コロナ禍におけるトレンド前倒し需要

Date:2021.01.19

コロナウィルス拡大の影響により、ECへのユーザーニーズが日に日に高まっています。外出を敬遠するユーザーの消費がネットショップへ集中していることが主な理由で、大手ECプラットフォーマーの流通総額が昨年対比で軒並みプラスに転じていることから推測しても、日本のEC化率も間違いなく成長していると考えられます。

 

コロナウィルス拡大の影響により、リアル店舗での消費需要がECへ流れた事は容易に推測できますが、昨年の春頃から新たな傾向が出てきています。それは、「トレンドの前倒し需要」です。

 

日本では年間を通じて、短期間で消費が一気に高まる数々のイベントがあります。バレンタイン、ホワイトデー、母の日、父の日、お中元、敬老の日、クリスマス、お歳暮など、贈答用の需要が高まるタイミングでは多くのネットショップで通常よりも多くのユーザーが商品を購入します。さらに、夏と冬のボーナス支給のタイミングでも消費が一気に高まります。

 

昨今、そんな年間を通じて売上が伸びるイベントに対して、できるだけ早く商品を購入しようとする傾向が出てきています。なぜ、今になってこのような傾向が現れてきたのでしょうか?

 

【参考】

>リアル店のニーズを狙うEC戦略

 

在宅時間増加の影響

緊急事態宣言の発令により、在宅時間が増えた人が増加しています。家で過ごす時間が増えると、それに比例してネットへアクセスする時間も増加します。ネットへアクセスすることで情報を収集したり、動画を閲覧したり、ネットで買い物を楽しむ機会が今までと比較して大幅に増えています。仕事以外の用途でネットを使う人の目的の大半は、この3つの目的(情報収集、動画閲覧、ネットショッピング)が大半をしてると言っても過言ではありません。

 

特にEC業界においては、ユーザーはしっかりと商品を吟味する十分な時間に恵まれています。さらに、実店舗の営業時間短縮などの影響により、外出して買い物をする機会が減少しており、その需要がECへ集中しています。更に、贈答用商品を購入するタイミングで多くの人々が訪れる百貨店やショッピングモールも、営業時間や働く人員が制限されており、訪れたユーザーのニーズを十分に満たすことができません。それらの理由により実店舗で買い物することを諦め、最初からネットで買い物する人が増えているのではないかと思います。

 

ネットで商品を選ぶ時間が十分にある中で、豊富な品揃え、高いポイント還元率、速い配送など、ネットショップの強みは今のユーザーにとって魅力的に感じます。さらに、先行きが不透明な現状の中で「早めに何事も準備しておきたい!」というユーザー心理が芽生え、「ネットでの前倒し需要が発生しているのでは?」と、筆者は考えます。

 

 

 

ネットショップの利便性を感じるユーザーが増加

コロナウィルス拡大の影響で世の中が変化し始めてから、間もなく1年が経過しようとしています。この間、ネットで買い物をしたことが無い新規ユーザーの増加や、ネットで買い物をした経験はあるが、それほど購入頻度が多くなかったユーザーが、こぞってECへ流入してきています。昔と比べるとネットシップは随分と進化しており、お店に対する不安も、決済に関する不安も、配送スピードをはじめとする店舗サービスに関する不安も大きく改善されました。そんな状況の中で、ネットショップに不慣れなユーザーが実感していることは事は、「思っていたより安心で便利」ということでしょう。

 

ネットショップの進化により改めてその利便性を感じた人も多く、これまではリアルショップで購入することが多かったユーザーが、ネットショップユーザーとして定着しつつあるということが推測できます。これら新規ユーザーが既存ユーザーに上乗せされる形で増加していくと、トレンド前倒し需要の増加にも納得ができます。ネットに向き合う時間が十分にある既存ユーザーと新規ユーザーの増加が、全体的に前倒しトレンドを引き上げていると考えられます。

 

【参考】

>コロナ禍におけるトレンド前倒し需要

 

売上げアップのために店舗が取るべき行動

このような状況下でネットショップが売上を伸ばすために最も重要なことは何でしょうか?それは、ユーザーのトレンドに合わせて少しでも早く商品販売の準備を進めることです。例えば、この原稿を書いているタイミングは1月の中旬で、直近のイベントとしてバレンタインデーがあります。今年のバレンタインは、毎年恒例の百貨店での特設会場を設けての販売が見送られるのではないかと言われています。そのことを見越したユーザーは、すでにネットショップでチョコレートを買い漁っており、この流れはバレンタイン直前まで続くと予測されます。

 

このような状況下で、すでにチョコレートを万全な体制で販売している店舗と、まだ販売に着手できていない店舗との間では売上に大きな差が生まれます。商品の入荷がまだ先だったとしても、商品登録をいち早く行い販売を開始しているお店が、上手にトレンドの波に乗れているのです。直近を振り返ってみると、お歳暮や、おせち料理の販売に関してもトレンドが前倒しで訪れており、例年より早く商品が完売してしまったお店も少なくはありません。

 

このトレンドの前倒し傾向は、当面の間は続くと予測されます。少しでも早くユーザーのニーズに応えられるよう、早め早めの準備を心掛けるだけで、売上は大きく変わってくるのです。ユーザーの購買行動の変化にいち早く反応し、上手に売上を伸ばしていってください。

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