疑問にお答え!商品別アピールvs.全体感統一、優先はどっち?

1. 商品ごとにターゲットを絞り込むメリットとデメリット
2. 店舗イメージを統一するメリットとデメリット
3. 楽天市場の特性を踏まえた両者のバランスの取り方
4. 商品ページ制作における実践的なポイント(食品ジャンル編)
5. ターゲット分析と効果測定の重要性
今回は、食品ジャンルを扱う店舗運営の方からのご相談があり商品ページのデザインを「商品ごとにイメージを変えて作った方がいいのか、それとも店舗全体のイメージを統一した方がいいのか?」という疑問にお答えしていきます。
今回ご相談のあった店舗様に合わせて50代・60代のターゲットをイメージしながら、食品の事例を交えつつ解説していきます。
皆様にも役立つ内容かと思いますのでぜひ、ご自身のショップの運営にお役立てください。
【はじめに】
店舗内商品それぞれで商品固有のストーリー訴求を意識する際、「商品ごとにページデザインや訴求を変えて、細かくターゲットに合わせるべきか」「それとも店舗全体を統一したイメージで作り込んだほうがいいのか」で悩むことは多いでしょう。
今回の相談者様は【店舗独自の世界観を大切にしたい気持ちと、それぞれの商品固有のストーリーをしっかり打ち出したい気持ちが衝突し】お悩みになっていたとのことです。
結論としては、「店舗のイメージを統一しながらも、商品ごとにターゲットに合わせた訴求ポイントを取り入れる」という“両立”が理想的です。
今回ターゲットとする50代・60代の方々は、健康や安心・安全、そして「少し贅沢感のあるグルメ」などに強い関心を持つ傾向があります。今回ご紹介する具体例をヒントに、自店の強みや商品特徴を活かしたページづくりを検討してみてください。
1. 商品ごとにターゲットを絞り込むメリットとデメリット
◎ メリット
◆商品の魅力をより深く伝えられる
たとえば、50代・60代の方向けに「昔懐かしい味わい」を訴求するお取り寄せお菓子と、「健康をサポートする機能性表示食品」とでは、求められるアピールポイントが異なります。商品ごとにページを作り分けることで、「昭和時代からの変わらない製法でつくった懐かしさ」「栄養素や健康効果にこだわった成分の紹介」など、それぞれの強みをしっかりと伝えやすくなるでしょう。
◆SEOやキーワード最適化がしやすい
楽天市場内検索や外部検索(Googleなど)からの流入を考える場合、商品名やキャッチコピーに使うキーワードは重要です。たとえば、「【送料無料】国産牛すき焼きセット 2人前 高級」「糖質制限中でも楽しめる 低糖質スイーツ」など、商品内容に合わせて検索ニーズの高いキーワードをピンポイントで盛り込みやすくなります。
◆商品自体の差別化を強調しやすい
商品を細かく作り分ければ、「同じ店舗内でも商品それぞれに独自の価値があるんだ」という印象をお客様に与えられます。とりわけ、“職人仕込みの漬物”や“厳選した旬のフルーツ”といったように素材や製法を強みとする商品は、そのストーリー性・専門性をページでじっくりと語ることができます。
× デメリット
◆ページ制作・更新に手間がかかる
食品ジャンルでは賞味期限や季節限定商品など、こまめに入れ替わる商品が多い傾向にあります。すべての商品ページを個別に作り込むとなれば、その都度情報を更新しなければならず、大きな負担になります。
◆店舗全体のイメージがまとまりづらい
商品ごとにページを作り込んでいくと、デザインやトンマナがバラバラになりがちです。最悪の場合、お客様から見て「同じ店舗なのに雰囲気が統一されていない」と感じられる可能性があり、店舗ブランディングの効果が薄れてしまうかもしれません。
2. 店舗のイメージを統一するメリットとデメリット
◎ メリット
◆ブランドイメージの確立
50代・60代の方が食品を購入する際には、商品そのものだけでなく「お店の信頼感」も重視する傾向があります。店舗ロゴやカラーを統一し、すべての商品ページが一目で「このお店だ」と分かるようにすることで、安心感や信頼感を高めることができます。店舗共通のコンセプトやデザインを明確にしていきましょう。
例:「厳選国産素材を使用した安心の味(朱色)」「昭和から変わらぬ手作りのこだわり(山吹色)」「健康をサポートする食生活を提案(若草色)」など。
◆リピート購入を促しやすい
