顧客属性に合った販売法で売上げアップを目指す(Amazon編)
楽天市場、Yahooショッピング、Amazon。。。ネット販売を行なっている店舗の皆さんなら、すでに多店舗展開をされている人も多い事でしょう。取扱商品は同じでも、モールごとにユーザーの属性が異なるため、売り方も違ってきます。
昨今、大手モールが新規顧客獲得やリピーター確保のために積極的に取り組んでいる施策が「ポイント還元」です。殆どのモールがこぞってユーザーに対してポイントを付与し、キャンペーンが重なるタイミングでは、何十倍ものポイントが還元されています。ユーザーが求めるからモール側はポイントを付与するわけですが、このままエスカレートしていくと、ある日突然ポイントが還元できなくなった時にはユーザーが離れていく危険性があります。
大手モールの中で唯一、ポイント還元に対して消極的なのがAmazonです。それにも関わらず、利用者数が増えているのはなぜでしょうか?その理由の一つが「スピード配送」です。今回はスピード配送に対応することで得られるメリットを中心にお話を進めていきます。
Amazonが推奨するFBAとは?
皆さんはFBAという言葉を聞いたことがありますか?FBAとは、Amazonが店舗から商品を預かって、注文があるとAmazonの倉庫から商品を直接購入者へ発送する物流サービスのことです。「フルフィルメント by Amazon」、略して「FBA」です。FBAを利用するためには、事前にAmazonへの出品サービスに登録しておく必要があります。
FBAを導入するメリットは?
FBAを導入すると、主に以下の恩恵を享受することができます。
24時間365日発送可能
FBAに対応すると、Amazonのからの注文は24時間365日配送対応可能となります。
販売数増加に伴う人的リソースの軽減
梱包・配送作業および、発送した商品の問い合わせ業務をすべてAmazonが代行してくれます。
配送コストの節約
取扱商品のサイズや、倉庫での滞留日数により料金は異なりますが、自社配送よりも料金が安く発送できる場合が多いです。
倉庫スペースの節約
FBA対応の商品は、すべてAmazonの倉庫で保管されるます。倉庫スペースの場所効率向上が期待できます。
Primeマークが付くことで売り上げはどう変わる?
FBAに対応した商品は、商品ページに「Primeマーク」が付いて「この商品はAmazon.co.jpが配送します。」という表示がされます。Amazonの有料会員である「Prime会員」であれば、お急ぎ便(翌日配送)が使い放題で、商品発送の際に必要な送料が無料となります。配送スピードを最優先するユーザーにとっては非常に魅力的なサービスです。
では、この「Primeマーク」が付くことにより、売上げにどのように影響を及ぼすのでしょうか?筆者が独自に食品、ファッション、雑貨などの様々なジャンルの出店店舗様に直接インタビューしてみました。その結果、FBA対応商品の売上は、FBA導入前の200%以上と答えた人が大半でした。Amazonのモール内では「Primeマーク=信用」と考えるユーザーが多いという事がよく分かります。
また、「Primeマーク」が付くことにより商品ページ内のカートを獲得できる可能性が高くなります。同じ商品を他店が同じ価格で販売していたとしても、「Primeマーク」が付いた商品の方がより上位にカートが表示されます。カートの順位を決めるアルゴリズムの中で、「Primeマーク」が付いている方がポイントの加点が高いと考えられます。
FBA対応で売上が伸びるカラクリは?
FBAに対応して「Primeマーク」が付く事で売上げUPを実感している人が多いと言うことは、「Amazonで買い物する人が最も期待するメリット=配送スピード」ということを意味します。また、長年にわたり物流のサービス強化に注力してきたAmazonは、「配送が速いモール」という認識が強く根付いています。配送スピードを優先するユーザーには、徹底して配送システムを強化して良いサービスを提供する。このユーザーのニーズとAmazonの取り組みのマッチングこそが、ポイントを還元すること無く売上げが伸びるカラクリなのです。
Primeマークが付いても、売れる条件が整わないと売れない
「Primeマーク」が付けば売れる可能性は高くはなりますが、マークが付いただけで売れるとは限りません。きちんと商品ページ内でカートが上位に表示された上で、Primeマークが付いていて初めて最大限のパフォーマンスを発揮するのです。消費者が購入しても良いと考える条件はどモールでも同じだと思いますが、価格とサービスのバランスが最も大切だということを留意しておきましょう。
FBA導入に際しての懸案事項
FBAに対応することで多くのメリットがありますが、唯一、懸案事項を挙げるとしたら、常に配送料値上げの可能性と隣り合わせという事です。先般、大手運送会社との間で値上げ交渉が始まるとのニュースがネットを賑わせていましたが、運賃自体が値上げになると、FBAの料金も値上がりしてしまう可能性は大いにあり得えます。この記事を書いている時点(2017年3月末現在)では、FBAに対応する事で送料が安くなる事もメリットの一つではありますが、今後、配送業者の運賃値上げに伴い、FBAの料金も値上げになる可能性も想定しておきましょう!
ユーザーが求めるサービスを提供できる仕組みを考える
Amazonのユーザーは早い配達を望んでいます。それであれば、如何に効率良くそのサービスを提供できるかを考えることが売上を伸ばす近道と言っても過言ではありません。売上が伸びるためには、消費者に支持される理由が存在します。その理由は何かを考えながら、効率良くそのニーズに応えられる仕組みを作り上げることが、売上アップの近道と言えるのです。
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