、外部物流を活用するなどの発想の転換が大切です。これまでの店舗運営の延長線上で考えると実現が難しい事でも、外部へ業務を振る事で実現できる事はたくさん見えてきます。「どうすれば、やりたい事が実現できるか?」を、今までの常識から判断するのではなく、いろんな方向へ意識を向ける事によって、新たな道が開ける場合がある事を理解しておきましょう。

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