ショッピングモールの新しい台風の目?DeNAショッピングモールの今後
ショッピングモールのマーケットシェア争いが年々激しくなっています。大手3大モールの楽天市場、Amazon、Yahooショッピングは、新規ユーザーの取り込みと既存ユーザーの囲い込みを目指し、様々なサービス向上に向けて力を注ぎ続けています。では他のショッピングモールの動きはどうでしょうか?実は上記大手3大ショッピングモール意外にも着々とシェア争いに参戦しようと動いていくモールが存在します。それがDeNAショッピングモール(auショッピングモール)です。
経営権譲渡で生まれ変わりを目指す
2016年10月、DeNAは「DeNAショッピングモール」と「auショッピングモール」のモール事業をKDDIに譲渡すると発表しました。2017年1月に新ブランドのモールがリリースされる予定で、これまで別々のサイトとして存在していた両モールは統合されます。この統合により、両モールに分散していたユーザー集客効率の向上と、異なるポイント倍率やプロモーションイベントの開催により個別に割かれていたリソースを効率よく配分することが可能となるため、業務改善が期待できます。
流通総額増加を目指す仕組み
経営権譲渡によって、モールに出店している各店舗の売上げが伸び、結果的にモール全体流通総額が伸びていかなければ意味がありません。経営権を譲り受けたKDDIはどのような戦略を考えているのでしょうか?
auショップでのプロモーション強化
KDDIが運営するリアルショップに「auショップ」があります。携帯電話の新規契約、機種変更など、auユーザーが携帯電話関連サービスを受けるためには、auショップに直接来店する必要があります。そのauショップを利用するユーザーに対して2017年1月に立ち上げられる新ブランドモールを直接宣伝することで、リアル店舗とネットモールとのオムニチャネル化を目指すことができます。これまでDeNA傘下では困難だったユーザー層に直接アプローチすることで、新規ユーザーの増加が期待できます。
WALLETポイント経済圏の最大活用
最大の目玉はWALLETポイント経済圏の最大活用です。auではWALLETカードのユーザー数増加に力を入れており、その所有者に対して手厚くポイントを配布しつづけています。例えば、携帯電話の機種変更の際や、他のキャリアからの乗り換え時にWALLETカードを同時に申し込むことで数千円から数万円分のWALLETポイントが付与されます。付与されたポイントはクレジットカード(プリペイド方式)として様々な店舗で利用することができます。
現在、KDDIグループは携帯電話関連サービス意外にも、電気、生命保険、損害保険、住宅ローンなど、WALLETポイントが貯まるサービスを数多く手掛けています。
しかしながら、使い方や使える場所を知らないユーザーが多いためか、現状ではWALLETポイントを活用しているユーザーはまだまだ少なく、せっかく付与されたにも関わらず、利用されること無く数百億円分のポイントが毎年失効しているとの噂も聞きます。この失効してしまうポイントの捌け口としてネットモールを利用するユーザーを誘導してくれば、新しいマーケットの創造に繋がります。
2017年は他モール展開の動きが更に加速?
売上金額がのシェアが大きい「特定のモール」だけに時間とお金を費やす店舗様が多かった中で、最近では複数のモールで売上げの分散を目指すところも増えてきました。各モール毎に顧客の属性が異なるため、会社全体の売上げを上げていくために複数のモールに出店することは自然な流れだと思います。EC化率が高くなって行くにつれこの傾向は益々強くなって行くものと考えています。
また、ネット販売自体がまだまだ発展途上ということもあり、ちょっとした切っ掛けが大きく売上げを伸ばすチャンスに繋がる可能性を大いに秘めています。そんな大きな波に上手に乗れるよう、あらゆるモールの動向に注意を払っておきましょう。
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