リアル店のニーズを狙うEC戦略

Date:2020.08.03

新型コロナウィルスの感染者が増える中、再び小売店(リアル店)の客足と売上が不安定になってきました。第一波の時には「早く元の状態に戻って欲しい」と願う販売者が多くなってきましたが、第二波が来た途端、今まで通りの元の購買習慣には完全に戻らないのでは?と思ってしまいます。リアル店で買い物をしていたユーザー引き続きリアル店での買い物に消極的で、その反面ECでの購入が更に加速しています。そんな時代背景をもとにECショップは、どんな商材、どんなマーケット、どんな販売戦略を見据えていけば良いのでしょうか?今回はリアル店のニーズを狙うEC戦略について見ていきたいと思います。

 

【参考】

>コロナ禍と売れ筋商品の移り変わり

 

消耗品市場

定期的に購入する消耗品をネットで購入するユーザーが劇的に増えています。楽天市場やAmazonのランキングを見ていても、ミネラルウォーター、お米、サプリ、コンタクトレンズなど、常に一定のスパンで購入する商品がランクインしています。単純に考えるとこれらの商品の取り扱いを強化することで簡単にネットショップの売上げが伸びると思いがちですが、概して消耗品は価格競争が非常に激しく、後発で入り込もうとしてもなかなか簡単には利益を維持しながら売上を確保することはできません。容易くこれらの商品の取り扱いを勧めることはないですが、「消耗品」という括りで考えると皆様が販売している商材の中にもそれに当てはまる商品が存在するかもしれません。また、消耗して無くなるとまた必要になる商品のみならず、長く使うためにメンテナンスを施した方が良い商品を販売している場合には、メンテナンス商品を切り口に新規ユーザーを獲得することも考えられます。

これまでは行きつけの小売店へ買いに行っていた商品で、かつ、定期的に必要となる商品、購入した商品を手入れするためのメンテナンス商品や関連アクセサリーはECへと誘導しやすいので、ぜひ、それらの商品に着目し、あらたなユーザーと取り込む販売戦略の一つとして考えてみて下さい。

 

定期購入への誘導

定期的に購入する必要がある商品(特に食品など)に関しては、ぜひ、定期購入を促すことで1ユーザーあたりのLTV(ライフタイムバリュー)を長くする工夫をしましょう。楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazon(定期おトク便)など、大手ECモールでは定期購入を自動的に管理する機能があります。また、自社サイトでもFuture Shopなどの老舗ショッピングカートには定期購入の機能を備えているサービスもあります。リアルショップへの買い物へ行く機会が減った今だからこそ、定期購入の利便性を全面に打ち出し、自動的にリピートしてくれる優良顧客を取り込む絶好のタイミングと言えます。

 

贈答用商材

コロナウィルスの影響により百貨店の売上げが大きく落ち込んでいます。百貨店へ買い物へ行く主な目的の一つとして、贈答用商品の購入があります。お中元、お歳暮をはじめ、父の日、母の日、バレンタイン、クリスマスなど、贈答用の需要が高まるタイミングで人混みを避けるユーザーが増えている影響で、百貨店での購入機会が大幅に減少しているのです。コロナの影響で多少は消費の落ち込みはあるかもしれませんが、コロナ禍でも贈答品需要が無くなることは決してありません。では、この贈答用需要はどこへ流れてしまったのでしょうか?答えはズバリECへ流れているのです。

そう考えると、百貨店向けの贈答需要をネット販売で狙うことができます。百貨店に限らず大手小売り量販店(GMSなどを含む)のあらゆる贈答需要は、ECへ誘導することが可能です。贈答用として小売店で買い物をしていた人をネット販売に取り込むためにはどうしたらいいのか?商品パッケージ、販売戦略、プロモーション戦力など、贈答目的で商品を購入して貰えるためには、どう仕向けていけけば良いかをしっかりと考える事で、リアルショップのユーザーをECユーザーとして取り込むことができる可能性が広がります。

 

連休需要

コロナウィルス拡大の影響で、連休中に外へ買い物へ出かける機会が大幅に減っています。外へ買い物に出かけなくとも、購買意欲が旺盛なユーザーは一定数存在し、そのユーザー達はネットでショッピングをする傾向があります。これまでは3日以上の連休には外へ出かけるユーザーが多かった事が理由で、ネット販売は売上が落ち込むことが一般的でした。しかしながら、最近の傾向では連休中であっても売上が落ち込まないショップが増えています。

ネットショップの注文がPCからスマートフォンへとシフトしており、オンラインでいる時間が増えていることも連休中の売上増に影響していると考えられますが、当面はこのトレンドが続くと思われます。直近ではお盆休みがありますが、今年は例年より売上が高い水準で維持すると推測できます。いつも以上に在庫を確保しながら、連休中に在庫欠品による販売機会ロスを最小限に抑えるよう心掛けましょう。

 

>SNSとECの融合

 

ユーザーの購買行動を改めて分析する

コロナ拡大の影響を受け、ネットシップのニーズは日を追う毎にどんどん高まってきています。アパレルなどの一部のジャンルを除き多くの分野において売上は昨年対比を超えており、今後も引き続き伸びていくと考えられます。「コロナ特需」による影響も大きいですが、今だからこそ「何で売れているのか?」「どんな人が買っているのか?」「顧客属性はどうなっているのか?」「客単価はどう変化したか?」「広告の反応の変化は?」「転換率はどうなったか?」「アクセス人数はどう変化したか?」など、今の現状を的確に把握しておく必要があります。ただ売上が伸びているから良いのでは無く、「なぜ売れているのか?」その理由をしっかりと理解していないと売上の更なる成長は見込めません。単なる特需による自然な成長にあぐらをかいていると、いつの間にか売上が激減してしまう危険があります。気がついたときに手遅れにならないよう、売上が伸びていたとしてもしっかりとその状況を理解した上で販売戦略を立てる習慣を身に付けましょう!

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