利益のない空っぽの売上は必要か?

Date:2022.11.20
目次

※利益が確保できない売上は必要ない!
※継続できない戦略は凡策と捉えるべき
※成長過程においてもリスクは最小限に抑える

ネットショップの売上は世の中のトレンドに大きく左右されます。直近ではコロナ禍の影響で売上が勝手に伸びる特需に恵まれましたが、現在ではすでに人々の間でコロナに対する意識が薄れつつある状況で、すでに特需による追い風は止まってしいました。

 

 

また、ECモールのプロモーションへの力の入れ具合によっても影響を受けます。新しいサービスを立ち上げる時や、大きく売上を伸ばしたいタイミングでは、モール負担のポイント企画が頻繁に開催される事で出店店舗はその恩恵を受けて売上を伸ばすことができますが、予算がなくなって企画が終了した途端、売上は大ききく下がってしまいます。

 

 

一度成長した売上を維持し、さらに伸ばしていくためには、綿密に販売戦略を練っていく必要があります。売上だけを求めすぎると、モール側のイベントがなくなった途端、利益率が大きく減少し、その状態が長く続くと利益がない空っぽの売上になってしまうリスクが伴います。

 

 

「利益を確保できないにも関わらず、売上を伸ばし続ける必要はあるのか?」

 

 

今回は店舗運営者の多くが一度は悩んだ事がある上記の疑問について考えてみましょう。

 

 

 

※利益が確保できない売上は必要ない!

まず最初に結論から申し上げます。筆者は「利益が確保できない空っぽの売上は必要ない!」と考えています。ネットショップで商いを営む上で、利益を確保することは絶対条件です。しかしながら、空っぽでも売上を伸ばさなければいけない事情に見舞われる場合もあります。

 

 

例えば、、、

 

 

・仕入れた商品の支払い金額が足りない場合

・取引先や銀行に成長を装う場合

・売上の減少により社員の仕事がなくなってしまう危険性がある場合

・楽天ショップ・オブ・ザイヤーなど一定の売上成長率がないと受賞できない賞を狙う場合

 

 

が挙げられます。

 

 

いずれも仕方がない事情のように見えますが、その先に明るい未来は見えません。そもそも上記のような状況に見舞われないよう、普段から堅実に店舗を運営していく事が大切です。

 

 

 

※継続できない戦略は凡策と捉えるべき

売上を成長させていく上で最も重要な考え方は、「継続できない戦略は凡策と捉えるべき」という事です。値引きやポイント、広告での露出など、目の前の売上を確保することだけが目的でこれらの販売戦略を実施すると、一時的に売上は伸びたが、利益をシュリンクしした過ぎない結果に終わってしまうことが多いです。

 

 

プロモーション戦略の先には、その後に繋がる明確な目的がなければなりません。サプリ、ミネラルウォーターを初め、継続して購入してもらえる商品はライフタイムバリュー(LTV)が長いため、まずは商品を多くの人に知ってもらうために、ポイント還元率を高くしたり、大幅な値下げをしたりして新規顧客を獲得することで将来的に帳尻を合わせられる可能性があります。一方、家電や娯楽用品をはじめ、一度購入すると次に購入してもらえるまでの期間が長い商品は常に新規のユーザーを獲得し続ける必要があるため、常に安いお店で商品を購入することしか考えていない「バーゲン・ハンター」を相手にしなければなりません。一度商品を購入してもらい、お店の事を知ってもらいさえすれば、次回以降も利用してもらえる確固たる自信があるのなら、一時的なセールを開催するのも良いでしょう。商品の品揃え、サービスなどが充実しており、お店の知名度だけを上げれば、その後は自然と売上が伸びていくのであれば何の問題もありません。なぜなら、将来的に売上に繋がる環境がすでに整っているからです。

 

 

しかし、そこまで考えてセールを企画するお店は、そう多くは無いのが現状では無いでしょうか?

 

 

他のお店より商品を安く販売することで利益が確保できる環境がすでに整っているのであれば、その販売方法はこれからも継続していくことができますが、その環境が整っていない状態で実施する値引き、ポイント戦略は、その先の戦略に確実に繋がるものでないと意味が無いのです。

 

 

 

※成長過程においてもリスクは最小限に抑える

そもそも上記で述べたような「空っぽでも売上を伸ばさなければいけない事情」は、なぜ発生するのでしょうか?それは、お店の成長過程において、どこかのタイミングから身の丈に合わない「やり方」を取り入れて今日まで来たからです。お店の売上を伸ばしていく上で、その時々の状況において、仕入れ強化、人員確保、設備投資行う必要があります。そして、その繰り返しが売上の成長に繋がると言っても間違いではありません。しかし、それらの拡大戦略は無理のない範囲に収める事が重要です。

 

 

ネットショップは時代の最先端の業種であるため、世の中の流れに大きく左右されます。利益をしっかりと確保できる時もあれば、そうで無い時もあるでしょう。ずっと利益と売上が伸び続ける手法などは、そもそも存在しないと考えた方が賢明です。「山あり谷あり」の状況が交互に起こるとしたら、利益をしっかりと確保できた時は、利益を確保できないタイミングに備えて内部留保を増やす必要があります。儲けた利益を手元に残すためには、しっかりと税金を支払うしか手段はなく、下手に節税と銘打って店舗運営とは関係ない無駄なものにお金を使うことは、結果としてお店のキャッシュフロー悪化に繋がる事を理解しておかなければなりません。

 

 

店舗運営における様々なリソースに対する投資は、身の丈にあった範囲に収め、しっかりと利益を確保しながら、空っぽの売上を求めなくても良い状態を維持するよう心掛けましょう!

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