生産性向上のための着目点
※受注内容確認業務
※伝票発行業務
※ピッキング業務
※梱包業務
※今の作業フローを常に疑う
ネットショップの売上を継続的に成長させていくためには、受注した注文を「いかに効率良く処理できるか?」が重要なポイントとなってきます。いくら多くのユーザーから注文をもらっても、その注文を処理できないとなると、それ以上注文を受ける事はできず、結果、売上を伸ばす事はできません。言わば、「お店の受注処理能力の上限=売上の上限」なのです。
では、どうすれば受注処理能力を向上させる事ができるのでしょうか?どういったところに着目すれば良いのでしょうか?今回は受注処理能力向上へ向けて、意識すべきポイントについて考えてみましょう。
※受注内容確認業務
ユーザーから注文が入って、一番最初に行う業務が注文内容の確認です。決済確認、注文者情報確認、コメント欄確認、在庫確認など、注文を処理する上で確認すべき事はたくさんあります。これらの業務は注文を正確に処理する上で最初に行わなければならない重要な作業であるため、どれだけ早く処理できるかが、その後の工程の効率にも影響してきます。
注文内容確認業務を効率良く行うためには解決方法はたった一つで、「確認する箇所を極力減らす」しかありません。取り扱い商品ごとに定めたルールや、サービス向上のために良かれと思って取り入れてきた決まり事など、自分のお店独自のルールが積み重なる事により、確認しなければならない箇所は増えていくのです。そもそもチェック項目は何の目的で確認する必要があるのか?を明確にしなければなりません。例えば、決済情報に関してはチェックしないままスルーしてしまうと、後から商品代金回収ができないなどの大きなリスクが伴うので、必ず確認する必要があります。一方、万が一見落としても大きな問題に発展しないような些細な項目などは、むしろスルーすべきですし、そもそも、確認しないというルールを設けて行った方が良いかもしれません。取扱商品やお店の事情により、確認すべきことは異なりますが、理想としては決済の可否のみを確認さえすれば、帳票出力にまで持っていけるフローを組み立てる事です。
過去から継続してきたサービスや習慣が、結果として業務効率を下げている場合もありますし、以前は必要だったとしても、今は不要な事もあるかもしれません。定期的に効率化へ向けて業務の断捨離を行うことが、業務改善へ繋がることを意識しましょう。
※伝票発行業務
伝票や送り状の発行が終わらないと、次の行程であるピッキングや梱包作業へ進む事ができません。受注内容確認チームと、ピックング&出荷業務を行う人が同じ時間帯に出勤する場合、どうしても伝票が出てくるまでの間、次の工程を行う人の待ち時間が生じてしまい、作業効率の悪化に繋がります。
ピッキング&出荷業務チームへできるだけ早いタイミングで業務を引き継ぐためには、前日からの事前準備や、確認業務が完了できた帳票から出力する(全ての確認業務が終わるまで時間を引っ張らない)など、スムーズな業務連携が大切です。もしくは、ピッキングチームが自分たちの良いタイミングで帳票を出力したり、梱包チームが自分たちで送り状を出力できる仕組みにするなど、業務自体を現場へ移行する方が効果的かもしれません。この場合、パソコンやプリンターなどハードウェアの投資が必要になりますので、期待できる作業効率の向上と、それに対して見込める人件費のコストダウンをしっかりと比較する必要があります。
結果的に、「各業務をどの部門が担うか?」「どのような業務を、どの部門が担う方が時間効率が良くなるのか?」を念頭に、継続的に業務の内容を見直しするように心掛けましょう!
※ピッキング業務
ユーザーが購入した商品を倉庫から集めるピッキング業務も、生産性向上を図るためには着目する必要があります。いかに効率良く注文商品を集められるかによって、その日の出荷件数が決まってきます。
すでに実施しているお店もお多いと思いますが、ピッキング業務の効率を良くするためには、同じ種類の商品をまとめて集められるよう、事前に商品ごとに帳票を分けておく必要があります。ピッキング業務の際に作業員の歩数や移動距離を減らす工夫をする事で、確実に作業効率は良くなります。
さらに、場合によっては在庫があるはずの商品の場所が分からない事が起こります。結果、その商品を探すのに無駄に時間を浪費してしまう事があります。その場合、場所が分からない商品を探す作業を後回しにし、先に出荷できる商品のピッキングを優先する事が大事です。最悪の場合、見当たらない商品の捜索を翌日以降に回したとしても、ピッキング件数自体を増やす事を優先した方が、結果として全体的な顧客満足度は高くなるという事を理解しておきましょう。
※梱包業務
梱包業務もピッキング作業と同じで、まず優先すべき事は、その日の出荷件数を最大化する事です。よく梱包がややこしい商品から先に手をつける人がいますが、最初に着手して片付けるべき業務は、梱包が簡単な注文からです。梱包が簡単な商品を後回しにすることで、予期せぬ出来事が起こった場合、結果として全体の出荷件数が減少してしまいます。梱包業務だけを見ると、残った業務を翌日に回す事で帳尻を合わせられると思うかもしれません。しかし、その日の出荷件数が減る事により納期に関する問い合わせなどが増え、他部署での余分な作業が発生し、結果、お店全体の生産性低下を招く事になります。
一部門の都合だけに意識を向けるのではなく、お店全体として生産性を上げる事を常に意識しましょう。
※今の作業フローを常に疑う
日々の業務を何の疑問も持たずに、ただ単にこなしているだけだと、改善すべき事に気づく事はありません。しかし、今までのやり方の延長線上には、業務の効率化や生産性の向上はありません。今のやり方を継続する事だけを考えていると、結果として人手が足りないという感覚が芽生え、人手を増やす事で人件費率も高くなっていきます。業務改善に意識を向けず、人員を補強したとしても、ただ単に非効率な状態のまま他の人に仕事が分散するだけで、結局は作業の効率化には繋がらないのです。むしろ、人が増えることで余計に一人当たりの生産性が低下する事もよくある事です。
業務自体の無駄を省いたり、今いる人員でより多くの注文を処理できる限界をとことん突き詰めるためには、現状に対して常に疑問を持つ事が重要なのです。
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