楽天市場の広告活用法(2022年冬バージョン)

Date:2022.12.05
目次

※RPP広告
※TDA広告
※イベント広告
※DEAL広告
※広告の特徴を見極めて運用する

ECモール内で売上を伸ばすためには、一定のレベル以上の売上を目指そうとすると、どうしても広告の運用が必要となってきます。広告を利用しなくても売上が伸びる事も稀にありますが、そんな特需的な追い風は長続きせず、継続的な成長を目指すのであれば、上手に広告を活用する必要があります。

 

 

ECモールによって広告の運用方法が異なりますが、今回は多くのお店が出店している楽天市場の広告運用について見ていきましょう。

 

 

※RPP広告

RPP広告とは「楽天・プロモーション・プラットフォーム」の略で、楽天市場内で検索結果の上位に表示させるための検索結果連動型広告です。広告費の課金形式は「1クリックあたり、いくら」で、クリック単価や広告全体の予算を設定することで、費用対効果を確認しながら運用することができます。また、広告に掲載させたく無い商品を選んだり、どのキーワードで検索結果に表示したいかを選ぶことで費用対効果の最大化を自由に設定することができます。

 

 

検索結果で簡単に露出を強化できるので、利用しているお店も多いと思いますが、RPPには向いている商品と向いていない商品があります。

 

 

・RPPに向いていない商品

メジャーブランドの商品は概してRPP広告には不向きです。理由は簡単で、メジャーになればなるほど競争が激しくなり、ブランド名で検索結果上位に表示させることが難しいからです。厳密に言うと検索結果上位に特定のブランド名で表示させることは可能ですが、クリック単価が割高になりがちです。名前が通った有名ブランド商品は概して仕入れの掛け率が高かったり、仮に安く仕入れられたとしても価格競争に巻き込まれますので、利益を確保することは容易ではありません。その上、広告を表示するためのクリック単価が高いと、結果として広告に出して売れたとしても割に合わないと言うことになります。

 

 

・RPPに向いている商品

ブランド名ではなく、一般名称や用途で検索してもらえる商品はRPP向き商品と言えます。例えば「スマホケース」などの名称や「スマホ+画面+保護」の用途などで検索される商品です。しかしながら、一般名称自体がすでにメジャーで、そのキーワードで検索結果上位に表示させたいお店が多く存在する場合は、クリック単価自体が跳ね上がる事もあります。その場合には、競争が比較的少ない関連キーワードを選ぶなどのの工夫が必要です。

 

RPPは運用方法次第では最も費用対効果が高い広告になり得ます。商品の性質による向き不向きをしっかりと理解しながら運営していきましょう。

 

 

 

※TDA広告

TDA広告とは「ターゲティング・ディスプレイ・アドバータイズ」の略で、設定した属性に合致したユーザーにピンポイントで表示させる広告です。課金形式は「Vimp(ビューインプレッション)課金」で、広告が表示される毎に広告費が発生する仕組みです。広告が表示されバナーの50%以上が1秒以上ユーザーに表示された回数に基づき金額が決定されます。

 

RPPのクリック課金に比べると割に合わないような気もしますが、購入回数、購買履歴、イベント興味、ユーザー傾向などをはじめ、かなり細かくユーザー属性を絞り込んで広告を表示させることができるので、広告を表示させたいターゲットと商品を的確に設定することで高いROASを目指すことができます。

 

 

TDA広告は比較的新しいメニューで、リリース直後はあまり反応を取ることが難しい広告でした。しかし、最近ではTDA広告が表示される場所が徐々に拡大されているようで、以前に比べて反応が取りやすくなってきているようです。人気が出てくると費用が高くなるのが常ですが、属性を細かくセグメントして広告を掲載することに興味がある方は、ぜひ一度試してみるのも良いでしょう。

 

 

 

※イベント広告

お中元、お歳暮、バレンタイン、ホワイトデー、父の日、母の日など、特定のイベント開催のタイミングに合わせて楽天市場が開設する特設ページへ掲載する広告です。商品画像やバナーを特設ページへ掲載することで、店舗へのアクセス数増加を目指す広告です。広告の販売形式は、掲載期間と掲載位置によって異なり、過去に実績がある広告はとても人気が高いため、非常に高額でかつ、なかなか購入できないという特徴があります。

 

 

掲載期間と広告の価格が事前に決まっているため、掲載が始まると反応を見ながら取れる対策は特に何もありません。強いて言うならば、広告掲載中は在庫切れが起こらないよう、しっかりと管理することぐらいでしょうか。。。

 

 

イベント広告を好んで活用するお店は、楽天市場内でも有名な店舗であったり、売上規模が大きいお店が多いです。それらのパワーセラーと肩を並べて広告を掲載するとなると、商品自体の魅力と販売価格がユーザーに支持されるレベルに達していることが重要です。興味本位で手を出しても、納得の行く結果に結びつかない事がありますので、しっかりと今の状況を把握した上で掲載を検討することをお勧めします。

 

 

 

※DEAL広告

販売する商品のポイント還元率を高く設定することで、楽天市場内での露出を強化する広告です。決められた売価でしか売ることができない商品や、利益率が高い商品を値引きすることなく販売する上で優れた広告と言えます。

 

 

ポイント還元率が高いため、ユーザーに対する訴求力が高く、最近では非常に人気が高い広告ですが、最大の欠点は店舗側が負担するコストが高いと言うことです。DEALに掲載する商品のポイント還元率は最低でも10倍以上で、さらに商品が売れる毎に10%の手数料を払う必要があります。結果として、最低でも販売価格の20%以上は広告費としてコストが掛かることになります。コスト負担が高いため、DEALを活用するお店は利益がしっかりと確保できるメーカー直販のお店が多いのが現状です。

 

 

負担する費用は高いですが、露出が非常に高いため売上促進には大きく貢献する可能性が高いです。仕入れ販売商品の場合、店舗側が全てのコストを負担して活用することは難しいですが、メーカーや問屋からの協賛が得られるような場合は、検討してみても良い広告と言えます。

 

 

 

※広告の特徴を見極めて運用する

上記で紹介した以外にも、楽天市場内にはまだまだ多くの広告メニューが存在します。広告を活用する上で最も重要なことは、取り扱い商品と広告メニューとの相性をしっかりと理解した上で、費用対効果が高い広告に集中して費用を投下することです。時折、担当ECコンサルタントから広告メニューを勧められる事もあるかもしれませんが、しっかりと内容、費用、商品との親和性をしっかりと考えた上で広告を見極める習慣を身に付けましょう。

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