食品はリピートやまとめ買いが期待できるジャンルです。もし店全体が「安心・安全で厳選素材を使っている」「産地直送で新鮮なものを届けてくれる」「健康志向で無添加にこだわっている」など、店舗の核となるコンセプトがはっきりしていると、一度購入して気に入ったお客様が「またここで買おう」と思いやすくなります。
◆制作や運営の効率が良い
テンプレートを統一しておけば、商品追加やページ更新のたびに大きくデザインを変更する必要がありません。商品説明文や画像を入れ替えるだけでスピーディに作業が完了するため、オペレーション負荷が軽減されます。
× デメリット
長く店舗運営を続けていると、似たような商品はテンプレートができて簡単に登録出来"掲載後に更新が行われなくなる"ということも発生することがあります。またテンプレート化すると商品登録時でも以下のような心配があります。
◆商品固有のストーリーや魅力が埋もれやすい
食品ジャンルでは、素材の産地や生産者のこだわり、伝統的な作り方などを深堀りするのが有効ですが、各商品をひとつのフォーマットに当てはめると、そうした個性的な要素を十分に表現できない恐れがあります。
◆SEOやターゲット別の最適化がやや難しい
どの商品も似たようなタイトルや説明文だと、検索エンジンへのアピールが弱まったり、顧客の興味関心に対して刺さりづらくなったりする可能性があります。商品独自の差別化ポイントなど具体的な訴求を行いにくくなります。
3. 楽天市場の特性を踏まえた両者のバランスの取り方
楽天市場は大型セール(お買い物マラソン、スーパーSALEなど)や季節ごとのギフト需要(母の日、父の日、お歳暮、お中元など)が大きな売上の山場になります。
そこで大切なのは、店舗全体のイメージ統一と商品ごとへのこだわりを両立させることです。
◆共通デザイン部分はしっかり統一
ロゴ、ヘッダー、フッター、共通バナーなど、店舗の“顔”となる部分は統一感を持たせましょう。たとえば「国産素材にこだわる」「昭和の懐かしさを感じる味づくり」「健康維持をサポートする食材」など、店舗としてのコンセプトを打ち出すカラーやフォントを決め、どの商品ページでもそれをベースとして使います。
◆商品説明や画像で個性を出す
メインビジュアルや商品説明、サブ画像の構成は商品ごとに最適化し、魅力を十分に引き出せるよう工夫します。たとえば、50代・60代の方にアピールしたい“健康志向の和菓子”なら、魅力的な写真をメインビジュアルに設定しつつサブ画像で「昔ながらの製法で砂糖の使用量を抑え、甘さ控えめに仕上げました」といった説明を大きく打ち出すのも有効です。
◆イベントや特集ページでバランスを保つ
楽天スーパーSALEやお中元・お歳暮などの特集ページを用意し、そこでは店舗全体のイメージを強く打ち出しながら、商品ページで商品ごとの個性を見せるようにします。「50代からの健康応援!夏のスタミナ食特集」「60代の両親に贈りたい懐かしグルメ特集」など、ターゲットを意識した切り口で特集を組むのも効果的です。
4. 商品ページ制作における実践的なポイント(食品ジャンル編)
(1) スマートフォン最適化
50代・60代の方の中にも、スマホで楽天市場を利用する方は年々増えています。ページが見づらい、文字が小さい、ボタンが押しにくいなどの要因で離脱されないように注意しましょう。
・文字サイズは読みやすく(15pt以上推奨)
・写真や画像は端末の画面幅で確認し、切れたり見辛くなったりしていないかチェック
・カートボタンや「買い物かごに入れる」ボタンは、画面下部に固定表示など検討する(GOLDページ)
(2) 食欲や安心感をそそるビジュアルと説明
食品を購入する際、多くの方は「美味しそう」「安全・安心」「新鮮」などのポイントを重視します。50代・60代の方なら、「少し贅沢でもこだわったものが欲しい」「昔ながらの製法で作られた懐かしい味が好き」「身体に優しい、健康に役立つ食品を選びたい」といった心理もあります。
・主画像は食材や料理が美味しそうに見えるカットを厳選
・「無添加」「保存料不使用」「国産原料〇%使用」など、品質面のアピールをわかりやすくレイアウト
・昔ながらの製法や生産者の声、エピソードを盛り込み、共感を得やすくする
(3) レビュー・口コミの見せ方
食品ジャンルではレビューの信頼度が高い傾向にあり、「実際に食べてみた人の意見」を気にする50代・60代のお客様は多いです。
