コロナ禍のもう一つのプラス要因
コロナウィルスの影響に伴い日本経済全般的に大きな影響を受ける中、ECは非常に好調に推移しています。前回の記事で2020年5月中旬〜6月のトレンドを占ってみましたが、キャッシュレス消費者還元事業終了間際の駆け込み需要に加えて、6月以降の売上の推移にプラスの影響を与える要因がもう一つ出てきました。それは「特別定額給付金」です。では、どのような形でECに影響を与えるのでしょうか?その影響力について考えてみましょう。
順次給付が始まっている
「特別定額給付金」は新型コロナウィルスの影響に対する国の掲載政策で、申請した国民一人あたり10万円が支給される制度です。すでに給付は始まっており、国民の混乱を避けるため各地域毎に順次支給されていきます。この原稿を執筆している2020年6月中旬時点で、それだけの人々に普及されているかは不明ですが、確実に給付金を支給された人々が増えてきていると実感できます。なぜなら、その影響がEC業界にも及んで来ているからです。
高単価商品が好調に推移
Googleトレンドで検索調べて見ると、パソコン、エアコン、冷蔵庫、ゲーム機、家具などの高単価商品が昨年の同じタイミングと比較すると検索ボリュームが確実に増えています。もちろん、6月はボーナス需要が高まる時期ではありますが、コロナの影響が全く無かった昨年の6月と比較しても、これらの商品のトレンドが上がっているということは、給付金支給を狙った需要が高まっていると考えても間違いは無いと言えます。まして、コロナショックの影響で保守的になる人が多くなると思われる現状で、高単価の商品の検索件数が昨年同時期よりも増えているということは、給付金特需がしばらく続くと予測できるでしょう。
商品ニーズが上昇
高単価の商品のみならず、娯楽商品商品全般においてしばらく追い風が続くと考えられます。臨時収入が入った場合、旅行やレジャーにお金を使う人も多いと思いますが、コロナ禍ではさすがに外出を前提とした投資には引き続き消極的な人が多いと思われます。そうなると、商品を購入したいというニーズに消費者の意識が向くことは容易に推測できます。また、これからお中元需要が高まっていく中で、「今年はお中元を贈るのはやめておこうかな?」と考えていた人たちも、給付金を目当てに財布のひもが緩くなると考えられます。さらに、緊急事態宣言以降、実店舗で買い物をせず、ネット通販の利便性を実感したユーザーはリアル店舗での購買行動には簡単には元に戻ることはなく、引き続きECのトレンドが高い水準で維持していくことになるでしょう。実際に楽天市場やYahooショッピングなどの大手モールではお中元需要が昨年対比で二桁成長しており、この傾向はしばらく続くと思われます。
特需に依存しない販売戦略を考える
以上のようにコロナ禍でも売上が伸びる要因はいくつもありますが、この特需もいつかは落ち着きます。現状ではいつ落ち着くかは予測が難しいですが、引き続きネット販売を取り巻く環境は非常に流動的です。世の中の流れを敏感に感じながら、異変を感じたら直ぐに方向転換ができるような柔軟性は持っておく必要はあります。決して今のECの好調に依存すること無く、常に次の一手を考えながら販売計画を立てていきましょう!
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