アマゾン+docomo=???

Date:2019.12.01

つい先日、こちらのフォーラムでソフトバンクグループとLINEとの提携につきまして取り上げましたが、EC業界を取り巻く環境が、また大きく動こうとしています。

 

 

2019年11月26日に、アマゾンとdocomoが業務提携を発表しました。直接ECにどんな影響を及ぼすかはまだ不明ですが、お互いのメリットを活かし合い、今後の動向を注目している人も多いでしょう。今回発表された業務内容はどんなものなのか?そして、この先、どのように発展していくかを占って見ましょう。

 

 

主な業務提携内容

今回、アマゾンとdocomoが提携した主な業務内容は以下になります。

 

 

・docomoのユーザーがamazonプライム(通常年間会費4,900円)を1年間無料で利用できる。(契約するコースにより異なる)

・docomoの独自キャッシュレス決済「d払い」をアマゾンで利用できるようになる。

・更にアマゾンでの買い物で「d払い」を選ぶと、通常の5倍である5%のdポイントを獲得することができる。

 

対象のdocomoユーザーは1年間amazonプライムの特典(video,music,お急ぎ便利用無料など)をフルに利用することができ、またamazonの買い物で利用できる決済方法に「d払い」が増えます。docomoユーザーにとっては、アマゾンとの親和性がより高まるというメリットがあります。

 

 

 

docomoとアマゾンそれぞれのメリット

docomoは独自キャッシュレス決済である「d払い」を、アマゾンを通して広く認知させたいという狙いがあります。キャッシュレス決済に関しては、競合であるソフトバンクのPayPayがユーザー数約2,000万人と大きくリードしており、docomoは少し出遅れた感があります。その遅れを取り戻すため、アマゾンとの業務提携に乗り出したと考えられます。

 

一方、アマゾンにとってのメリットは何でしょうか?それは新規ユーザーの獲得です。今回の業務提携で対象ユーザーに提供されるamazonプライムは、目玉コンテンツとしてvideoやmusicに目が行きがちです。しかし、amazonが提供するコンテンツに日頃から慣れ親しむ習慣が身につくと、ネットで商品を購入する際に、必ずアマゾンが候補にあがってきます。そもそもアマゾンがスピーディーな配送など、ECに直結するサービス以外に動画や音楽のコンテンツを強化し続ける理由として、ユーザーをつなぎ止めておくための「撒き餌」的な狙いがあります。実際に動画や音楽だけが目当てでamazonプライム会員になる人は少なく、殆どのユーザーはアマゾンでも買い物をしているはずです。amazonプライムというサービスをきっかけにユーザーをつなぎ止めておくことで、「顧客予備軍」としてユーザーとの接触を維持することができ、いつかはアマゾンと利用してくれるという考えがあるに違いありません。

 

 

ECモールとキャリア、そしてSNS

ECモールとキャリア、そしてSNSのユーザーはとても親和性が高く、インターネットに対してリテラシーが高い人が多く、お互いのサービスを行き来してくれる可能性が高いというメリットがあります。ソフトバンクとLINEが提携したのもその一例ですし、今回のdocomoとアマゾンの提携も将来的には双方にとって十分メリットを感じられる結果をもたらすと予測できます。

 

ECプラットフォーム、キャリア(通信事業)、SNS、そして決済や物流など、EC成長の上で不可欠な要素をいかにスピーディーに、かつ、大きな影響を与える企業と提携するかが、今後の成長のカギと言っても過言ではありません。

 

 

不安が残る楽天市場の戦略

国内最大手のECプラットフォームである楽天市場も、今から遡ること1年以上前にKDDI(au)と業務提携を行っています。しかしながら、業務内容としては楽天がキャリア事業を育てるまでの間auの通信網を利用することに対して、au側は楽天の決済や物流を利用することで今後のビジネスに役立てる狙いがります。しかしながら、KDDIは自前でau Wowma!というECモールを運営しているため、直接的に楽天のEC事業が有利になるような業務提携を行うことはないと考えられます。

 

そうなると、ECプラットフォームで競合であるアマゾンとYahoo!ショッピング直接的にECの成長に繋がる戦略を実践していることに対して、楽天市場との間に差が生まれてくる可能性があります。もちろん楽天市場も自前で通信網を整備している最中ではありますが、環境を整備するまでにはかなりの時間が必要となり、環境が整った段階では、もう追いつくことができない程、差が開いてしまっているかもしれません。

 

われわれEC業者としては、業界の動向を常に把握しながら、最良の選択をしなければなりません。流れが激しく、現状維持という言葉が通用しないEC業界。現状と近未来のトレンドを見極めながら、今後の方向性を見極めていきたいです。

 

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