・レビューの中で多かった意見や評価ポイントを商品ページに引用して、視認性を高める
・「購入後アンケートで次回使えるクーポン」などレビュー促進施策を実施し、レビュー数・質を高める
(4) お得感・セット販売の訴求
「送料を含めた支払総額が高くならないか」という懸念を持つ方は少なくありません。特に遠方への発送が多い食品では、セット販売やまとめ買い割引など、お得感が伝わる工夫をおすすめします。
・「2セット以上で送料無料」「ポイント○倍」などの特典を大きく目立たせる
・50代・60代の方へ「ご家族やお友達とのシェアにちょうど良い」といった利用シーンを提案
(5) 動画を使った調理法・活用シーンの紹介
生鮮品やお惣菜、冷凍食品などは、実際の調理手順や盛り付け例を動画で見せると効果的です。50代・60代の方はレシピ動画を見て「簡単そうだから試してみよう」と思うことも多いですし、「自分ならもっとこうアレンジできるかも」と想像しながら興味を持ってくれます。
5. ターゲット分析と効果測定の重要性
商品ページを細かく作り込む場合でも、店舗イメージを統一する場合でも、最終的にはどれだけターゲットがそのページを見て「買いたい!」と思うかが鍵となります。そのためにはターゲットを正しく分析し、常に効果測定と改善を繰り返すことが大切です。
◆アクセス解析や売上データの活用
楽天RMSのアクセス解析では、「どんな検索キーワードから流入しているか」「商品ページでの滞在時間はどうか」「どこで離脱しているか」などが分かります。これらのデータをもとに、キャッチコピーや画像レイアウトを改善していくとよいでしょう。
◆購入者アンケートやメルマガ・SNSでのヒアリング
実際に購入いただいた方に「どんなきっかけでこの商品を選んだのか」「他に気になった点はなかったか」など聞く機会を作りましょう。アンケートが難しい場合は公式LINEを利用した満足度調査という機能も便利です。3ヶ月に1度ですが、簡易的にLINEで意見を募集することができます。50代・60代は意見を丁寧に伝えてくださる方も多く、貴重なフィードバックが得られます。
◆競合リサーチの継続
食品ジャンルには多数の店舗があり、同じカテゴリの競合を定期的にチェックすることで、市場動向や流行の訴求ワードを把握できます。「産地直送」「訳あり品」「糖質オフ」「アレルギー対応」など、新しい切り口が増えているかもしれません。自店の商品ページ作成にも取り入れられるヒントを探してみてください。
◆PDCAサイクルを回す
いきなりすべての商品を作り込みすぎると負担が大きいので、まずは看板商品や売れ筋商品のページを重点的に刷新・検証してみてください。そこで得られた成果をほかの商品ページにも少しずつ展開していくと、効率的に店舗全体のクオリティを高められます。
【まとめ:食品ジャンルならではの「信頼感と魅力の伝え方」を両立】
食品ジャンルにおいて、50代・60代の方をターゲットにする場合は、「安心・安全」「素材の質」「昔ながらの製法」「ちょっとした贅沢感」などを大切にしながら、店舗の世界観を確立していくことが重要です。
一方で、商品ごとの個性や強みを引き出し、きちんと説明してあげることも欠かせません。
食品ジャンルはリピート購入が多い半面、ライバル店との競合も激しい世界です。だからこそ、店舗独自の世界観を強化しながら、商品ごとに適切なアピールをする“両立のハイブリッド型”が理想だと言えます。
まずは主力商品を中心に手を入れてみて、結果を検証しながら運営全体をブラッシュアップしていきましょう。
ターゲットである50代・60代の方が思わず『あの味が忘れられない』『やっぱりこの店が安心』と思ってリピートしたくなるような商品ページをぜひ目指してみてください。
コツコツとPDCAを回すうちに、自店の強みが確立され、ファンが増えていくはずです。
今回は50-60代をターゲットとして解説しましたが、他の世代であっても考え方は同様です。もし、ターゲット設定や店舗ページ改善順序・方法についてご不安がありましたら、併走しサポートをさせていただきますのでお気軽にお声がけください。
皆様の店舗が、今後さらに多くのお客様に支持されることを願っています。
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