これからの楽天市場の取り組み
2018年7月17日に東京で楽天EXPOが開催されました。今回からEXPOの開催は東京のみとなり、その他の地域では別途イベントが開催される予定となっています。
今回のEXPOでは今後の楽天市場の新たな取り組みが紹介されました。これからの楽天市場での店舗運営にも影響してきますので、今回はその取り組み内容についてみていきたいと思います。
「マーケティング改革」と「物流改革」
楽天市場の今後の取り組みとして柱となる改革は「マーケティング改革」と「物流改革」になります。
マーケティング改革は主に、、
1.チャット機能の導入
2.アフィリエイトフィーの変更
3.メールマーケティングの変革
物流改革は主に、、
1.ワンデリバリー構想
となります。
マーケティング改革
楽天市場ではこれまでにマスメディアを活用したマーケティング戦略を推進してきました。しかしながらユーザーへのアプローチ方法が多様化する中で、今後は個客を主眼においたマーケティング戦略を中心に推進していくそうです。
1.チャット機能の導入
すでにテスト的に一部の店舗さんに導入されていたチャット機能が、2018年9月より楽天市場に出店している全店舗に導入されます。導入済みの店舗さんでは転換率の向上などの効果が表れているため、全店舗への導入へと踏み切るようです。
料金は契約内容により異なり、スタンダードプラン、メガプランの場合は5,000円/月、それ以外は3,000円/月。もしくは1会話当たり10円の従量課金制となります。(1ユーザー/案件=10円)チャット機能は店舗の営業時間、もしくは都合により対応時間を自由に選択可能。リリース当初はPCのみの対応で、スマホの対応については現在検討中とのことです。
2.アフィリエイトフィーの変更(2019年2月から適応予定)
アフィリエイト機能の効率化を目指し、アフィリエイト料率の見直しが行われます。これまで全店舗1%(デフォルトの料率)だったのが、ジャンルにより変動料率に変更となります。導入時期は未定ですが、2%から最大8%でジャンルごとに振り分けれます。(例:食品、ファッション=8%、レジャー、スポーツ=4%、家電等=2%)
さらに現在はアフィリエイトリンクをユーザーがクリックしてから30日以内に購入した場合はフィーが発生していたが、将来的にはリンクをクリックしてから24時間以内に商品をカートに入れ、そこから89日以内に購入された場合にのみフィーが支払われる仕組みに変更となります。楽天市場の試算では店舗へのフィーの課金額は今より減るか、もしくは同等レベルと言われていますが、ジャンルによっては高い料率が設定されるため、実際に開始されてみないと何とも言えません。最近ではブックマークする代わりに商品をカートに入れるユーザーが増えているため、店舗が負担する費用は増加するのでは??っと、筆者は予想しています。
3.メールマーケティングの変革
R-Mail経由でのメール配信の仕組みが全ユーザーに配信する「全配信型」から、ユーザーごとにセグメントして配信する「シナリオメール型」へと移行します。
「シナリオメール」とは、購入から数日後に購入客に自動的にメールを配信したり、関連商材などをスケジュール的に配信するメールのことです。シナリオメールを配信した場合はクリック課金制となり、1クリック当たり100円のコストが掛かってきます。
ちなみにメルマガ配信に関しては、直近で配信料が改定され、これまで0.75円/通だったのが、1円/通と値上げになります。また、送客数が一定の基準を超えた場合に適応されていた割引制度は撤廃されます。1通あたりに配信コストは高くなりますが、利用されていないメールアドレスのクリーニングを強化するなど、配信リスト自体のクオリティーを高める取り込みも並行して行っていきます。
なお、従来のメルマガ配信は将来的には廃止される予定で、メッセージ形式の(R-Message)への移行を促していく予定だそうです。
物流改革(ワンデリバリー構想)
楽天市場で販売されている商品は、楽天が預かり、楽天の専用倉庫から発送する「ワンデリバリー構想」を掲げています。複数の店舗で購入した場合でも、ひとつの荷物にまとめて発送することが可能となり、かつ、荷物をまとめて楽天から発送することで店舗の送料負担を軽減しようということが狙いです。注文から配送までのデータとシステムをベースにしながら配送の効率化を目指すため、配送拠点となる物流センターの増加し物流網を強化してい予定です。なお、2020年を目途にすべての店舗の商品を楽天側が預かる準備をすすめていくそうです。
今回、楽天EXPOで発表された主な取り組みは以上の通りですが、EXPOに参加できなかった店舗さんも多数いらっしゃるとのことなので、7月末より書面にて案内が届くとのことです。詳細につきましてはそちらをご参照くださいませ。
その他、商品サムネイルに関するガイドラインも大きく変更となりますので、次回、特集で取り上げようと思います。
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