売上が停滞した時の販売戦略
※利益が残らない販売戦略は極力実施しない
※タイミングの重要性
※凡事徹底と新しい事への挑戦を両立する
※世の中の大きな流れには抗わない
アフターコロナの昨今、これまで好調だったEC業界が全体的に苦戦しています。物価高騰の影響で全体的な消費低迷が続く中、リアルマーケットへの消費分散などの影響で、EC業界は大きなピンチを迎えています。
何年かに一度のサイクルで、世の中の流れによる影響で、景気が大きく減少するタイミングがあります。商いを営む以上、そんな状況下でも売上を確保していかなければなりませんが、長く商売を続けていく事を考えると、目先の事だけを考える戦略は危険が伴う事を理解しておかなければなりません。
向かい風が吹く今の状況下で、どんな事を考えながら店舗運営をしていけば良いのでしょうか?
今回は「売上が停滞した時の販売戦略」と題しまして、今の時流に合った販売戦略を考えてみましょう。
※利益が残らない販売戦略は極力実施しない
利益が残らない販売戦略は、長続きしません。不良在庫処分などの目的で、一時的に短期間で実施することは販売戦略として「アリ」だと思いますが、利益を残せない販売戦略を軸に売上を伸ばす事は非常に危険です。
在庫処分のほか、新規顧客獲得、プロモーションなど、目的が明確で、かつ、次に繋がる戦略であれば、時には思い切った事にチャレンジするのも良いですが、売上の成長を目指す上で、利益が残らない販売戦略に依存する事は避けて通らなくてはなりません。
キャッシュフローが悪化すると、こういった無理な販売戦略に依存しがちですが、どこかで抜け出せないと、決してその先に明るい未来は待っていないことを理解しておきましょう。
もとより、一時的に売上が減少したとしても、経営に悪影響を与えない健全な財務体制の構築を、日頃から意識しておくことが重要です。
※タイミングの重要性
日々店舗運営を営んでいると、時として思うように売上が確保できないタイミングに見舞われます。2023年の春頃までは、コロナの影響で順調に売上を伸ばすことができましたが、直近では思うように売上を伸ばす事ができず、昨年対比で売上を割っている店舗が増えています。リアルマーケットへのユーザー回帰が影響し、ECモールで商品を購入する機会が大幅に減少しているタイミングで、積極的な広告投資などは費用対効果の低下に拍車をかけてしまう危険性があることを理解しておきましょう。どれだけ積極的なプロモーションを実施したとしても、購買意欲が活発なユーザーがECモールに流れ込んでこないと、十分な効果を得る事はできません。魚がいないポイントに、必要以上の撒き餌をしても、釣れない原理と同じです。
売上が確保しづらい今のタイミングだからこそ、売上と利益のバランスをしっかりと管理する必要があります。そして、今後、新たな追い風に恵まれたタイミングで積極的にユーザーを確保できるためのプロモーション費用の確保、利用してくれたユーザーの満足度を上げるためのサービス品質の向上に努めましょう。
※凡事徹底と新しい事への挑戦を両立する
EC業界全体のトレンドが低迷する中、今やるべき事は、当たり前の事を当たり前にできるように「凡事徹底」する事と、将来的に新しい売上の軸となり得る「新しい事に挑戦」する事です。
凡事徹底は、お店のサービスレベルを向上させる事が主な目的です。ユーザーが注文した商品を、誤送する事なく、確実に希望日までに届ける事ができる運営体制を整える。当たり前の事でなありますが、ちょっとした気の緩みや、一時的に注文件数が増加した時に起きやすいミスです。そんな時でもサービスの質が低下する事なく、確実に注文を捌ける運営体制の構築を目指しましょう。
一方、新しい事への挑戦は、今まで実施していなかったサービスや、販売手法を取り入れる事です。例えば、翌日配送に対応できる商品が少ないようであれば、対応商品の品揃えを増やす、新たにラッピングサービスを導入する、定期的に消費する商品を販売している場合は、定期購入や頒布会などの販売手法に挑戦してみるなど、これまでやっていなかったサービスに対応していくことで店舗のサービスレベルが向上し、今まで以上の多くのユーザーに支持される可能性が高まります。
なお、新しい事に挑戦する際、あくまでも既存サービスの延長線上での取り組みを優先する事が大切です。突発的に今までの業務と何の関連性もないサービスや、取り扱った事がない商品の取り扱いなどは、大きなリスクが伴います。堅実に、かつ、現在の体制でも対応できる事から優先して取り組むようにしましょう。
※世の中の大きな流れには抗わない
ネット販売のみならず、継続して商いを営んでいく上で、どう足掻いても、どうにもならない時があります。そんな中でも店舗運営を営んでいく事は並大抵な事ではありませんが、将来的に大きく飛躍するために、一度、しゃがんで力を蓄える時期も必要です。常に、「次の一手を打つために何をすべきか?」意識しながら、堅実な店舗運営を心掛けましょう。
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