日用品を入り口とした各モールのユーザー囲い込み戦略
最近、楽天、Yahooショッピング、Amazonにおいて日用品取扱強化への取り組みが加速しています。これら大手3大モールはどんな目的で日用品の強化を目指しているのでしょうか?今回はその目的からネットモールの将来性と方向性を探ってみましょう!
楽天市場の日用品強化策
2016年10月、楽天市場は爽快ドラッグの株式を買収し、完全子会社化することを発表しました。爽快ドラッグは日用品、健康関連商品、生活雑貨を取り扱う大手ネット販売するショップで、楽天市場で年間総合グランプリを連続受賞している店舗です。
2012年には医薬品、健康食品のネット販売最大手ケンコーコムをすでに買収しており、生活必需品を扱う大手ネットショップ2社を傘下に収めることで日用品の取扱強化を進めています。
Yahooショッピングの日用品強化策
Yahooショッピングも楽天市場に負けじと日用品の取扱強化に力を入れています。2015年8月、オフィス用品や日用品の通販大手アスクルと業務、資本提携する事を発表。アスクルが得意とする日用品販売を個人向けに販売するサイト「LOHACO」を共同で立ち上げました。もともと翌日配送には定評があるアスクルですが、その流通ネットワークを活用する事で日用品をいち早く個人ユーザーへ届けることで利便性の向上を目指しています。
Amazonの日用品強化策
もともと日用品の直販部門を持っていたAmazonは、少し変わった切り口から日用品の強化を図っています。その取り組みは「いかに簡単に日用品を注文してもらえるか?」ということに焦点を当て、「Amazon ダッシュボタン」を発売しました。スマホと連動して事前にお気に入り商品を登録しておくと、このボタンを押すだけでその商品の注文が完了し、翌日手元に届くという優れもので価格は500円。しかも、ダッシュボタンの購入代金500円は初回商品購入の金額から差し引かれるため、実質無料で手に入れることができます。
注文できる商品はダッシュボタン毎に異なるため、よく購入する商品の専用ボタンを購入する必要があります。現在用意されているボタンは、ミネラルウォーター、コーヒー、洗剤、ペットフード、赤ちゃんのオムツなどバリエーション豊富なのが特徴です。
日用品強化の先にあるユーザーの囲い込み
大手ショッピングモールが日用品の扱いを強化したり、配送スピードを早くしたり、簡単に注文できるシステムを導入したりする狙いは何でしょうか?
それは、ズバリ、、、
「ユーザー囲い込み」
です。
ネット通販をよく利用するユーザーは、人それぞれ贔屓にしているモールがあります。モール側からすると、ユーザーに贔屓のモールとして認めてもらうことでリピートを促すことができると考えている訳です。日用品は使用頻度が高い上に、繰り返し購入する商品で、リピートを促進する上で最適な商材と言えます。大手ショッピングモールの狙いは、日用品を武器にユーザーの購入機会を増やすことで買い物客として定着してもらうことが売り上げ増加に不可欠な戦略だと考えているのです。
購買頻度が高い商品の強化は最良のリピーター獲得策
では、皆さんの店舗で購入頻度の高い商品は、どの商品でしょうか?その商品をユーザーに告知するための方法は、どんな手法でしょうか?購買頻度が高い商品を支持するユーザーがリピートに繋がるとすれば、この戦略は店舗運営にも流用できるノウハウです。大手ショッピングモールが実践している戦略はコストや人的リソースを伴うため、必ず事前に調査してから行動に移されているに違いありません。そんな重要なヒントを見逃さないようネット販売のトレンドを敏感にキャッチして、あらゆる戦略を繰り返し試していくことが売り上げアップに繋がっていくのです。
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